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〘1274㌻〙

第1章

1 こはベニヤミンの地ちアナトテの祭司さいしの一人ひとりなるヒルキヤの子こヱレミヤの言ことばなり 2 アモンの子こユダの王わうヨシヤの時ときすなはちその治世よの十三年ねんにヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞめり 3 その言ことばまたヨシヤの子こユダの王わうヱホヤキムの時ときにものぞみてヨシヤの子こユダの王わうゼデキヤの十一年ねんのをはり即すなはちその年としの五月󠄃ごぐわつヱルサレムの民たみの移うつされたる時ときまでにいたれり

4 ヱホバの言ことば我われにのぞみて云いふ 5 われ汝なんぢを腹はらにつくらざりし先さきに汝なんぢをしり汝なんぢが胎たいをいでざりし先さきに汝なんぢを聖󠄃きよめ汝なんぢをたてて萬國ばんこくの預言者よげんしやとなせりと 6 我われこたへけるは噫あゝ主しゆヱホバよ視みよわれは幼少をさなきにより語かたることを知しらず 7 ヱホバわれにいひたまひけるは汝なんぢわれは幼少をさなしといふ勿なかれすべて我わが汝なんぢを遣󠄃つかはすところにゆき我わが汝なんぢに命めいずるすべてのことを語かたるべし 8 なんぢ彼等かれらの面かほを畏おそるる勿なかれ蓋そはわれ汝なんぢと偕ともにありて汝なんぢをすくふべければなりとヱホバいひたまへり 9 ヱホバ遂󠄅つひにその手てをのべて我わが口くちにつけヱホバ我われにいひたまひけるは視みよわれ我わが言ことばを汝なんぢの口くちにいれたり 10 みよ我われけふ汝なんぢを萬民ばんみんのうへと萬國ばんこくのうへにたて汝なんぢをして或あるひは拔ぬき或あるひは毀こぼち或あるひは滅ほろぼし或あるひは覆󠄄たふし或あるひは建󠄄たて或あるひは植うゑしめん

11 ヱホバの言ことばまた我われに臨のぞみていふヱレミヤよ汝なんぢ何なにをみるや我われこたへけるは巴旦杏はたんきやうの枝えだをみる 12 ヱホバ我われにいひたまひけるは汝なんぢ善よく見みたりそはわれ速󠄃すみやかに我わが言ことばをなさんとすればなり 13 ヱホバの言ことばふたゝび我われに臨のぞみていふ汝なんぢ何なにをみるや我われこたへけるは沸騰󠄃にえたちたる鑊なべをみるその面おもては北きたより此方こなたに向むかふ
 1274㌻ 
14 ヱホバ我われにいひたまひけるは災わざはひ北きたよりおこりてこの地ちに住󠄃すめるすべての者ものにきたらん 15 ヱホバいひたまひけるはわれ北きたの國々くに〴〵のすべての族やからをよばん彼等かれらきたりてヱルサレムの門もんの入口いりくちとその周󠄃圍󠄃まはりのすべての石垣いしがきおよびユダのすべての邑々まち〳〵に向むかひておのおのその座ざを設まうけん 16 われかれらの凡すべの惡事あしきことのために我わが鞫さばきをかれにつげん是こはかれら我われをすてて別ほかの神かみに香かうを焚たきおのれの手てにて作つくりし物ものを拜はいするによる 17 汝なんぢ腰󠄃こしに帶おびして起󠄃たちわが汝なんぢに命めいずるすべての事ことを彼等かれらにつげよその面かほを畏おそるる勿なかれ否しからざれば我われかれらの前󠄃まへに汝なんぢを辱はづかしめん 18 視みよわれ今日けふこの全󠄃國ぜんこくとユダの王わうとその牧伯つかさとその祭司さいしとその地ちの民たみの前󠄃まへに汝なんぢを堅かたき城󠄃しろ 鐵くろがねの柱󠄃はしら 銅あかがねの牆かきとなせり 19 彼等かれらなんぢと戰たゝかはんとするも汝なんぢに勝󠄃かたざるべしそはわれ汝なんぢとともにありて汝なんぢをすくふべければなりとヱホバいひたまへり〘977㌻〙

第2章

1 ヱホバの言ことば我われにのぞみていふ 2 ゆきてヱルサレムに住󠄃すめる者ものの耳みゝにつげよヱホバ斯かくいふ我われ汝なんぢにつきて汝なんぢの若わかき時ときの懇切まことなんぢが契󠄅ちぎりをなせしときの愛あい曠野あらのなる種たね播まかぬ地ちにて我われに從したがひしことを憶おぼゆと 3 イスラエルはヱホバの聖󠄃物きよきものにしてその初はじめに結むすべる實みなりすべて之これを食󠄃くらふものは罰つみせられ災わざはひにあふべしとヱホバ云いひたまへり

4 ヤコブの家いへとイスラエルの家いへの諸すべての族やからよヱホバの言ことばをきけ 5 ヱホバかくいひたまふ汝等なんぢらの先祖せんぞは我われに何なにの惡事あしきことありしを見みて我われに遠󠄄とほざかり 虛むなしき物ものにしたがひて虛むなしくなりしや 6 かれらは我儕われらをエジプトの地ちより導󠄃みちびきいだし曠野あらのなる岩穴󠄄あなある荒あれたる地ち 旱かはきたる死しの蔭かげの地ち 人ひとの過󠄃すぎざる地ち 人ひとの住󠄃すまはざる地ちを通󠄃とほらしめしヱホバはいづこにあるといはざりき
 1275㌻ 
7 われ汝等なんぢらを導󠄃みちびきて園そののごとき地ちにいれ其その實みと佳物よきものをくらはしめたり然されど汝等なんぢら此處こゝにいり我わが地ちを汚けがし我わが產業さんげふを憎にくむべきものとなせり 8 祭司さいしはヱホバは何處いづこにいますといはず律法おきてをあつかふ者ものは我われを知しらず牧者ぼくしやは我われに背そむき預言者よげんしやはバアルによりて預言よげんし益えきなきものに從したがへり

9 故ゆゑにわれ尙なほ汝等なんぢらとあらそはん且また汝なんぢの子孫しそんとあらそふべしとヱホバいひたまふ 10 汝等なんぢらキッテムの諸島しまにわたりて觀みよまた使󠄃者つかひをケダルにつかはし斯かくのごとき事ことあるや否いなやを詳細つまびらかに察さつせしめよ 11 その神かみを神かみにあらざる者ものに易かへたる國くにありや然しかるに我民わがたみはその榮さかえを益えきなき物ものにかへたり 12 天てんよこの事ことを驚おどろけ慄をののけいたく怖おそれよとヱホバいひたまふ 13 蓋そはわが民たみはふたつの惡事あしきことをなせり即すなはち活いける水みづの源みなもとなる我われをすて自己みづから水溜みづためを掘ほれりすなはち壞やぶれたる水溜みづためにして水みづを有󠄃たもたざる者ものなり

14 イスラエルはしもべなるか家いへにうまれし僕しもべなるかいかにして擄掠とらはれものとなれるや 15 わかき獅子しゝかれにむかひて哮ほえその聲こゑをあげてその地ちを荒あらせりその諸邑まち〳〵は焚やかれて住󠄃すむ人ひとなし 16 ノフとタパネスの諸子こどもらも汝なんぢの頭首かしらの髮けをくらはん 17 汝なんぢの神かみヱホバの汝なんぢを途󠄃みちにみちびきたまへる時ときに汝なんぢこれを棄すてたるによりて此事このこと汝なんぢにおよぶにあらずや 18 汝なんぢナイルの水みづを飮のまんとてエジプトの路みちにあるは何なにゆゑぞまた河かはの水みづを飮のまんとてアツスリヤの路みちにあるは何故なにゆゑぞ 19 汝なんぢの惡あしきは汝なんぢをこらしめ汝なんぢの背そむきは汝なんぢをせめん斯かく汝なんぢが汝なんぢの神かみヱホバをすてたると我われを畏おそるることの汝なんぢの衷うちにあらざるとは惡あしく且かつ苦にがきことなるを汝なんぢ見みてしるべしと主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひ給たまふ〘978㌻〙

20 汝なんぢ昔むかしより汝なんぢの軛くびきををり汝なんぢの縛󠄃なはめを截たちていひけるは我われつかふることをせじと即すなはち汝なんぢすべての高山たかやまのうへと諸すべての靑木あをきの下したに妓女あそびめのごとく身みをかがめたり
 1276㌻ 
21 われ汝なんぢを植うゑて佳よき葡萄ぶだうの樹きとなし全󠄃まつたき眞󠄃まことの種たねとなせしにいかなれば汝なんぢわれに向むかひて異ことなる葡萄ぶだうの樹きの惡あしき枝えだにかはりしや 22 たとひ囌咑そうだをもて自みづから濯󠄄あらひまたおほくの灰󠄃汁あくを加くはふるも汝なんぢの惡あくはわが前󠄃まへに汚けがれたりと主しゆヱホバいひ給たまふ 23 汝なんぢいかで我われは汚けがれずバアルに從したがはざりしといふことを得えんや汝なんぢ谷たにの中うちのおこなひを觀みよ汝なんぢのなせしことを知しれ汝なんぢは疾とく走はしるわかき牝めの駱駝らくだにしてその途󠄃みちにさまよへり 24 汝なんぢは曠野あらのになれたる野のの牝驢馬めろばなり其その欲よくのために風かぜにあへぐその欲よくのうごくときは誰たれかこれをとどめえん凡すべてこれを尋󠄃たづぬる者ものは自みづから勞らうするにおよばすその月󠄃つきの中うちに之これにあふべし 25 汝なんぢ足あしをつつしみて跣足はだしにならざるやうにし喉のどをつつしみて渇かわかぬやうにせよしかるに汝なんぢいふ是こは徒然いたづらなり然しかりわれ異ことなる國くにの者ものを愛あいしてこれに從したがふなりと

26 盜人ぬすびとの執とらへられて恥辱はづかしめをうくるがごとくイスラエルの家いへ恥辱はづかしめをうく彼等かれらその王わうその牧伯つかさその祭司さいしその預言者よげんしやみな然しかり 27 彼等かれら木きにむかひて汝なんぢは我わが父󠄃ちゝなりといひまた石いしにむかひて汝なんぢは我われを生うみみたりといふ彼等かれらは背せを我われにむけて其その面かほをわれに向むけずされど彼等かれら災わざはひにあふときは起󠄃たちてわれらを救すくひ給たまへといふ 28 汝なんぢがおのれの爲ために造󠄃つくりし神かみはいづこにあるやもし汝なんぢが災わざはひにあふときかれら汝なんぢを救すくふを得えば起󠄃たつべきなりそはユダよ汝なんぢの神かみは汝なんぢの邑まちの數󠄄かずに同おなじければなり

29 汝等なんぢらなんぞ我われとあらそふや汝なんぢらは皆みな我われに背そむけりとヱホバいひ給たまふ 30 我われが汝なんぢらの衆子こどもらを打うちしは益えきなかりき彼等かれらは懲治いましめをうけず汝等なんぢらの劍つるぎは猛たけき獅子しゝのごとく汝等なんぢらの預言者よげんしやを滅ほろぼせり 31 なんぢらこの世よの人ひとよヱホバの言ことばをきけ我われはイスラエルのために曠野あらのとなりしや暗󠄃くらき地ちとなりしや何故なにゆゑにわが民たみはわれら徘徊ゆきめぐりて復また汝なんぢに來きたらじといふや
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32 それ處女をとめはその飾󠄃物かざりものを忘󠄃わすれんや新婦󠄃はなよめはその帶おびをわすれんや然されど我民わがたみの我われを忘󠄃わすれたる日ひは數󠄄かぞへがたし 33 汝なんぢ愛あいを得えんとて如何いかに汝なんぢの途󠄃みちを美よくするぞよされば汝なんぢの行おこなひはあしき事ことを爲なすに慣なれたり 34 また汝なんぢの裾すそに辜つみなき貧󠄃者まづしきものの生命いのちの血ちありわれ盜人ぬすびとの穿󠄂うがちたる所󠄃ところにて之これを見みずしてすべて此等これらの上うへにこれを見みる 35 されど汝なんぢいふわれは辜つみなし故ゆゑにその怒いかりはかならず我われに臨のぞまじとみよ汝なんぢわれ罪つみを犯をかさざりしといふにより我われ汝なんぢとあらそふべし〘979㌻〙 36 なんぢ何故なにゆゑにその途󠄃みちを易かへんとて迅󠄄とくはしるや汝なんぢアツスリヤに恥辱はづかしめをうけしごとくエジプトにも亦また恥辱はづかしめをうけん 37 汝なんぢ兩手もろてを頭かうべに置おきてかしこよりも出去いでさらんそはヱホバ汝なんぢのたのむところの者ものを棄すつれば汝なんぢ彼等かれらによりて望󠄇のぞみを遂󠄅とぐること無なかるべければなり

第3章

1 世よにいへるあり人ひともしその妻つまをいださんに去さりゆきてほかの人ひとの妻つまとならば其その夫をつとふたゝび彼かれに歸かへるべけんやさすれば其その地ちはおほいに汚けがれざらんや汝なんぢはおほくの者ものと姦淫かんいんを行おこなへりされど汝なんぢわれに皈かへれよとヱホバいひ給たまふ 2 汝なんぢ目めをあげてもろもろの童山はげやまをみよ姦淫かんいんを行おこなはざる所󠄃ところはいづこにあるや汝なんぢは曠野あらのにをるアラビヤ人びとの爲なすがごとく路みちに坐ざして人ひとをまてり汝なんぢは姦淫かんいんと惡あくをもて此この地ちを汚けがせり 3 この故ゆゑに雨あめはとどめられ春はるの雨あめはふらざりし然されど汝なんぢ娼妓あそびめの額ひたひあれば肯あへて恥はぢず 4 汝なんぢいまより我われを呼よびていはざらんや我わが父󠄃ちゝよ汝なんぢはわが少時わかきときの交󠄄友ともなり 5 窮󠄃かぎりなくその怒いかりを含ふくまんや恒つねに之これを存たもたんやと視みよ汝なんぢはかくいへど力ちからをきはめて惡あくを爲なすなり

6 ヨシヤ王わうのときヱホバまた我われにいひ給たまひけるは汝なんぢそむけるイスラエルのなせしことを見みしや彼かれはすべての高山たかやまにのぼりすべての靑木あをきの下したにゆきて其處そこに姦淫かんいんを行おこなへり
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7 彼かれこのすべての事ことを爲なせしのち我われかれに汝なんぢわれに歸かへれと言いひしかどもわれに歸かへらざりき其その悖もとれる姊妹しまいなるユダ之これを見みたり 8 我われに背そむけるイスラエル姦淫かんいんをなせしにより我われかれを出いだして離緣狀りえんじやうをあたへたれどその悖もとれる姊妹しまいなるユダは懼おそれずして往󠄃ゆきて姦淫かんいんを行おこなふ我われこれを見みる 9 また其その姦淫かんいんの噪さわぎをもてこの地ちを汚けがし且かつ石いしと木きとに姦淫かんいんを行おこなへり 10 此この諸もろ〳〵の事ことあるも仍なほ其その悖もとれる姊妹しまいなるユダは眞󠄃心まごころをもて我われにかへらず僞いつはれるのみとヱホバいひたまふ

11 ヱホバまた我われにいひたまひけるは背そむけるイスラエルは悖もとれるユダよりも自己おのれを義ただしとす 12 汝なんぢゆきて北きたにむかひ此言このことばを宣のべていふべしヱホバいひたまふ背そむけるイスラエルよ歸かへれわれ怒いかりの面おもてを汝なんぢらにむけじわれは矜恤あはれみある者ものなり怒いかりを限かぎりなく含ふくみをることあらじとヱホバいひたまふ 13 汝なんぢただ汝なんぢの罪つみを認󠄃いひあらはせそは汝なんぢの神かみヱホバにそむき經へめぐりてすべての靑木あをきの下したにて異邦󠄆人ことくにびとにゆき汝等なんぢらわが聲こゑをきかざればなりとヱホバいひ給たまふ 14 ヱホバいひたまふ背そむける衆子こどもらよ我われにかへれそはわれ汝等なんぢらを娶めとればなりわれ邑まちより一人ひとり支󠄂派󠄄わかれより二人ふたりを取とりて汝等なんぢらをシオンにつれゆかん 15 われ我わが心こゝろに合かなふ牧者ぼくしやを汝等なんぢらにあたへん彼等かれらは知識ちしきと明哲さとりをもて汝等なんぢらを養󠄄やしなふべし〘980㌻〙 16 ヱホバいひたまふ汝等なんぢら地ちに增まして多おほくならんときは人々ひと〴〵復またヱホバの契󠄅約けいやくの櫃はこといはず之これを想おもひいでず之これを憶おぼえずこれを尋󠄃たづねずこれを作つくらざるべし 17 その時ときヱルサレムはヱホバの座位みくらゐと稱󠄄となへられ萬國ばんこくの民たみここに集あつまるべし即すなはちヱホバの名なによりてヱルサレムに集あつまり重かさねて其その惡あしき心こゝろの剛愎かたくななるにしたがひて行あゆまざるべし 18 その時ときユダの家いへはイスラエルの家いへとともに行あゆみて北きたの地ちよりいで我わが汝なんぢらの先祖せんぞたちに與あたへて嗣つがしめし地ちに偕ともにきたるべし
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19 我われいへり嗚呼あゝわれいかにして汝なんぢを諸子こどもらの中うちに置おき萬國ばんこくの中うちにて最もつとも美うるはしき產業さんげふなる此この美地よきちを汝なんぢにあたへんと我われまたいへり汝なんぢわれを我わが父󠄃ちゝとよび亦また我われを離はなれざるべしと 20 然しかるにイスラエルの家いへよ妻つまの誓ちかひに違󠄇そむきてその夫をつとを棄すつるがごとく汝等なんぢらわれに背そむけりとヱホバいひたまふ 21 聲こゑ山やまのうへに聞きこゆ是こはイスラエルの民たみの悲かなしみ祈いのるなり蓋そは彼等かれらまがれる途󠄃みちにあゆみ其その神かみヱホバを忘󠄃わするればなり 22 背そむける諸子こどもらよ我われに歸かへれわれ汝なんぢの退󠄃違󠄇そむきをいやさん  視みよ我儕われらなんぢに到いたる汝なんぢはわれらの神かみヱホバなればなり

23 信げに諸もろ〳〵の岡をかとおほくの山やまに救すくひを望󠄇のぞむはいたづらなり誠󠄃まことにイスラエルの救すくひはわれらの神かみヱホバにあり 24 羞恥はぢはわれらの幼時わかきときより我儕われらの先祖せんぞの產業さんげふすなはち其その多おほくの羊ひつじとそのおほくの牛うしおよび其その子こその女むすめを呑盡のみつくせり 25 われらは羞恥はぢに臥ふし我われらは恥辱はづかしめに覆󠄄おほはるべしそは我儕われらとわれらの列祖せんぞは我われらの幼時わかきときより今日こんにちにいたるまで罪つみをわれらの神かみヱホバに犯をかし我儕われらの神かみヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはざればなり

第4章

1 ヱホバいひたまふイスラエルよ汝なんぢもし歸かへらば我われに歸かへれ汝なんぢもし憎にくむべき者ものを我わが前󠄃まへより除のぞかば流蕩さまよはじ 2 かつ汝なんぢは眞󠄃實まことと正直なほきと公󠄃義ただしきとをもてヱホバは活いくと誓ちかはんさらば萬國ばんこくの民たみは彼かれによりて福祉さいはひをうけ彼かれによりて誇ほこるべし

3 ヱホバ、ユダとヱルサレムの人々ひと〴〵にかくいひ給たまふ汝等なんぢらの新田しんでんを耕󠄃たがやせ荊棘いばらの中なかに種まくなかれ。 4 ユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめる者ものよ汝等なんぢらみづから割󠄅禮かつれいをおこなひてヱホバに屬つきおのれの心こゝろの前󠄃まへの皮かはを去され然しからざれば汝等なんぢらの惡行あしきおこなひのためわが怒いかり火ひの如ごとくに發はつして燃もえんこれを滅けすものなかるべし
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5 汝等なんぢらユダに吿つげヱルサレムに示しめしていへ箛らつぱを國くにの中うちに吹ふけとまた大聲おほごゑに呼よばはりていへ汝等なんぢらあつまれ我儕われら堅かたき邑まちにゆくべしと 6 シオンに指示しめす合圖󠄃あひづの旗はたをたてよ逃󠄄にげよ留とどままる勿なかれそは我われ北きたより災わざはひとおほいなる敗壞ほろびをきたらすればなり〘981㌻〙 7 獅子しゝは其その森もりよりいでて上のぼり國々くに〴〵を滅ほろぼすものは進󠄃すゝみきたる彼かれ汝なんぢの國くにを荒あらさんとて旣󠄁すでにその處ところよりいでたり汝なんぢの諸邑まち〳〵は滅ほろぼされて住󠄃すむ者ものなきに至いたらん 8 この故ゆゑに汝等なんぢら麻󠄃あさの衣ころもを身みにまとひて悲かなしみ哭なげけそはヱホバの烈はげしき怒いかりいまだ我儕われらを離はなれざればなり 9 ヱホバいひたまひけるはその日ひ王わうと牧伯等きみたちはその心こゝろをうしなひ祭司さいしは驚おどろき預言者よげんしやは異あやしむべし

10 我われいひけるは嗚呼あゝ主しゆヱホバよ汝なんぢはまことに此民このたみとヱルサレムを大おほいにあざむきたまふすなはち汝なんぢはなんぢら安やすかるべしと云いひ給たまひしに劍つるぎ命いのちにまでおよべり

11 その時ときこの民たみとヱルサレムにいふものあらん熱あつき風かぜ 曠野あらのの童山はげやまよりわが民たみの女むすめにふききたると此こは簸ひるためにあらず潔󠄄きよむる爲ためにもあらざるなり 12 これよりも猶󠄅なほはげしき風かぜわれより來きたらん今いま我われかれらに鞫さばきを示しめさん 13 みよ彼かれは雲くものごとく上のぼりきたらん其その車くるまは颶風はやてのごとくにしてその馬むまは鷹わしよりも疾はやし嗚呼あゝわれらは禍わざはひなるかな我儕われら滅ほろぼさるべし 14 ヱルサレムよ汝なんぢの心こゝろの惡あくをあらひ潔󠄄きよめよ然さらばすくはれん汝なんぢの惡あしき念おもひいつまで汝なんぢのうちにあるや 15 ダンより吿つぐる聲こゑありエフライムの山やまより災わざはひを知しらするなり 16 汝なんぢら國々くに〴〵の民たみに吿つげまたヱルサレムに知しらせよ攻せめかこむ者もの遠󠄄とほき國くにより來きたりユダの諸邑まち〳〵にむかひて其その聲こゑを揚あぐと 17 彼かれらは田圃たはたをまもる者もののごとくにこれを圍󠄃かこむこは我われに從したがはざりしに由よるとヱホバいひ給たまふ 18 汝なんぢの途󠄃みちと汝なんぢの行おこなひこれを汝なんぢに招まねけりこれは汝なんぢの惡あくなり誠󠄃まことに苦にがくして汝なんぢの心こゝろにおよぶ
 1281㌻ 

19 嗚呼あゝわが腸はらわたよ我わが腸はらわたよ痛苦いたみ心こゝろの底そこにおよびわが心胸むねとどろくわれ默もくしがたし我わが靈魂たましひよ汝なんぢ箛らつぱの聲こゑと軍いくさの鬨さわぎをきくなり 20 敗滅ほろびに敗滅ほろびのしらせありこの地ちは皆みな荒あらされわが幕屋まくやは頃刻󠄂にはかにやぶられ我わが幕まくは忽たちまち破やぶられたり 21 我われが旗はたをみ箛らつぱの聲こゑをきくは何時いつまでぞや 22 それ我民わがたみは愚おろかにして我われを識しらず拙つたなき子等こどもにして曉さとることなし彼かれらは惡あくを行おこなふに智さとけれども善ぜんを行おこなふことを知しらず

23 われ地ちを見みるに形かたちなくして空󠄃むなしくあり天てんを仰あふぐに其處そこに光ひかりなし 24 我われ山やまを見みるに皆みな震ふるへまた諸すべての丘をかも動うごけり 25 我われ見みるに人ひとあることなし天空󠄃そらの鳥とりも皆みな飛とびされり 26 我われみるに肥美ゆたかなる地ちは沙漠あれちとなり且かつその諸すべての邑まちはヱホバの前󠄃まへにその烈はげしき怒いかりの前󠄃まへに毀こぼたれたり

27 そはヱホバかくいひたまへりすべて此この地ちは荒地あれちとならんされど我われことごとくは之これを滅ほろぼさじ〘982㌻〙 28 故ゆゑに地ちは皆みな哀かなしみ上うへなる天てんは暗󠄃くらくならん我われすでに之これをいひ且かつこれを定さだめて悔くいずまた之これをなす事ことを止やめざればなり 29 邑まちの人ひとみな騎兵きへいと射󠄂者いての咄喊さけびのために逃󠄄にげて叢林もりにいり又󠄂また岩いはの上うへに升のぼれり邑まちはみな棄すてられて其處そこに住󠄃すむ人ひとなし 30 滅ほろぼされたる者ものよ汝なんぢ何なにをなさんとするや設令たとひ汝なんぢくれなゐの衣ころもをき金こがねの飾󠄃物かざりをもて身みを粧よそほひ目めをぬりて大おほきくするとも汝なんぢが身みを粧よそほふはいたづらなり汝なんぢの戀人こひびとらは汝なんぢをいやしめ汝なんぢのいのちを索もとむるなり 31 われ子こをうむ婦󠄃をんなのごとき聲こゑ首子うひごをうむ者ものの苦くるしむがごとき聲こゑを聞きく是これシオンの女むすめの聲こゑなりかれ自みづから歎なげき手てをのべていふ嗚呼あゝわれは禍わざはひなるかな我わが靈魂たましひ殺ころす者もののために疲つかれはてぬ

第5章

1 汝等なんぢらヱルサレムの邑まちをめぐりて視み且かつ察さとりその街ちまたを尋󠄃たづねよ汝等なんぢらもし一人ひとりの公󠄃義ただしきを行おこなひ眞󠄃理まことを求もとむる者ものに逢あはばわれ之これ(ヱルサレム)を赦ゆるすべし 2 彼かれらヱホバは活いくといふとも實まことは僞いつはりて誓ちかふなり
 1282㌻ 
3 ヱホバよ汝なんぢの目めは誠󠄃實まことを顧󠄃かへりみるにあらずや汝なんぢ彼かれらを撻うてどもかれら痛苦いたみをおぼえず彼等かれらを滅ほろぼせどもかれら懲治いましめをうけず其その面かほを磐いはよりも硬󠄃かたくして歸かへることを拒󠄃いなめり

4 故ゆゑに我われいひけるは此輩これらは惟たゞいやしき愚おろかなる者ものなればヱホバの途󠄃みちと其その神かみの鞫さばきを知しらざるなり 5 われ貴人たふときひとにゆきて之これに語かたらんかれらはヱホバの途󠄃みちとその神かみの鞫さばきを知しるなり然しかるに彼かれらも皆みな軛くびきを折をり縛󠄃なはめを斷たてり 6 故ゆゑに林はやしよりいづる獅子しゝは彼かれらを殺ころしアラバの狼おほかみはかれらを滅ほろぼし豹󠄂へうはその邑まちをねらふ此處こゝよりいづる者ものは皆みな裂さかるべしそは其その罪つみおほくその背違󠄇そむきはなはだしければなり

7 我われなに故ゆゑに汝なんぢをゆるすべきや汝なんぢの諸子こどもらわれを棄すて神かみにあらざる神かみを指さして誓ちかふ我われすでに彼かれらを誓ちかはせたれど彼かれら姦淫かんいんして娼妓あそびめの家いへに群集むれあつまる 8 彼かれらは肥こえたる牡馬をむまのごとくに行ゆきめぐりおのおの嘶いななきて隣となりの妻つまを慕したふ 9 ヱホバいひたまふ我われこれらの事ことのために彼かれらを罰ばつせざらんや我わが心こゝろはかくの如ごとき民たみに仇あたを復かへさざらんや

10 汝等なんぢらその石垣いしがきにのぼりて滅ほろぼせされど悉こと〴〵くはこれを滅ほろぼす勿なかれその枝えだを截除きりのぞけヱホバのものに有󠄃あらざればなり 11 イスラエルの家いへとユダの家いへは大おほいに我われに悖もとるなりとヱホバいひたまふ 12 彼等かれらはヱホバを認󠄃みとめずしていふヱホバはある者ものにあらず災わざはひわれらに來きたらじ我儕われら劍つるぎと饑󠄃饉ききんをも見みざるべし 13 預言者よげんしやは風かぜとなり言ことばはかれらの衷うちにあらず斯かく彼かれらになるべしと〘983㌻〙

14 故ゆゑに萬軍ばんぐんの神かみヱホバかくいひたまふ汝等なんぢらこの言ことを語いふにより視みよわれ汝なんぢの口くちにある我わが言ことばを火ひとなし此民このたみを薪たきゞとなさんその火ひ彼かれらを焚盡やきつくすべし 15 ヱホバいひ給たまふイスラエルの家いへよみよ我われ遠󠄄とほき國人くにびとをなんぢらに來きたらしめん其その國くには强つよくまた古ふるき國くになり汝等なんぢらその言ことばをしらず其その語かたることをも曉さとらざるなり
 1283㌻ 
16 その箙󠄃えびらは啓󠄃ひらきたる墓はかのごとし彼かれらはみな勇󠄃士ゆうしなり 17 彼かれらは汝なんぢの穡かりいれたる物ものと汝なんぢの糧食󠄃くひものを食󠄃くらひ汝なんぢの子女むすこむすめを食󠄃くらひ汝なんぢの羊ひつじと牛うしを食󠄃くらひ汝なんぢの葡萄ぶだうの樹きと無花果いちぢくの樹きを食󠄃くらひまた劍つるぎをもて汝なんぢの賴たのむところの堅かたき邑まちを滅ほろぼさん 18 されど其時そのときわれことごとくは汝なんぢを滅ほろぼさじとヱホバいひたまふ

19 汝等なんぢら何なにゆゑにわれらの神かみヱホバ此等これらの諸すべてのことを我儕われらになしたまふやといはば汝なんぢかれらに答こたふべし汝なんぢら我われをすて汝なんぢらの地ちに於おいて異ことなる神かみに奉つかへしごとく汝なんぢらのものにあらざる地ちに於おいて異邦󠄆人ことくにびとにつかふべしと

20 汝なんぢこれをヤコブの家いへにのべまたこれをユダに示しめしていへ 21 愚おろかにして了知さとりなく目めあれども見みえず耳みゝあれども聞きこえざる民たみよこれをきけ 22 ヱホバいひ給たまふ汝等なんぢらわれを畏おそれざるか我わが前󠄃まへに戰慄をののかざるか我われは沙すなを置おきて海うみの界さかひとなしこれを永遠󠄄とこしなへの限界かぎりとなし踰こゆることをえざらしむ其浪そのなみさかまきいたるも勝󠄃かつことあたはず澎湃なりわたるもこれを踰こゆるあたはざるなり 23 然しかるにこの民たみは背そむき且かつ悖もとれる心こゝろあり旣󠄁すでに背そむきて去されり 24 彼かれらはまた我儕われらに雨あめをあたへて秋あきの雨あめと春はるの雨あめを時ときにしたがひて下くだし我儕われらのために收穫かりいれの時節󠄄ときを定さだめ給たまへる我わが神かみヱホバを畏おそるべしと其心そのこころにいはざるなり 25 汝等なんぢらの愆とがはこれらの事ことを退󠄃しりぞけ汝等なんぢらの罪つみは嘉物よきものを汝なんぢらに來きたらしめざりき 26 我民わがたみのうちに惡者あしきものあり網󠄄あみを張はる者もののごとくに身みをかがめてうかがひ罟わなを置おきて人ひとをとらふ 27 樊籠かごに鳥とりの盈みつるがごとく不義ふぎの財たから彼かれらの家いへに充みつこの故ゆゑに彼かれらは大おほいなる者ものとなり富とめる者ものとなる 28 彼かれらは肥こえて光澤つやあり其その惡あしき行おこなひは甚はなはだし彼かれらは訟󠄃うつたへをたださず孤みなしごの訟󠄃うつたへを糺たゞさずして利達󠄃さかえをえ亦また貧󠄃者まづしきものの訴うつたへを鞫さばかず 29 ヱホバいひ給たまふわれかくのごときことを罰ばつせざらんや我わが心こゝろは是かくのごとき民たみに仇あだを復かへさざらんや
 1284㌻ 

30 この地ちに驚おどろくべき事ことと憎にくむべきこと行おこなはる 31 預言者よげんしやは僞いつはりて預言よげんをなし祭司さいしは彼かれらの手てによりて治をさめ我民わがたみは斯かゝる事ことを愛あいすされど汝等なんぢらその終󠄃をはりに何なにをなさんとするや〘984㌻〙

第6章

1 ベニヤミンの子等こどもらよヱルサレムの中うちより逃󠄄のがれテコアに箛らつぱをふきベテハケレムに合圖󠄃あひづの火ひをあげよそは北きたより災わざはひと大おほいなる敗壞ほろびのぞめばなり 2 われ美うるはしき窈窕󠄃たをやかなるシオンの女むすめを滅ほろぼさん 3 牧者ぼくしやは其その群むれを牽󠄁ひきて此處こゝにきたりその周󠄃圍󠄃まはりに天幕てんまくをはらん群むれはおのおのその處ところにて草くさを食󠄃くらはん 4 汝なんぢら戰端たたかひを開ひらきて之これを攻せむべし起󠄃たてよわれら日午ひるにのぼらん嗚呼あゝ惜をしいかな日ひははや昃かたむき夕日ゆふひの影かげ長ながくなれり 5 起󠄃たてよわれら夜よの間うちにのぼりてその諸もろ〳〵の殿舍やかたを毀こぼたん 6 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまへり汝なんぢら樹きをきりヱルサレムに向むかひて壘るいを築きづけこれは罰ばつすべき邑まちなりその中うちには唯たゞ暴逆󠄃ばうぎやくのみあり 7 源みなもとの水みづをいだすがごとく彼かれその惡あくを流いだすその中うちに暴逆󠄃ばうぎやくと威󠄂虐󠄃しひたげきこゆ我わが前󠄃まへに憂うれへと傷きずたえず 8 ヱルサレムよ汝なんぢ訓戒いましめをうけよ然しからざれば我わが心こゝろ汝なんぢをはなれ汝なんぢを荒蕪あれちとなし住󠄃すむ人ひとなき地ちとなさん

9 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ彼かれらは葡萄ぶだうの遺󠄃餘のこりを摘つみとるごとくイスラエルの遺󠄃のこれる者ものを摘つみとらん汝なんぢ葡萄ぶだうを摘取者つみとるもののごとく屢しば〳〵手てを筐かごに入いるべし 10 我われたれに語かたり誰たれを警いましめてきかしめんや視みよその耳みゝは割󠄅禮かつれいをうけざるによりて聽きこえず彼かれらはヱホバの言ことばを嘲󠄂あざけりこれを悅よろこばず 11 ヱホバの怒いかりわが身みに充みつわれ忍󠄄しのぶに倦うむこれを衢街ちまたにある童子こどもらと集あつまれる年少者わかきものとに泄もらすべし夫をつとも婦󠄃つまも老おいたる者ものも年とし邁すすみし者ものも執とらへらるるにいたらん 12 その家いへと田地はたけと妻つまはともに佗人たにんにわたらん其そはわれ手てを擧あげてこの地ちに住󠄃すめる者ものを擊うてばなりとヱホバいひたまふ 13 夫それ彼かれらは少ちひさき者ものより大おほいなる者ものにいたるまで皆みな貪婪者むさぼるものなり又󠄂また預言者よげんしやより祭司さいしにいたるまで皆みな詭詐いつはりをなす者ものなればなり
 1285㌻ 
14 かれら淺あさく我民わがたみの女むすめの傷きずを醫いやし平󠄃康やすからざる時ときに平󠄃康やすし平󠄃康やすしといへり 15 彼かれらは憎にくむべき事ことを爲なして恥辱はづかしめをうくれども毫すこしも恥はぢずまた愧はぢを知しらずこの故ゆゑに彼かれらは傾仆たふるる者ものと偕ともにたふれん我わが來きたるとき彼かれら躓つまづかんとヱホバいひたまふ

16 ヱホバかくいひたまふ汝なんぢら途󠄃みちに立たちて見み古ふるき徑みちに就つきて何いづれか善よき道󠄃みちなるを尋󠄃たづねて其その途󠄃みちに行あゆめさらば汝なんぢらの靈魂たましひ安やすきを得えん然されど彼かれらこたへて我儕われらはそれに行あゆまじといふ 17 我われまた汝なんぢらの上うへに守望󠄇者まもるものをたて箛らつぱの聲こゑをきけといへり然されど彼等かれらこたへて我儕われらは聞きかじといふ 18 故ゆゑに萬國ばんこくの民たみよきけ會衆くわいしうよかれらの遇󠄃あふところを知しれ 19 地ちよきけわれ災わざはひをこの民たみにくださんこは彼かれらの思おもひの結むすぶ果みなりかれら我わが言ことばとわが律法おきてをきかずして之これを棄すつるによる 20 シバより我わが許もとに乳󠄃香にうかうきたり遠󠄄とほき國くにより菖蒲あやめきたるは何なんのためぞやわれは汝なんぢらの燔祭はんさいをよろこばず汝なんぢらの犧牲いけにへを甘うましとせず〘985㌻〙 21 故ゆゑにヱホバかくいひたまふみよ我われこの民たみの前󠄃まへに躓礙つまづくものをおく父󠄃ちゝと子ことそれに蹶つまづき隣人となりびととその友とも偕ともに滅ほろぶべし

22 ヱホバかくいひたまふみよ民たみ北きたの國くによりきたる大おほいなる民たみ地ちの極はてより起󠄃おこる 23 彼かれらは弓ゆみと槍やりをとる殘忍󠄄ざんにんにして憫あはれみなしその聲こゑは海うみの如ごとく鳴なるシオンの女むすめよかれらは馬うまに乘のり軍人いくさびとのごとく身みをよろひて汝なんぢを攻せめん 24 我儕われらその風聲うはさをききたれば我儕われらの手て弱󠄃よわり子こをうむ婦󠄃をんなのごとき苦痛くるしみと劬勞いたみわれらに迫󠄃せまる 25 汝なんぢら田地はたけに出いづる勿なかれまた路みちに行あゆむなかれ敵てきの劍つるぎと畏怖おそれ四方よもにあればなり 26 我民わがたみの女むすめよ麻󠄃衣あさのころもを身みにまとひ灰󠄃はひのうちにまろび獨子ひとりごを喪うしなひしごとくに哀かなしみていたく哭なげけそは毀滅者ほろぼすもの突然にはかに我われらに來きたるべければなり

27 われ汝なんぢを民たみのうちに立たてて金かねを驗こころむる者もののごとくなし又󠄂また城󠄃しろのごとくなすこは汝なんぢをしてその途󠄃みちを知しらしめまた試こゝろみしめんためなり
 1286㌻ 
28 彼かれらは皆みないたく悖もとれる者ものなり步行あるきて人ひとを謗そしる者ものなり彼かれらは銅あかがねのごとく鐵くろがねのごとし皆みな邪󠄅よこしまなる者ものなり 29 韛󠄂ふいごは火ひに焚やけ鉛󠄅なまりはつき鎔匠とかすものはいたづらに鎔とかす惡者あしきものいまだ除のぞかれざればなり 30 ヱホバ彼かれらを棄すてたまふによりて彼等かれらは棄すてられたる銀ぎんと呼よばれん

第7章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言ことば云いふ 2 汝なんぢヱホバの室いへの門もんにたち其處そこにてこの言ことばを宣のべて言いへヱホバを拜をがまんとてこの門もんにいりしユダのすべての人ひとよヱホバの言ことばをきけ 3 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひ給たまふ汝なんぢらの途󠄃みちと汝なんぢらの行おこなひを改あらためよさらばわれ汝等なんぢらをこの地ちに住󠄃すましめん 4 汝なんぢら是これはヱホバの殿みやなりヱホバの殿みやなりヱホバの殿みやなりと云いふ僞いつはりの言ことばをたのむ勿なかれ 5 汝なんぢらもし全󠄃まつたくその途󠄃みちと行おこなひを改あらため人ひとと人ひととの間あひだを正たゞしく鞫さばき 6 異邦󠄆人ことくにびとと孤兒みなしごと寡やもめを虐󠄃しへたげず無辜者つみなきものの血ちをこの處ところに流ながさず他ほかの神かみに從したがひて害󠄅がいをまねかずば 7 我われなんぢらを我わが汝等なんぢらの先祖せんぞにあたへしこの地ちに永遠󠄄えいゑんより永遠󠄄えいゑんにいたるまで住󠄃すましむべし

8 みよ汝なんぢらは益えきなき僞いつはりの言ことばを賴たのむ 9 汝等なんぢらは盜ぬすみ殺ころし姦淫かんいんし妄いつはりて誓ちかひバアルに香かうを焚たき汝なんぢらがしらざる他ほかの神かみにしたがふなれど 10 我わが名なをもて稱󠄄となへらるるこの室いへにきたりて我わが前󠄃まへにたち我われらはこれらの憎にくむべきことを行おこなふとも救すくはるるなりといふは何いかにぞや 11 わが名なをもて稱󠄄となへらるる此この室いへは汝なんぢらの目めには盜賊󠄄ぬすびとの巢すと見みゆるや我われも之これをみたりとヱホバいひたまふ〘986㌻〙

12 汝等なんぢらわが初はじめシロに於おいて我わが名なを置おきし處ところにゆき我わがイスラエルの民たみの惡あくのために其處そこになせしところのことをみよ 13 ヱホバいひたまふ今いま汝なんぢら此等これらのすべての事ことをなす又󠄂またわれ汝なんぢらに語かたり頻しきりにかたりたれども聽きかず汝なんぢらを呼よびたれども答こたへざりき
 1287㌻ 
14 この故ゆゑに我われシロになせしごとく我わが名なをもて稱󠄄となへらるる此この室いへになさんすなはち汝等なんぢらが賴たのむところ我わが汝なんぢらと汝なんぢらの先祖せんぞにあたへし此この處ところになすべし 15 またわれ汝等なんぢらのすべての兄弟きやうだいすなはちエフライムのすべての裔すゑを棄すてしごとく我わが前󠄃まへより汝なんぢらをも棄すつべし

16 故ゆゑに汝なんぢこの民たみのために祈いのる勿なかれ彼かれらの爲ために歎なげくなかれ求もとむるなかれ又󠄂また我われにとりなしをなす勿なかれわれ汝なんぢにきかじ 17 汝なんぢかれらがユダの邑まちとヱルサレムの街ちまたになすところを見みざるか 18 諸子こどもらは薪たきゞを拾あつめ父󠄃ちゝは火ひを燃たき婦󠄃をんなは麺こなを搏こねパンをつくりて之これを天后てんこうにそなふ又󠄂またかれら他ほかの神かみの前󠄃まへに酒さけをそそぎて我われを怒いからす 19 ヱホバいひたまふ彼かれら我われを怒いからするか是これおのが面かほを辱はづかしむるにあらずや 20 是故このゆえに主しゆヱホバかくいひたまふ視みよわが震怒いかりとわが憤怒いきどほりはこの處ところと人ひとと獸けものと野のの樹きおよび地ちの果みにそそがん且かつ燃もえて滅きえざるべし

21 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢらの犧牲いけにへに燔祭はんさいの物ものをあはせて肉󠄁にくをくらへ 22 そはわれ汝等なんぢらの先祖せんぞをエジプトより導󠄃みちびきいだせし日ひに燔祭はんさいと犧牲いけにへとに就つきてかたりしことなく又󠄂また命めいぜしことなし 23 惟たゞわれこの事ことを彼等かれらに命めいじ汝なんぢら我わが聲こゑを聽きかばわれ汝なんぢらの神かみとなり汝なんぢら我民わがたみとならん且かつわが汝なんぢらに命めいぜしすべての道󠄃みちを行あゆみて福祉さいはひをうべしといへり 24 されど彼かれらはきかず其その耳みゝを傾かたむけずおのれの惡あしき心こゝろの謀はかりごとと剛愎かたくななるとにしたがひて行あゆみまた後うしろを我われにむけて其その面かほを向むけざりき 25 汝なんぢらの先祖せんぞがエジプトの地ちをいでし日ひより今日こんにちにいたるまでわれ我わが僕しもべなる預言者よげんしやを汝なんぢらにつかはし日々ひび晨あさより之これをつかはせり 26 されど彼かれらは我われにきかず耳みゝを傾かたむけずして其その項うなじを强こはくしその列祖せんぞよりも愈󠄃まさりて惡あくをなすなり
 1288㌻ 

27 汝なんぢ彼かれらに此等これらのすべてのことばを語かたるとも汝なんぢにきかずかれらを呼よぶとも汝なんぢにこたへざるべし 28 汝なんぢかく彼かれらに語かたれこれは其その神かみヱホバの聲こゑを聽きかずその訓いましめを受うけざる民たみなり眞󠄃實まことはうせてその口くちに絕たえたり

29 (シオンの女むすめよ)汝なんぢの髮かみを剃そりてこれを棄すて山やまの上うへに哀哭なげきの聲こゑをあげよヱホバその怒いかるところの世よの人ひとをすててこれを離はなれたまへばなり 30 ヱホバいひたまふユダの民たみは我わが前󠄃まへに惡あくを行おこなへり即すなはちその憎にくむべき者ものを我わが名なをもて稱󠄄となへらるる室いへに置おきてこれを汚けがせり〘987㌻〙 31 又󠄂またベンヒンノムの谷たにに於おいてトペテの崇邱たかきところを築きづきてその子女むすこむすめを火ひに焚やかかんとせり我われこれを命めいぜずまた斯かゝることを思おもはざりし 32 ヱホバいひたまふ然されば視みよ此處こゝをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと稱󠄄となへずして殺戮ほふりの谷たにと稱󠄄となふる日ひきたらん其そは葬はうむるべき地所󠄃ところなきまでにトペテに葬はうむるべければなり 33 この民たみの屍しかばねは天空󠄃そらの鳥とりと地ちの獸けものの食󠄃物くひものとならんこれを逐󠄃おふものなかるべし 34 その時ときわれユダの邑まちとヱルサレムの街ちまたに欣喜よろこびの聲こゑ 歡樂たのしみの聲こゑ 新婿はなむこの聲こゑ 新婦󠄃はなよめの聲こゑなからしむべしこの地ち荒蕪あれはつればなり

第8章

1 ヱホバいひたまふその時とき人ひとユダの王等わうたちの骨ほねとその牧伯等つかさたちの骨ほねと祭司さいしの骨ほねと預言者よげんしやの骨ほねとヱルサレムの民たみの骨ほねをその墓はかよりほりいだし 2 彼等かれらの愛あいし奉つかへ從したがひ求もとめ且かつ祭まつれるところの日ひと月󠄃つきと天てんの衆群しうぐんの前󠄃まへにこれを曝さらすべし其その骨ほねはあつむる者ものなく葬はうむる者ものなくして糞土ふんどのごとくに地ちの面おもてにあらん 3 この惡あしき民たみの中うちののこれる餘遺󠄃のこりの者ものすべてわが逐󠄃おひやりしところに餘のこれる者もの皆みな生いくるよりも死しぬることを願ねがはんと萬軍ばんぐんのヱホバ云いひたまふ

4 汝なんぢまた彼かれらにヱホバかくいふと語かたるべし人ひともし仆たふるれば起󠄃おきかへるにあらずやもし離はなるれば歸かへり來きたるにあらずや
 1289㌻ 
5 何故なにゆゑにヱルサレムにをる此民このたみは恒つねにわれを離はなれて歸かへらざるや彼かれらは詐僞いつはりをかたく執とりて歸かへることを否いなめり 6 われ耳みゝを側そばだてて聽きくに彼かれらは善よきことを云いはず一人ひとりもその惡あくを悔くいてわがなせし事ことは何なにぞやといふ者ものなし彼かれらはみな戰場いくさばに馳入はせいる馬うまのごとくにその途󠄃みちに歸かへるなり 7 天空󠄃そらの鶴つるはその定期ときを知しり斑鳩やまばとと燕つばめと鴈󠄃かりはそのきたる時ときを守まもるされど我民わがたみはヱホバの律法おきてをしらざるなり

8 汝なんぢいかで我われら智慧󠄄ちゑありわれらにはヱホバの律法おきてありといふことをえんや視みよまことに書記しよきの僞いつはりの筆ふで之これを僞いつはりとせり 9 智慧󠄄ちゑある者ものは辱はづかしめられまたあわてて執とらへらる視みよ彼等かれらヱホバの言ことばを棄すてたり彼かれら何なにの智慧󠄄ちゑあらんや 10 故ゆゑにわれその妻つまを他人たにんにあたへ其その田圃たはたを他人たにんに嗣つがしめん彼かれらは小ちひさき者ものより大おほいなる者ものにいたるまで皆みな貪婪者むさぼるものまた預言者よげんしやより祭司さいしにいたるまで皆みな詭詐いつはりをなす者ものなればなり 11 彼かれら我民わがたみの女むすめの傷きずを淺あさく醫いやし平󠄃康やすからざる時ときに平󠄃康やすし平󠄃康やすしといへり 12 彼かれら憎にくむべき事ことをなして恥辱はづかしめらる然されど毫すこしも恥はぢずまた恥はぢを知しらずこの故ゆゑに彼かれらは仆たふるる者ものと偕ともに仆たふれんわが彼かれらを罰ばつするときかれら躓つまづくべしとヱホバいひたまふ〘988㌻〙 13 ヱホバいひたまふ我われ彼かれらをことごとく滅ほろぼさん葡萄ぶだうの樹きに葡萄ぶだうなく無花果いちぢくの樹きに無花果いちぢくなしその葉はも槁かれたり故ゆゑにわれ殲滅者ほろぼすものを彼かれらにつかはす.

14 我われら何なんぞ此こゝにとゞまるやあつまれよ我われら堅かたき城󠄃邑まちにゆきて其處そこに滅ほろびん我儕われらヱホバに罪つみを犯をかせしによりて我われらの神かみヱホバ我われらを滅ほろぼし毒󠄂どくなる水みづを飮のませたまへばなり 15 われら平󠄃康やすきを望󠄇のぞめども善よきこと來きたらず慰なぐさめらるる時ときを望󠄇のぞむにかへつて恐懼おそれきたる 16 その馬うまの嘶いななきはダンよりきこえこの地ちみなその强つよき馬うまの聲こゑによりて震ふるふ彼かれらきたりて此この地ちとその上うへにある者ものおよび邑まちとその中うちに住󠄃すめる者ものを食󠄃くらふ 17 視みよわれ呪詛まじなひのきかざる蛇へび蝮まむしを汝なんぢらのうちに遣󠄃つかははさん是これ汝なんぢらを嚙かむべしとヱホバいひたまふ
 1290㌻ 

18 嗚呼あゝわれ憂うれふいかにして慰藉󠄃なぐさめをえんや我わが衷うちの心こゝろ惱なやむ 19 みよ遠󠄄とほき國くにより我民わがたみの女むすめの聲こゑありていふヱホバはシオンに在いまさざるか其その王わうはその中うちに在あらざるかと(ヱホバいひたまふ)彼かれらは何故なにゆゑにその偶像󠄃ぐうざうと異邦󠄆ことくにの虛むなしき物ものをもて我われを怒いからせしやと 20 收穫かりいれの時ときは過󠄃すぎ夏なつもはや畢をはりぬされど我われらはいまだ救すくはれず 21 我民わがたみの女むすめの傷いたみによりて我われも傷いたみ且かつ悲かなしむ恐懼おそれ我われに迫󠄃せまれり 22 ギレアデに乳󠄃香にうかうあるにあらずや彼處かしこに醫者いしやあるにあらずやいかにして我民わがたみの女むすめはいやされざるや

第9章

1 ああ我われわが首かうべを水みづとなし我わが目めを淚なみだの泉いづみとなすことをえんものを我民わがたみの女むすめの殺ころされたる者ものの爲ために晝夜ひるよる哭なげかん 2 嗚呼あゝわれ曠野あらのに旅󠄃人たびゞとの寓所󠄃やどりどころをえんものを我民わがたみを離はなれてさりゆかん彼かれらはみな姦淫かんいんするもの悖もとれる者ものの族ともがらなればなり 3 彼かれらは弓ゆみを援󠄃ひくがごとく其その舌したをもて僞いつはりをいだす彼かれらは此この地ちにおいて眞󠄃實まことのために强つよからず惡あくより惡あくにすすみまた我われを知しらざるなりとヱホバいひたまふ 4 汝なんぢらおのおの其その隣となりに心こゝろせよ何いづれの兄弟きやうだいをも信しんずる勿なかれ兄弟きやうだいはみな欺あざむきをなし隣となりはみな讒そしりまはればなり 5 彼かれらはおのおの其その隣となりを欺あざむきかつ眞󠄃實まことをいはず其その舌したに謊󠄃いつはりをかたることを敎をしへ惡あくをなすに勞つかる 6 汝なんぢの住󠄃居すまひは詭譎いつはりの中なかにあり彼かれらは詭譎いつはりのために我われを識しることをいなめりとヱホバいひたまふ

7 故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまへり視みよ我われかれらを鎔とかし試こゝろむべしわれ我民わがたみの女むすめの事ことを如何いかになすべきや 8 彼かれらの舌したは殺ころす矢やのごとしかれら詭いつはりをいふまた其その口くちをもて隣となりにおだやかにかたれども其その心こゝろの中うちには害󠄅がいをはかるなり 9 ヱホバいひたまふ我われこれらの事ことのために彼かれらを罰ばつせざらんや我わが心こゝろはかくのごとき民たみに仇あだを復かへさざらんや〘989㌻〙
 1291㌻ 

10 われ山やまのために泣なき咷さけび野のの牧場まきばのために悲かなしむこれらは焚やかれて過󠄃すぐる人ひとなしまたここに牛うし羊ひつじの聲こゑをきかず天空󠄃そらの鳥とりも獸けものも皆みな逃󠄄にげてさりぬ 11 われヱルサレムを邱墟くづれづかとし山犬やまいぬの巢すとなさんまたユダの諸すべての邑々まち〳〵を荒あらして住󠄃すむ人ひとなからしめん

12 智慧󠄄ちゑありてこの事ことを曉さとる人ひとは誰たれぞやヱホバの口くちの言ことばを受うけてこれを示しめさん者ものは誰たれぞやこの地ち滅ほろぼされまた野ののごとく焚やかれて過󠄃すぐる者ものなきにいたりしは何故なにゆゑぞ 13 ヱホバいひたまふ是これ彼かれら我わがその前󠄃まへに立たてしところの律法おきてをすて我わが聲こゑをきかず之これに從したがはざるによりてなり 14 彼かれらはその心こゝろの剛愎かたくななるとその列祖せんぞたちがおのれに敎をしへしバアルとに從したがへり 15 この故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよわれ彼等かれらすなはち斯この民たみに茵蔯いんちんを食󠄃くらはせ毒󠄂どくなる水みづを飮のませ 16 彼かれらもその先祖せんぞたちもしらざりし國人くにびとのうちに彼かれらを散ちらしまた彼かれらを滅ほろぼし盡つくすまで其その後うしろに劍つるぎをつかはさん

17 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ汝なんぢらよく考かんがへ哭婦󠄃なきをんなをよびきたれ又󠄂また人ひとを遣󠄃つかはして智かしこき婦󠄃をんなをまねけよ 18 彼かれらは速󠄃すみやかにきたりて我儕われらのために哭哀なきかなしみ我儕われらの目めに淚なみだをこぼさせ我儕われらの目蓋まぶたより水みづを溢󠄃あふれしめん 19 シオンより哀かなしみの聲こゑきこゆ云いはく嗚呼あゝわれら滅ほろぼされ我われら痛いたく辱はづかしめらる我われらは其その地ちを去さり彼かれらはわが住󠄃家すみかを毀こぼちたり 20 婦󠄃をんなたちよヱホバの言ことばをきけ汝なんぢらの耳みゝに其その口くちの言ことばをいれよ汝なんぢらの女むすめに哭なくことを敎をしへおのおのその隣となりに哀かなしみの歌うたを敎をしふべし 21 そは死しのぼりてわれらの窓まどよりいり我われらの殿舍やかたに入いり外そとにある諸子こどもらを絕たやし街ちまたにある壯年わかきものを殺ころさんとすればなり 22 ヱホバかくいへりと汝なんぢ云いふべし人ひとの屍しかばねは糞土ふんどのごとく田野はたけに墮おちんまた收穫者かりいるるもののうしろに殘のこりて斂あつめずにある把たばのごとくならんと
 1292㌻ 

23 ヱホバかくいひたまふ智慧󠄄ちゑある者ものはその智慧󠄄ちゑに誇ほこる勿なかれ力ちからある者ものは其その力ちからに誇ほこるなかれ富者とめるものはその富とみに誇ほこること勿なかれ 24 誇ほこる者ものはこれをもて誇ほこるべし即すなはち明哲さとくして我われを識しる事こととわがヱホバにして地ちに仁惠めぐみと公󠄃道󠄃おほやけと公󠄃義ただしきとを行おこなふ者ものなるを知しる事こと是これなり我われこれらを悅よろこぶなりとヱホバいひたまふ

25 -26 ヱホバいひたまひけるは視みよわれすべて陽まへの皮かはに割󠄅禮かつれいをうけたる者ものすなはちエジプトとユダとエドムとアンモンの子孫ひと〴〵とモアブと野のにをりてその鬚ひげを剃そる者ものとを罰ばつする日ひきたらんそはすべて異邦󠄆人ことくにびとは割󠄅禮かつれいをうけずまたイスラエルの家いへも心こゝろに割󠄅禮かつれいをうけざればなり〘990㌻〙

第10章

1 イスラエルの家いへよヱホバの汝なんぢらに語いひたまふ言ことばをきけ 2 ヱホバかくいひたまふ汝なんぢら異邦󠄆人ことくにびとの途󠄃みちに效ならふ勿なかれ異邦󠄆人ことくにびとは天てんにあらはるる徴しるしを懼おそるるとも汝なんぢらはこれを懼おそるる勿なかれ 3 異國人ことくにびとの風俗ならはしはむなしその崇あがむる者ものは林はやしより斫きりたる木きにして木匠たくみの手てに斧をのをもて作つくりし者ものなり 4 彼かれらは銀ぎんと金きんをもてこれを飾󠄃かざり釘くぎと鎚󠄃つちをもて之これを堅かためて搖動うごかざらしむ 5 こは圓まるき柱󠄃はしらのごとくにして言ものいはずまた步あゆむこと能あたはざるによりて人ひとにたづさへらる是これは災害󠄅わざはひをくだし亦または福祉さいはひをくだすの權ちからなきによりて汝なんぢらこれを畏おそるる勿なかれ

6 ヱホバよ汝なんぢに比たぐふべき者ものなし汝なんぢは大おほいなり汝なんぢの名なは其その權威󠄂ちからのために大おほいなり 7 汝なんぢ萬國ばんこくの王わうたる者ものよ誰たれか汝なんぢを畏おそれざるべきや汝なんぢを畏おそるるは當然たうぜんなりそは萬國ばんこくのすべての博󠄄士はかせたちのうちにもその諸國くに〴〵のうちにも汝なんぢに比たぐふべき者ものなければなり 8 彼かれらはみな獸けもののことくまた痴愚おろかなり虛むなしき者ものの敎をしへは惟たゞ木きのみ 9 タルシシより携たづさへ來きし銀箔ぎんぱくウパズより携たづさへ來きし金きんは鍛冶かぢと鑄匠いものしの作つくりし物ものなり靑あをと紫むらさきをその衣ころもとなす是これはすべて巧たくみみなる細工人さいくにんの工作わざなり
 1293㌻ 
10 ヱホバは眞󠄃まことの神かみなり彼かれは活いける神かみなり永遠󠄄えいゑんの王わうなり其その怒いかりによりて地ちは震ふるふ萬國ばんこくはその憤怒いきどほりにあたること能あたはず

11 汝等なんぢらかく彼かれらにいふべし天地てんちを造󠄃つくらざりし諸神かみたちは地ちの上うへよりこの天てんの下したより失うせさらんと

12 ヱホバはその能ちからをもて地ちをつくり其その智慧󠄄ちゑをもて世界せかいを建󠄄たてその明哲さとりをもて天てんを舒のべたまへり 13 かれ聲こゑをいだせば天てんに衆おほくの水みづありかれ雲くもを地ちの極はてよりいだし電いなびかりと雨あめをおこし風かぜをその府庫くらよりいだす 14 すべての人ひとは獸けものの如ごとくにして智ちなしすべての鑄匠いものしはその作つくりし像󠄃ざうのために辱はぢをとる其その鑄いるところの像󠄃ざうは僞物いつはりものにしてその中うちに靈魂たましひなければなり 15 是これらは虛むなしき者ものにして迷󠄃妄まよひの工作わざなりその罰ばつせらるるときに滅ほろぶべし 16 ヤコブの分󠄃ぶんは是かくのごとくならず彼かれは萬物ばんもつの造󠄃化主つくりぬしなりイスラエルはその產業さんげふの杖つゑなりその名なは萬軍ばんぐんのヱホバといふなり

17 圍󠄃かこみの中うちに坐ざする者ものよ汝なんぢの包󠄃つつみを地ちより取とりあげよ 18 ヱホバかくいひたまふみよ我われこの地ちにすめる者ものを此度このたび擲なげうたん且かつかれらをせめなやまして擄とらへられしむべし

19 われ毀傷いたみをうく嗚呼あゝわれは禍わざはひなるかな我わが傷きずは重おもし我われいふこれまことにわが患難なやみなりわれ之これを忍󠄄しのぶべし 20 わが幕屋まくやはやぶれわが繩󠄂索なはは悉こと〴〵く斷きれ我わが衆子こどもらは我われをすてゆきて居をらずなりぬ幕屋まくやを張はる者ものなくわが幃󠄃まくをかくる者ものなし 21 牧者ぼくしやは愚おろかにしてヱホバを求もとめず故ゆゑに利達󠄃さかえずその群むれはみな散ちれり〘991㌻〙 22 きけよ風聲うはさあり北きたの國くにより大おほいなる騷さわぎきたる是これユダの諸邑まち〳〵を荒あらして山犬やまいぬの巢すとなさん

23 ヱホバよわれ知しる人ひとの途󠄃みちは自己おのれによらず且かつ步行あゆむ人ひとは自みづからその步履あゆみを定さだむること能あたはざるなり 24 ヱホバよ我われを懲こらしたまへ但たゞ道󠄃みちにしたがひ怒いからずして懲こらしたまへおそらくは我われ無むに歸きせん 25 汝なんぢを知しらざる國人くにびとと汝なんぢの名なを龥よばざる族やからに汝なんぢの怒いかりを斟そゝぎたまへ彼かれらはヤコブを噬くらひ之これをくらふて滅ほろぼしその牧場まきばを荒あらしたればなり
 1294㌻ 

第11章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言ことばいふ 2 汝なんぢらこの契󠄅約けいやくの言ことばをききユダの人ひととヱルサレムにすめる者ものに吿つげよ 3 汝なんぢかれらに語かたれイスラエルの神かみヱホバかくいひたまふこの契󠄅約けいやくの言ことばに遵󠄅したがはざる人ひとは詛のろはる 4 この契󠄅約けいやくはわが汝なんぢらの先祖せんぞをエジプトの地ち鐵てつの爐かまどの中うちより導󠄃みちびき出いだせし日ひにかれらに命めいぜしものなり即すなはち我われいひけらく汝なんぢら我わが聲こゑをきき我わが汝なんぢらに命めいぜし諸すべての事ことに從したがひて行おこなはば汝なんぢらは我民わがたみとなり我われは汝なんぢらの神かみとならん 5 われ汝なんぢらの先祖せんぞに乳󠄃ちゝと蜜みつの流ながるる地ちを與あたへんと誓ちかひしことを成󠄃就なしとげんと即すなはち今日こんにちのごとしその時とき我われこたへてアーメン、ヱホバといへり

6 またヱホバ我われにいひたまひけるは汝なんぢすべて此等これらの言ことばをユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムの衢ちまたにしめし汝なんぢら此この契󠄅約けいやくの言ことばをききてこれを行おこなへといふべし 7 われ汝なんぢらの列祖せんぞをエジプトの地ちより導󠄃出みちびきいだせし日ひより今日こんにちにいたるまで切せちに彼かれらを戒いましめ頻しきりに戒いましめて汝なんぢら我わが聲こゑに遵󠄅したがへといへり 8 然されど彼かれらは遵󠄅したがはずその耳みゝを傾かたむけずおのおの其その惡あしき心こゝろの剛愎かたくななるにしたがひて步あゆめり故ゆゑにわれ此この契󠄅約けいやくの言ことばを彼等かれらにきたらす是こはわがかれらに之これを行おこなへと命めいぜしかども彼等かれらがおこなはざりし者ものなり

9 またヱホバ我われにいひたまひけるはユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめる者ものの中うちに叛󠄃逆󠄃はんぎやくの事ことあり 10 彼かれらは我わが言ことばをきくことを好このまざりしところのその先祖せんぞの罪つみにかへり亦また他ほかの神かみに從したがひて之これに奉つかへたりイスラエルの家いへとユダの家いへはわがその列祖せんぞたちと締むすびたる契󠄅約けいやくをやぶれり 11 この故ゆゑにヱホバかくいひ給たまふみよわれ災禍わざはひをかれらにくださん彼かれらこれを免まぬかるることをえざるべし彼かれら我われをよぶとも我われ聽きかじ
 1295㌻ 
12 ユダの邑まちとヱルサレムに住󠄃すめる者ものはゆきてその香かうを焚たきし神かみを龥よばんされど是等これらはその災禍わざはひの時ときに絕たえてかれらを救すくふことあらじ 13 ユダよ汝なんぢの神かみの數󠄄かずは汝なんぢの邑まちの數󠄄かずのごとし且かつ汝なんぢらヱルサレムの衢ちまたの數󠄄かずにしたがひて恥はづべき者ものに壇だんをたてたり即すなはちバアルに香かうを焚たかんとて壇だんをたつ〘992㌻〙

14 故ゆゑに汝なんぢこの民たみの爲ために祈いのる勿なかれ又󠄂またその爲ために泣なきあるひは求もとむる勿なかれ彼かれらがその災禍わざはひのために我われを呼よぶときわれ彼かれらに聽きかざるべし 15 わが愛あいする者ものは我わが室いへにて何なにをなすや惡あしき謀はかりごとをなすや願ねがひと聖󠄃きよき肉󠄁にく汝なんぢに災わざはひを脱まぬかれしむるやもし然しからば汝なんぢよろこぶべし 16 ヱホバ汝なんぢの名なを嘉果よきみある美うるはしき靑橄欖あをかんらんの樹きと稱󠄄よびたまひしがおほいなる喧嚷さわぎの聲こゑをもて之これに火ひをかけ且かつその枝えだを折をりたまふ 17 汝なんぢを植うゑし萬軍ばんぐんのヱホバ汝なんぢの災わざはひをさだめ給たまへりこれイスラエルの家いへとユダの家いへみづから害󠄅そこなふの惡あくをなしたるによるなり即すなはちバアルに香かうを焚たきてわれを怒いからせたり

18 ヱホバ我われに知しらせたまひければ我われこれを知しるその時とき汝なんぢ彼かれらの作爲わざを我われにしめしたまへり 19 我われは牽󠄁ひかれて宰ほふられにゆく羔こひつじの如ごとく彼かれらが我われをそこなはんとて謀はかりごとをなすを知しらず彼かれらいふいざ我われら樹きとその果みとを共ともに滅ほろぼさんかれを生いける者ものの地ちより絕たちてその名なを人ひとに忘󠄃わすれしむべしと 20 義ただしき鞫さばきをなし人ひとの心腸しんちやうを察さぐりたまふ萬軍ばんぐんのヱホバよ我われわが訴うつたへを汝なんぢにのべたればわれをして汝なんぢが彼かれらに仇あだを報かへすを見みせしめたまへ 21 是こゝをもてヱホバ、アナトテの人々ひと〴〵につきてかくいひたまふ彼等かれら汝なんぢの生命いのちを取とらんと索もとめて言いふ汝なんぢヱホバの名なをもて預言よげんする勿なかれ恐おそらくは汝なんぢ我われらの手てに死しなんと 22 故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバかくいひ給たまふみよ我われかれらを罰ばつすべし壯丁わかきひとは劍つるぎに死しにその子女むすこむすめは饑󠄃饉ききんにて死しなん 23 餘のこる者ものなかるべし我われ災わざはひをアナトテの人々ひと〴〵にきたらしめわが彼かれらを罰ばつするの年としをきたらしめん
 1296㌻ 

第12章

1 ヱホバよわが汝なんぢと爭あらそふ時ときに汝なんぢは義たゞし惟たゞわれ鞫さばきの事ことにつきて汝なんぢと言いはん惡人あくにんの途󠄃みちのさかえ悖もとれる者もののみな福さいはひなるは何故なにゆゑぞや 2 汝なんぢかれらを植うゑたり彼かれらは根ねづき成󠄃長そだちて實みを結むすべりその口くちは汝なんぢに近󠄃ちかづけどもその心こゝろは汝なんぢに遠󠄄とほざかる 3 ヱホバ汝なんぢわれを知しり我われを見みまたわが心こゝろの汝なんぢにむかひて何いかなるかを試こゝろみたまふ羊ひつじを宰ほふりに牽󠄁ひきいだすがごとく彼かれらを牽󠄁ひきいだし殺ころす日ひの爲ためにかれらをそなへたまへ 4 いつまでこの地ちは哭なげきすべての畑はたけの蔬菜󠄄あをものは枯かれをるべけんやこの地ちに住󠄃すめる者ものの惡あくによりて畜獸けものと鳥とりは滅ほろぼさる彼かれらいふ彼かれは我われらの終󠄃をはりをみざるべしと

5 汝なんぢもし步行者かちのものとともに趨はしりてつかれなばいかで騎馬者うまにのれるものと競きそはんや汝なんぢ平󠄃安おだやかなる地ちを恃たのまばいかでヨルダンの傍ほとりの叢くさむらに居をることをえんや 6 汝なんぢの兄弟きやうだいと汝なんぢの父󠄃ちゝの家いへも汝なんぢを欺あざむきまた大聲おほごゑをあげて汝なんぢを追󠄃おふかれらしたしく汝なんぢに語かたるともこれを信しんずる勿なかれ〘993㌻〙

7 われ我わが家いへを離はなれわが產業さんげふをすて我わが靈魂たましひの愛あいするところの者ものをその敵てきの手てにわたせり 8 わが產業さんげふは林はやしの獅子しゝのごとし我われにむかひて其その聲こゑを揚あぐ故ゆゑにわれ之これを惡にくめり 9 我わが產業さんげふは我われにおけること班駁まだらある鳥とりのごとくならずや鳥とり之これを圍󠄃かこむにあらずや野ののすべての獸けものきたりあつまれ來きたりてこれを食󠄃くらへ 10 衆おほくの牧者ぼくしやわが葡萄ぶだう園ばたけをほろぼしわが地ちを踐踏ふみあらしわがうるはしき地ちを荒野あれのとなせり 11 彼かれらこれを荒地あれちとなせりその荒地あれち我われにむかひて哭なげくなり一人ひとりもかへりみる者ものなければこの全󠄃地ぜんちは荒あれたり 12 毀滅者ほろぼすものは野ののすべての童山はげやまのうへに來きたれりヱホバの劍つるぎ地ちのこの極はてよりかの極はてまでを滅ほろぼすすべて血氣いのちある者ものは安やすきをえず 13 彼かれらは麥むぎを播まきて荊棘いばらをかる勞ほねをれども得うるところなし汝なんぢらはその作物つくりもののために恥はづるにいたらん是これヱホバの烈はげしき怒いかりによりてなり
 1297㌻ 

14 わがイスラエルの民たみに嗣つがしむる產業さんげふをせむるところのすべてのわが惡あしき隣となりにむかひてヱホバかくいふみよわれ彼等かれらをその地ちより拔出ぬきいだしまたユダの家いへを彼かれらの中うちより拔出ぬきいだすべし 15 われ彼かれらを拔出ぬきいだせしのちまた彼かれらを恤あはれみておのおのを其その產業さんげふにかへし各人おの〳〵をその地ちに歸かへらしめん 16 彼等かれらもし我民わがたみの道󠄃みちをまなび我わが名なをさしてヱホバは活いくと誓ちかふこと嘗かつて我民わがたみを敎をしへてバアルを指さして誓ちかはしめし如ごとくせば彼かれらはわが民たみの中うちに建󠄄たてらるべし 17 されど彼かれらもし聽きかざれば我われかならずかかる民たみを全󠄃まつたく拔出ぬきいだして滅ほろぼすべしとヱホバいひたまふ

第13章

1 ヱホバかくいひたまへり汝なんぢゆきて麻󠄃あさの帶おびをかひ汝なんぢの腰󠄃こしにむすべ水みづに入いる勿なかれ 2 われすなはちヱホバの言ことばに遵󠄅したがひ帶おびをかひてわが腰󠄃こしにむすべり 3 ヱホバの言ことばふたゝび我われにのぞみて云いふ 4 汝なんぢが買かひて腰󠄃こしにむすべる帶おびを取とり起󠄃たちてユフラテにゆき彼處かしこにてこれを磐いはの穴󠄄あなにかくせと 5 ここに於おいてわれヱホバの命めいじたまひし如ごとく往󠄃ゆきてこれをユフラテの涯ほとりにかくせり 6 おほくの日ひを經へしのちヱホバ我われにいひたまひけるは起󠄃たちてユフラテにゆきわが汝なんぢに命めいじて彼處かしこにかくさしめし帶おびを取とれと 7 われすなはちユフラテにゆき帶おびを我わが隱かくせしところより掘取ほりとりりしにその帶おびは朽くちて用もちふるにたへず

8 またヱホバの言ことばわれにのぞみて云いふ 9 ヱホバかくいふ我われかくの如ごとくユダの驕傲たかぶりとヱルサレムの大おほいなる驕傲たかぶりをやぶらん 10 この惡あしき民たみはわが言ことばを聽きくことをこばみ己おのれの心こゝろの剛愎かたくななるにしたがひて行あゆみ且かつ他ほかの神かみに從したがひてこれにつかへ之これを拜はいす彼等かれらは此この帶おびの用もちふるにたへざるが如ごとくなるべし〘994㌻〙 11 ヱホバいふ帶おびの人ひとの腰󠄃こしに附つくがごとくわれイスラエルのすべての家いへとユダのすべての家いへを我われに附つかしめ之これを我民わがたみとなし名なとなし譽ほまれとなし榮さかえとなさんとせり然しかるに彼等かれらはきかざりき
 1298㌻ 

12 故ゆゑに汝なんぢこの言ことばを彼かれらに語かたるべしイスラエルの神かみヱホバかくいふ酒壺さかつぼには皆みな酒さけ盈みつと彼かれ汝なんぢにこたへていはん我儕われら豈あに酒壺さかつぼに酒さけの盈みつることを知しらざらんやと 13 其その時とき汝なんぢかれらにいふべしヱホバかくいふみよわれ此この地ちに住󠄃すめるすべての者ものとダビデの位くらゐに坐ざする王等わうたちと祭司さいしと預言者よげんしやおよびヱルサレムに住󠄃すめるすべての者ものに醉ゑひを盈みたせ 14 彼かれらを此これと彼かれと打うちあはせて碎くだかん父󠄃ちゝと子こをも然しかすべしわれ彼かれらを恤めぐまず惜をしまず憐あはれまずして滅ほろぼさん

15 汝なんぢらきけ耳みゝを傾かたむけよ驕たかぶる勿なかれヱホバかたりたまふなり 16 汝なんぢらの神かみヱホバに其そのいまだ暗󠄃やみを起󠄃おこしたまはざる先さき汝なんぢらの足あしのくらき山やまに躓つまづかざる先さきに榮光さかえを皈きすべし汝なんぢら光明ひかりを望󠄇のぞまんにヱホバ之これを死しの蔭かげに變かへ之これを昏黑くらやみとなしたまふにいたらん 17 汝なんぢら若もしこれを聽きかずば我わが靈魂たましひは汝なんぢらの驕たかぶりを隱ひそかなるところに悲かなしまん又󠄂またヱホバの群むれの掠かすめらるるによりて我わが目めいたく泣なきて淚なみだをながすべし

18 なんぢ王わうと大后たいこうにつげよ汝なんぢら自みづから謙󠄃へりくだりりて坐ざせそはなんぢらの美うるはしき冕󠄅かんむり汝なんぢらの首かうべより落おつべければなり 19 南みなみの諸邑まち〳〵は閉とぢてこれを啓󠄃ひらく人ひとなしユダは皆みな擄移とらへうつされ盡こと〴〵くとらへ移うつさる

20 汝なんぢら目めを擧あげて北きたより來きたる者ものをみよ汝なんぢらが賜たまはりし群むれ汝なんぢのうるはしき群むれはいづこにあるや 21 かれ汝なんぢの親したしみ馴なれたる者ものを汝なんぢの上うへにたてて首領かしらとなさんとき汝なんぢ何なにのいふべきことあらんや汝なんぢの痛いたみは子こをうむ婦󠄃をんなのごとくならざらんや 22 汝なんぢ心こゝろのうちに何故なにゆゑにこの事こと我われにきたるやといふか汝なんぢの罪つみの重おもきによりて汝なんぢの裾すそは掲かゝげられなんぢの踵くびすはあらはさるるなり 23 エテオピア人びとその膚はだへをかへうるか豹󠄂へうその斑駁まだらをかへうるか若もしこれを爲なしえば惡あくに慣なれたる汝なんぢらも善ぜんをなし得うべし 24 故ゆゑにわれ彼かれらを散ちらして野のの風かぜに吹散ふきちらさるる皮壳からのごとくせん 25 ヱホバいひたまふこは汝なんぢの得うべき分󠄃ぶんわが量はかりて汝なんぢにあたふる產業さんげふなり汝なんぢ我われをわすれて虛假いつはりを依賴たのめばなり 26 故ゆゑにわれ汝なんぢの前󠄃まへの裳ころもを剝はぎて汝なんぢの羞恥はぢをあらはさん
 1299㌻ 
27 われ汝なんぢの姦淫かんいんと汝なんぢの嘶いななきと汝なんぢが岡をかのうへと野のになせし汝なんぢの亂淫らんいんの罪つみと汝なんぢの憎にくむべき行おこなひをみたりヱルサレムよ汝なんぢは禍わざはひなるかな汝なんぢの潔󠄄きよくせらるるには尙なほいくばくの時ときを經ふべきや〘995㌻〙

第14章

1 乾旱ひでりの事ことにつきてヱレミヤにのぞみしヱホバの言ことばは左さのごとし 2 ユダは悲かなしむその門もんは傾かたむき地ちにたふれて哭なげくヱルサレムの咷さけびは上あがる 3 その侯伯等きみたちは僕しもべをつかはして水みづを汲󠄂くましむ彼かれら井ゐどにいたれども水みづを見みず空󠄃むなしき器うつはをもちて歸かへり恥はぢかつ憂うれへてその首かうべをおほふ 4 地ちに雨あめふらずして土つち燥裂ひわれたるにより農夫のうふは恥はぢて首かうべを掩おほふ 5 また野のにある麀󠄂めじかは子こをうみて之これを棄すつ草くさなければなり 6 野のの驢馬ろばは童山はげやまのうへにたちて山犬やまいぬのごとく喘あへぎ草くさなきによりて目め眩くらむ

7 ヱホバよ我儕われらの罪つみわれらを訟󠄃うつたへて證あかしをなすとも願ねがはくは汝なんぢの名なの爲ために事ことをなし給たまへ我儕われらの違󠄇背そむきはおほいなり我儕われら汝なんぢに罪つみを犯をかしたり 8 イスラエルの企望󠄇のぞみなる者ものその艱なやめるときに救すくひたまふ者ものよ汝なんぢいかなれば此この地ちに於おいて他邦󠄆人ことくにびとのごとくし一夜ひとよ寄宿やどりの旅󠄃客たびゞとのごとくしたまふや 9 汝なんぢいかなれば呆あきれてをる人ひとのごとくし救すくひをなすこと能あたはざる勇󠄃士ゆうしのごとくしたまふやヱホバよ汝なんぢは我われらの間うちにいます我儕われらは汝なんぢの名なをもて稱󠄄となへらるる者ものなり我われらを棄すてたまふ勿なかれ

10 ヱホバこの民たみにかくいひたまへり彼かれらかく好このんでさまよひ其その足あしを禁とどめざればヱホバ彼かれらを悅よろこばずいまその愆とがをおぼえ其その罪つみを罰ばつすべし 11 ヱホバまた我われにいひたまひけるは汝なんぢこの民たみのために恩めぐみをいのる勿なかれ 12 彼かれら斷食󠄃だんじきするとも我われその呼龥よぶをきかず燔祭はんさいと素祭そさいを獻さゝぐるとも我われこれをうけず却かへつてわれ劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうをもて彼かれらを滅ほろぼすべし
 1300㌻ 

13 われいひけるは嗚呼あゝ主しゆヱホバよみよ預言者よげんしやたちはこの民たみにむかひ汝なんぢら劍つるぎを見みざるべし饑󠄃饉ききんは汝なんぢらにきたらじわれ此處こゝに鞏固たしかなる平󠄃安へいあんを汝なんぢらにあたへんといへり 14 ヱホバ我われにいひたまひけるは預言者等よげんしやらは我わが名なをもて詭いつはりを預言よげんせりわれ之これを遣󠄃つかはさず之これに命めいぜずまた之これにいはず彼かれらは虛誕󠄅いつはりの默示もくしと卜筮うらなひと虛むなしきことと己おのれの心こゝろの詐いつはりを汝なんぢらに預言よげんせり 15 この故ゆゑにかの吾わが遣󠄃つかはさざるに我わが名なをもて預言よげんして劍つるぎと饑󠄃饉ききんはこの地ちにきたらじといへる預言者等よげんしやらにつきてヱホバかくいふこの預言者等よげんしやらは劍つるぎと饑󠄃饉ききんに滅ほろぼさるべし 16 また彼等かれらの預言よげんをうけし民たみは饑󠄃饉ききんと劍つるぎによりてヱルサレムの街ちまたに擲棄なげすてられんこれを葬はうむる者ものなかるべし彼等かれらとその妻つまおよび其その子むすこその女むすめみな然しかりそはわれ彼かれらの惡あくをその上うへに斟そゝげばなり 17 汝なんぢこの言ことばを彼かれらに語かたるべしわが目めは夜よるも晝ひるもたえず淚なみだを流ながさんそは我民わがたみの童女をとめ大おほいなる滅ほろびと重おもき傷きずによりて亡ほろぼさるればなり 18 われ出いでて畑はたけにゆくに劍つるぎに死しぬる者ものあり我われ邑まちにいるに饑󠄃饉ききんに艱なやむものあり預言者よげんしやも祭司さいしもみなその地ちにさまよひて知しるところなし〘996㌻〙

19 汝なんぢはユダを悉こと〴〵くすてたまふや汝なんぢの心こゝろはシオンをきらふや汝なんぢいかなれば我儕われらを擊うちて愈󠄃いえしめざるか我われら平󠄃安やすきを望󠄇のぞめども善よきことあらず又󠄂また醫いやさるる時ときを望󠄇のぞむに却かへつて驚懼おそれあり 20 ヱホバよ我われらはおのれの惡あくと先祖せんぞの愆とがを知しるわれら汝なんぢに罪つみを犯をかしたり 21 汝なんぢの名なのために我われらを棄すてたまふ勿なかれ汝なんぢの榮さかえの位くらゐを辱はづかしめたまふ勿なかれ汝なんぢのわれらに立たてし契󠄅約けいやくをおぼえて毀やぶりたまふなかれ 22 異邦󠄆ことくにの虛むなしき物ものの中うちに雨あめを降󠄄ふらせうるものあるや天てんみづから白雨ゆふだちをくだすをえんや我われらの神かみヱホバ汝なんぢこれを爲なしたまふにあらずや我われら汝なんぢを望󠄇のぞむそは汝なんぢすべて此等これらを悉こと〴〵く作つくりたまひたればなり
 1301㌻ 

第15章

1 ヱホバ我われにいひたまひけるはたとひモーセとサムエルわが前󠄃まへにたつとも我わがこころは斯この民たみを顧󠄃かへりみざるべしかれらを我わが前󠄃まへより逐󠄃おひていでさらしめよ 2 彼かれらもし汝なんぢにわれら何處いづくにいでさらんやといはば汝なんぢ彼かれらにヱホバかくいへりといへ死しに定さだめられたる者ものは死しにいたり劍つるぎに定さだめられたる者ものは劍つるぎにいたり饑󠄃饉ききんに定さだめられたる者ものは饑󠄃饉ききんにいたり虜とりこに定さだめられたる者ものは虜とりこにいたるべしと 3 ヱホバ云いひたまひけるはわれ四よつの物ものをもて彼かれらを罰ばつせんすなはち劍つるぎをもて戮ころし犬いぬをもて噬かませ天空󠄃そらの鳥とりおよび地ちの獸けものをもて食󠄃くひ滅ほろぼさしめん 4 またユダの王わうヒゼキヤの子こマナセがヱルサレムになせし事ことによりわれ彼かれらをして地ちのすべての國くにに艱難なやみをうけしめん

5 ヱルサレムよ誰たれか汝なんぢを憐あはれまんたれか汝なんぢのために嘆なげかん誰たれかちかづきて汝なんぢの安否あんぴを問とはん 6 ヱホバいひたまふ汝なんぢわれをすてたり汝なんぢ退󠄃しりぞけり故ゆゑにわれ手てを汝なんぢのうへに伸のべて汝なんぢを滅ほろぼさんわれ憫あはれみに倦うめり 7 われ風扇󠄃うちはをもて我民わがたみをこの地ちの門もんに煽󠄄あふがんかれらは其その途󠄃みちを離はなれざるによりて我われその子こを絕たち彼かれらを滅ほろぼすべし 8 彼かれらの寡婦󠄃やもめはわが前󠄃まへに海濱はまの沙いさごよりも多おほし晝ひるわれほろぼす者ものを携たづさへきたりて彼かれらと壯者わかきものの母はゝとをせめ驚駭おどろきと恐懼おそれを突然にはかにかれの上うへにおこさん 9 七人しちにんの子こをうみし婦󠄃をんなは衰󠄄おとろへて氣いきたえ尙なほ晝ひるなるにその日ひは早はやく沒いる彼かれは辱はづかしめられて面かほをあからめん其その餘のこれる者ものはわれ之これをその敵てきの劍つるぎに付わたさんとヱホバいひたまふ

10 嗚呼あゝわれは禍わざはひなるかな我わが母はゝよ汝なんぢなに故ゆゑに我われを生うみしや全󠄃國ぜんこくの人ひと我われと爭あらそひ我われを攻せむわれ人ひとに貸かさず人ひとまた我われに貸かさず皆みな我われを詛のろふなり〘997㌻〙

11 ヱホバいひたまひけるは我われ實まことに汝なんぢに益えきをえせしめんために汝なんぢを惱なやます我われまことに敵てきをして其その艱なやみの時ときと災わざはひの時ときに汝なんぢに求もとむることをなさしめん
 1302㌻ 
12 鐵くろがねいかで北きたの鐵くろがねと銅あかがねを碎くだかんや 13 われ汝なんぢの資󠄄產しさんと汝なんぢの資󠄄財たからを擄掠物ぶんどりものとならしめ價あたひをうることなからしめん是これ汝なんぢのすべての罪つみによるなりすべて汝なんぢの境さかひのうちにかくなさん 14 われ汝なんぢの敵てきをして汝なんぢを汝なんぢの識しらざる地ちにとらへ移うつさしめん夫それ我わが怒いかりによりて火ひ燃もえ汝なんぢを焚やかんとするなり

15 ヱホバよ汝なんぢこれを知しりたまふ我われを憶おぼえ我われをかへりみたまへ我われを迫󠄃害󠄅せむるものに仇あだを復かへしたまへ汝なんぢの容忍󠄄しのびによりて我われをとらへられしむる勿なかれ我わが汝なんぢの爲ために辱はづかしめを受うくるを知しりたまへ 16 われ汝なんぢの言ことばを得えて之これを食󠄃くらへり汝なんぢの言ことばはわが心こゝろの欣喜よろこび快樂たのしみなり萬軍ばんぐんの神かみヱホバよわれは汝なんぢの名なをもて稱󠄄となへらるるなり 17 われ嬉笑者わらふものの會あつまりに坐ざせずまた喜よろこばずわれ汝なんぢの手てによりて獨ひとり坐ざす汝なんぢ憤怒いきどほりをもて我われに充みたしたまへり 18 何故なにゆゑにわが痛いたみは息やまずわが傷きずは重おもくして愈󠄃いえざるか汝なんぢはわれにおけること水みづをたもたずして人ひとを欺あざむく溪河たにがはのごとくなるや

19 是こゝをもてヱホバかくいひたまへり汝なんぢもし歸かへらば我われまた汝なんぢをかへらしめて我わが前󠄃まへに立たゝしめん汝なんぢもし賤いやしきをすてて貴たふときをいださば我わが口くちのごとくならん彼かれらは汝なんぢに歸かへらんされど汝なんぢは彼かれらにかへる勿なかれ 20 われ汝なんぢをこの民たみの前󠄃まへに堅かたき銅あかがねの牆かきとなさんかれら汝なんぢを攻せむるとも汝なんぢにかたざるべしそはわれ汝なんぢと偕ともにありて汝なんぢをたすけ汝なんぢを救すくへばなりとヱホバいひたまへり 21 我われ汝なんぢを惡人あくにんの手てより救すくひとり汝なんぢを怖おそるべき者ものの手てより放はなつべし

第16章

1 ヱホバの言ことばまた我われにのぞみていふ 2 汝なんぢこの處ところにて妻つまを娶めとるなかれ子女むすこむすめを得うるなかれ 3 此この處ところに生うまるる子女むすこむすめとこの地ちに之これを生うむ母はゝと之これを生うむ父󠄃ちゝとに就つきてヱホバかくいひたまふ 4 彼かれらは慘いたましき病やまひに死しし哀かなしまれず葬はうむられずして糞土ふんどのごとくに田地はたけの面おもてにあらんまた劍つるぎと饑󠄃饉ききんに滅ほろぼされて其その屍しかばねは天空󠄃そらの鳥とりと地ちの獸けものの食󠄃物くひものとならん
 1303㌻ 

5 ヱホバかくいひたまへり喪もある家いへにいる勿なかれまた往󠄃ゆきて之これを哀かなしみ嗟なげく勿なかれそはわれ我わが平󠄃安へいあんと恩寵めぐみと矜恤あはれみをこの民たみより取とればなりとヱホバいひたまへり 6 大おほいなる者ものも小ちひさき者ものもこの地ちに死しぬべし彼かれらは葬はうむられずまた彼かれらのために哀かなしむ者ものなく自みづから傷きずつくる者ものなく髮かみをそる者ものなかるべし 7 またその哀かなしむときパンをさきて其その死者しにしもののために之これを慰なぐさむるものなく又󠄂また父󠄃ちゝあるひは母はゝのために慰藉󠄃なぐさめの杯さかづきを彼かれらに飮のましむる者ものなかるべし〘998㌻〙 8 汝なんぢまた筵宴ふるまひの家いへにいりて偕ともに坐ざして食󠄃飮くひのみする勿なかれ 9 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよ汝なんぢの目めの前󠄃まへ汝なんぢの世よに在あるときにわれ欣喜よろこびの聲こゑと歡樂たのしみの聲こゑと新娶者はなむこの聲こゑと新婦󠄃はなよめの聲こゑとを此處このところに絕たえしめん

10 汝なんぢこのすべての言ことばを斯この民たみに吿つぐるとき彼かれら汝なんぢに問とふてヱホバわれらを責せめてこの大おほいなる災わざはひを示しめしたまふは何故なにゆゑぞやまたわれらに何なにの惡事あしきことあるやわが神かみヱホバに背そむきてわれらのなせし罪つみは何なにぞやといはば 11 汝なんぢかれらに答こたふべしヱホバいひたまふ是これ汝なんぢらの先祖せんぞわれを棄すてて他ほかの神かみに從したがひこれに奉つかへこれを拜はいしまた我われをすてわが律法おきてを守まもらざりしによる 12 汝なんぢらは汝なんぢらの先祖せんぞよりも多おほく惡あくをなせりみよ汝なんぢらはおのおの自己おのれの惡あしき心こゝろの剛愎かたくななるにしたがひて我われにきかず 13 故ゆゑにわれ汝なんぢらを此この地ちより逐󠄃おひて汝なんぢらと汝なんぢらの先祖せんぞの識しらざる地ちにいたらしめん汝なんぢらかしこにて晝夜ひるよるほかの神かみに奉つかへん是これわが汝なんぢらを憐あはれまざるによるなりと

14 ヱホバいひたまふ然さればみよ此この後のちイスラエルの民たみをエジプトの地ちより導󠄃みちびきいだせしヱホバは活いくといふことなくして 15 イスラエルの民たみを北きたの地ちとそのすべて逐󠄃おひやられし地ちより導󠄃出みちびきいだせしヱホバは活いくといふ日ひきたらん我わがかれらを我われその先祖せんぞに與あたへしかれらの地ちに導󠄃みちびきかへるべし
 1304㌻ 

16 ヱホバいひたまふみよ我われおほくの漁者すなどるものをよび來きたりて彼かれらを漁すなどらせまたその後のちおほくの獵者かりうどを呼來よびきたりて彼かれらを諸もろ〳〵の山やまもろもろの岡をかおよび岩いはの穴󠄄あなより獵かりいださしめん 17 我わが目めはかれらの諸すべての途󠄃みちを鑒みる皆みな我われにかくるるところなし又󠄂またその惡あくは我わが目めに匿かくれざるなり 18 われまづ倍ばいして其その惡あくとその罪つみに報むくいんそは彼かれらその汚けがれたる者ものの屍しかばねをもて我わが地ちを汚けがしその惡にくむべきものをもて我わが產業さんげふに充みたせばなり

19 ヱホバ我われの力ちから 我われの城󠄃しろ 難なやみの時ときの逃󠄄場のがればよ萬國ばんこくの民たみは地ちの極はてより汝なんぢにきたりわれらの先祖せんぞの嗣つげるところの者ものは惟たゞ謊󠄃いつはりと虛浮󠄃事むなしきことと益えきなき物もののみなりといはん 20 人ひと豈あに神かみにあらざる者ものをおのれの神かみとなすべけんや

21 故ゆゑにみよわれ此度このたびかれらに知しらしむるところあらん即すなはち我わが手てと我わが能ちからをかれらに知しらしめん彼かれらは我わが名なのヱホバなるを知しるべし

第17章

1 ユダの罪つみは鐵てつの筆ふで金剛石こんがうせきの尖とがりをもてしるされその心こゝろの碑ひと汝なんぢらの祭壇さいだんの角つのに鐫えりつけらるるなり 2 彼かれらはその子女こどもらをおもふが如ごとくに靑木あをきの下したと高岡たかをかのうへなるその祭壇さいだんとアシラをおもふ 3 われ野のに在ある我わが山やまと汝なんぢの資󠄄產もちものと汝なんぢのもろもろの財產たからおよび汝なんぢの四方よもの境さかひの內うちなる汝なんぢの罪つみを犯をかせる崇邱たかきところを擄掠物ぶんどりものとならしめん〘999㌻〙 4 わが汝なんぢにあたへし產業さんげふより汝なんぢ手てをはなさん又󠄂またわれ汝なんぢをして汝なんぢの識しらざる地ちに於おいて汝なんぢの敵てきにつかへしめんそは汝なんぢら我われをいからせて限かぎりなく燃もゆる火ひを發おこしたればなり

5 ヱホバかくいひたまふおほよそ人ひとを恃たのみ肉󠄁にくをその臂ちからとし心こゝろにヱホバを離はなるる人ひとは詛のろはるべし 6 彼かれは荒野あれのに棄すてられたる者もののごとくならん彼かれは善事よきことのきたるをみず荒野あれのの燥かわきたる處ところ鹽しほあるところ人ひとの住󠄃すまざる地ちに居をらん
 1305㌻ 
7 おほよそヱホバをたのみヱホバを其その恃たのみとする人ひとは福さいはひなり 8 彼かれは水みづの旁ほとりに植うゑたる樹きの如ごとくならん其その根ねを河かはにのべ炎熱あつさきたるも恐おそるるところなしその葉はは靑あをく亢旱ひでりの年としにも憂うれへずして絕たえず果みを結むすぶべし

9 心こゝろは萬物すべてのものよりも僞いつはる者ものにして甚はなはだ惡あしし誰たれかこれを知しるをえんや 10 われヱホバは心腹しんぷくを察さぐり腎腸じんちやうを試こゝろみおのおのに其その途󠄃みちに順したがひその行爲わざの果みによりて報むくゆべし 11 鷓鴣しやこのおのれの生うまざる卵たまごをいだくが如ごとく不義ふぎをもて財たからを獲うる者ものあり其人そのひとは命いのちの半󠄃なかばにてこれに離はなれその終󠄃をはりに愚おろかなる者ものとならん

12 榮さかえの位くらゐよ原始はじめより高たかき者ものわが聖󠄃所󠄃きよきところたる者もの 13 イスラエルの望󠄇のぞみなるヱホバよ凡すべて汝なんぢを離はなるる者ものは辱はづかしめられん我われを棄すつる者ものは土つちに錄しるされん此こはいける水みづの源みなもとなるヱホバを離はなるるによる 14 ヱホバよ我われを醫いやし給たまへ然さらばわれ愈󠄃いえんわれを救すくひたまへさらば我われ救すくはれん汝なんぢはわが頌󠄃ほむるものなり 15 彼かれら我われにいふヱホバの言ことばは何いづくにあるやいま之これをのぞましめよと 16 われ牧者ぼくしやの職つとめを退󠄃しりぞかずして汝なんぢにしたがひ又󠄂また禍わざはひの日ひを願ねがはざりき汝なんぢこれを知しりたまふ我わが唇くちびるよりいづる者ものは汝なんぢの面かほの前󠄃まへにあり 17 汝なんぢ我われを懼おそれしむる者ものとなり給たまふ勿なかれ禍わざはひの時ときに汝なんぢは我わが避󠄃場のがればなり 18 我われを攻せむる者ものを辱はづかしめ給たまへ我われを辱はづかしむるなかれ彼かれらを怖おそれしめよ我われを怖おそれしめ給たまふなかれ禍わざはひの日ひを彼かれらに來きたらしめ滅亡ほろびを倍ばいして之これを滅ほろぼし給たまへ

19 ヱホバ我われにかくいひ給たまへり汝なんぢゆきてユダの王等わうたちの出入でいりする民たみの門もん及およびヱルサレムの諸すべての門もんに立たちて 20 彼かれらにいへ此この門もんより入いる所󠄃ところのユダの王等わうたちとユダのすべての民たみとヱルサレムに住󠄃すめるすべての者ものよ汝なんぢらヱホバの言ことばをきけ 21 ヱホバかくいひたまふ汝なんぢら自みづから愼つゝしめ安息日あんそくにちに荷にをたづさへてヱルサレムの門もんにいる勿なかれ
 1306㌻ 
22 また安息日あんそくにちに汝なんぢらの家いへより荷にを出いだす勿なかれ諸すべての工作わざをなす勿なかれ我わが汝なんぢらの先祖せんぞに命めいぜしごとく安息日あんそくにちを聖󠄃きよくせよ〘1000㌻〙 23 されど彼かれらは遵󠄅したがはず耳みゝを傾かたむけずまたその項うなじを强こはくして聽きかず訓いましめをうけざるなり

24 ヱホバいひ給たまふ汝なんぢらもし謹愼つつしみて我われにきき安息日あんそくにちに荷にをたづさへてこの邑まちの門もんにいらず安息日あんそくにちを聖󠄃きよくなして諸すべての工作わざをなさずば 25 ダビデの位くらゐに坐ざする王等わうたち牧伯きみたちユダの民たみヱルサレムに住󠄃すめる者もの車くるまと馬むまに乘のりてこの邑まちの門もんよりいることをえんまた此この邑まちには限かぎりなく人ひとすまはん 26 また人々ひと〴〵ユダの邑まちとヱルサレムの四周󠄃まはりおよびベニヤミンの地ちと平󠄃地ひらちと山やまと南みなみの方かたよりきたり燔祭はんさい 犧牲ぎせい 素祭そさい 馨香けいかう 謝󠄃祭しやさいを携たづさへてヱホバの室いへにいらん 27 されど汝なんぢらもし我われに聽きかずして安息日あんそくにちを聖󠄃きよくせず安息日あんそくにちに荷にをたづさへてヱルサレムの門もんにいらばわれ火ひをその門もんの內うちに燃もやしてヱルサレムの殿舍やかたを燬やかんその火ひは滅きえざるべし

第18章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言ことばいふ 2 汝なんぢ起󠄃たちて陶人すゑものしの屋いへにくだれ我われかしこに於おいてわが言ことばを汝なんぢに聞きかしめんと 3 われすなはち陶人すゑものしの屋いへにくだり視みるに轆轤ろくろをもて物ものをつくりをりしが 4 その泥つちをもて造󠄃つくれるところの器うつは陶人すゑものしの手てのうちに傷そこねたれば彼かれその心こゝろのままに之これをもて別ほかの器うつはをつくれり

5 時ときにヱホバの言ことば我われにのぞみていふ 6 ヱホバいふイスラエルの家いへよこの陶人すゑものしのなすが如ごとくわれ汝なんぢになすことをえざるかイスラエルの家いへよ陶人すゑものしの手てに泥つちのあるごとく汝なんぢらはわが手てにあり 7 われ急󠄃にはかに民たみあるひは國くにをぬくべし敗やぶるべし滅ほろぼすべしといふことあらんに 8 もし我わがいひしところの國くにその惡あくを離はなれなば我われ之これに災わざはひを降󠄄くださんとおもひしことを悔くいん 9 我われまた急󠄃にはかに民たみあるいは國くにを立たつべし植うゝべしといふことあらんに 10 もし其その國くにわが目めに惡あしく見みゆるところの事ことを行おこなひわが聲こゑに遵󠄅したがはずば我われこれに福祉さいはひを錫あたへんといひしことを悔くいん 11 汝なんぢいまユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめる者ものにいへヱホバかくいへり視みよ我われ汝なんぢらに災わざはひをくださんと思おもひめぐらし汝なんぢらをはかる計策はかりごとを設まうく故ゆゑに汝なんぢらおのおの其そ惡あしき途󠄃みちを離はなれ其その途󠄃みちと行おこなひをあらためよと
 1307㌻ 
12 しかるに彼かれらいふ是こは徒然いたづらなりわれらは自己おのれの圖󠄃維はかるところにしたがひ各自おの〳〵その惡あしき心こゝろの剛愎かたくななるを行おこなはんと

13 この故ゆゑにヱホバかくいひたまふ汝なんぢら異國ことくにのうちに問とへ斯かくの如ごときことを聞きゝし者ものありやイスラエルの處女をとめはいと驚おどろくべきことをなせり 14 レバノンの雪󠄃ゆき豈あに野のの磐いはを離はなれんや遠󠄄方とほくより流ながれくる冷ひややかなる水みづ豈あに涸かわかんや 15 しかるに我民わがたみは我われをわすれて虛むなしき物ものに香かうを焚たけり是等これらの物もの彼かれらをその途󠄃みちすなはち古ふるき途󠄃みちに蹶つまづかせまた徑こみちすなはち備そなへなき道󠄃みちに行ゆかしめ〘1001㌻〙 16 その地ちを荒あらして恒つねに人ひとの笑わらひとならしめん凡すべて其處そこを過󠄃すぐる者ものは驚おどろきてその首くびを搖ふらん 17 われ東風ひがしかぜのごとくに彼かれらをその敵てきの前󠄃まへに散ちらさん其その滅亡ほろびの日ひにはわれ背せを彼かれらに向むけて面かほをむけじ

18 彼かれらいふ去來いざわれら計策はかりごとを設まうけてヱレミヤをはからんそれ祭司さいしには律法おきてあり智慧󠄄ちゑある者ものには謀畧はかりごとあり預言者よげんしやには言ことばありて失うせざるべし去來いざわれら舌したをもて彼かれを擊うちその諸すべての言ことばを聽きくことをせざらんと

19 ヱホバよ我われにききたまへ又󠄂また我われと爭あらそふ者ものの聲こゑをききたまへ 20 惡あくをもて善ぜんに報むくゆべきものならんや彼かれらはわが生命いのちをとらん爲ために坑あなを掘ほれりわが汝なんぢの前󠄃まへに立たちて彼かれらを善よく言いひ汝なんぢの憤怒いきどほりを止とめんとせしを憶おぼえたまへ 21 さればかれらの子女こどもらを饑󠄃饉ききんにあたへ彼かれらを劍つるぎの刃󠄃はにわたしたまへ其その妻つまは子こを失うしなひ且かつ寡やもめとなり其その男をとこは死しをもて亡ほろぼされその少者わかきものは劍つるぎをもて戰いくさに殺ころされよかし 22 汝なんぢ突然にはかに敵てきをかれらに臨のぞませたまふ時とき號呼さけびをその家いへの內うちより聞きこえしめよそは彼かれら坑あなを掘ほりて我われを執とらへんとしまた機檻わなを置おきてわが足あしを執とらへんとすればなり 23 ヱホバよ汝なんぢはかれらが我われを殺ころさんとするすべての謀畧はかりごとを知しりたまふ其その惡あくを赦ゆるすことなく其その罪つみを汝なんぢの前󠄃まへより抹去けしさりたまふなかれ彼かれらを汝なんぢの前󠄃まへに仆たふれしめよ汝なんぢの怒いかりたまふ時ときにかく彼かれらになしたまへ
 1308㌻ 

第19章

1 ヱホバかくいひたまふ往󠄃ゆきて陶人すゑものしの瓦罇とくりをかひ民たみの長老としよりと祭司さいしの長老としよりの中うちより數󠄄人すにんをともなひて 2 陶人すゑものしの門もんの前󠄃まへにあるベンヒンノムの谷たににゆき彼處かしこに於おいてわが汝なんぢに吿つげんところの言ことばを宣のべよ 3 云いはくユダの王等わうたちとヱルサレムに住󠄃すめる者ものよヱホバの言ことばをきけ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよ我われ災わざはひを此處このところにくだすべし凡およそ之これをきく者ものの耳みゝはかならず鳴ならん 4 こは彼かれら我われを棄すてこの處ところを瀆けがし此こゝにて自己おのれとその先祖せんぞおよびユダの王等わうたちの知しらざる他ほかの神かみに香かうを焚たき且かつ辜つみなきものの血ちをこの處ところに盈みたせばなり 5 又󠄂また彼かれらはバアルの爲ために崇邱たかきところを築きづき火ひをもて己おのれの兒子こどもらを焚やき燔祭はんさいとなしてバアルにささげたり此これわが命めいぜしことにあらず我わがいひしことにあらず又󠄂また我わが心こゝろに意おもはざりし事ことなり 6 ヱホバいひたまふさればみよ此處こゝをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと稱󠄄となへずして屠󠄃戮ほふりの谷たにと稱󠄄となふる日ひきたらん 7 また我われこの處ところに於おいてユダとヱルサレムの謀はかりごとをむなしうし劍つるぎをもて彼かれらを其その敵てきの前󠄃まへとその生命いのちを索もとむる者ものの手てに仆たふしまたその屍しかばねを天空󠄃そらの鳥とりと地ちの獸けものの食󠄃物くひものとなし〘1002㌻〙 8 かつ此この邑まちを荒あらして人ひとの胡盧ものわらひとならしめん凡およそここを過󠄃すぐる者ものはその諸もろ〳〵の災わざはひに驚おどろきて笑わらふべし 9 また彼かれらがその敵てきとその生命いのちを索もとむる者ものとに圍󠄃かこみくるしめらるる時とき我われ彼かれらをして己おのれの子むすこの肉󠄁にく女むすめの肉󠄁にくを食󠄃くらはせん又󠄂また彼かれらは互たがひにその友ともの肉󠄁にくを食󠄃くらふべし

10 汝なんぢともに行ゆく人ひとの目めの前󠄃まへにてその瓦罇とくりを毀こぼちて彼かれらにいふべし 11 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひ給たまふ一回ひとたび毀こぼてば復また全󠄃まつたうすること能あたはざる陶人すゑものしの器うつはを毀こぼつが如ごとくわれ此民このたみとこの邑まちを毀こぼたんまた彼かれらは葬はうむるべき地ちなきによりてトペテに葬はうむられん
 1309㌻ 
12 ヱホバいひ給たまふ我われこの處ところとこの中うちに住󠄃すめる者ものとに斯かくなし此この邑まちをトペテの如ごとくなすべし 13 且かつヱルサレムの室いへとユダの王等わうたちの室いへはトペテの處ところのごとく汚けがれん其そは彼かれらすべての室いへの屋蓋やねのうへにて天てんの衆群しうぐんに香かうをたき他ほかの神かみに酒さけをそそげばなり

14 ヱレミヤ、ヱホバの己おのれを遣󠄃つかははして預言よげんせしめたまひしトペテより歸かへりきたりヱホバの室いへの庭󠄄にはに立たちすべての民たみに語かたりていひけるは 15 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよわれ我われいひし諸もろ〳〵の災わざはひをこの邑まちとその諸すべての郷村むら〳〵にくださん彼かれらその項うなじを强こはくして我わが言ことばを聽きかざればなり

第20章

1 祭司さいしインメルの子こヱホバの室いへの宰つかさの長をさなるパシユル、ヱレミヤがこの言ことばを預言よげんするをきけり 2 是こゝに於おいてパシユル預言者よげんしやヱレミヤを打うちヱホバの室いへにある上かみのベニヤミンの門もんの桎梏あしがせに繋つなげり 3 翌󠄃日あくるひパシユル、ヱレミヤを桎梏あしがせより釋ときはなちしにヱレミヤ彼かれにいひけるはヱホバ汝なんぢの名なをパシユルと稱󠄄よばずしてマゴルミッサビブ(驚懼おそれ周󠄃圍󠄃まはりにあり)と稱󠄄よび給たまふ 4 即すなはちヱホバかくいひたまふ視みよわれ汝なんぢをして汝なんぢと汝なんぢのすべての友ともに恐怖おそれをおこさしむる者ものとなさん彼かれらはその敵てきの劍つるぎに仆たふれん汝なんぢの目めはこれを見みるべし我われまたユダのすべての民たみをバビロン王わうの手てに付わたさん彼かれは彼かれらをバビロンに移うつし劍つるぎをもて殺ころすべし 5 我われまたこの邑まちのすべての貨財たからとその得えたる諸すべての物ものとその諸すべての珍寳たふときものとユダの王等わうたちのすべての儲蓄たくはへを其その敵てきの手てに付わたさん彼かれらはこれを掠かすめまた民たみを擄とらへてバビロンに移うつすべし 6 パシユルよ汝なんぢと汝なんぢの家いへにすめる者ものは悉こと〴〵く擄とらへ移うつされん汝なんぢはバビロンにいたりて彼處かしこに死しにかしこに葬はうむられん汝なんぢも汝なんぢが僞いつはりて預言よげんせし言ことばを聽きゝし友とももみな然しからん

7 ヱホバよ汝なんぢわれを勸󠄂すゝめたまひてわれ其その勸󠄂すすめに從したがへり汝なんぢ我われをとらへて我われに勝󠄃かち給たまへりわれ日々ひびに人ひとの笑わらひとなり人ひと皆みな我われを嘲󠄂あざけりぬ〘1003㌻〙
 1310㌻ 
8 われ語かたり呼よばはるごとに暴逆󠄃ばうぎやく殘虐󠄃しへたげの事ことをいふヱホバの言ことば日々ひびにわが身みの恥辱はづかしめとなり嘲󠄂弄あざけりとなるなり 9 是こゝをもて我われかさねてヱホバの事ことを宣のべず又󠄂またその名なをもてかたらじといへり然されどヱホバのことば我わが心こゝろにありて火ひのわが骨ほねの中うちに閉とぢこもりて燃もゆるがごとくなれば忍󠄄耐しのぶにつかれて堪難たえがたし 10 そは我われおほくの人ひとの讒そしりをきく驚懼おそれまはりにあり訴うつたへよ彼かれを訴うつたへん我わが親したしき者ものはみな我わが蹶つまづくことあらんかと窺うかゞひて互たがひにいふ彼かれ誘いざなはるることあらんしからば我儕われら彼かれに勝󠄃かちて仇あだを報むくゆることをえんと 11 然されどヱホバは强つよき勇󠄃士ゆうしのごとくにして我われと偕ともにいます故ゆゑに我われを攻せむる者ものは蹶つまづきて勝󠄃かつことをえずそのなし遂󠄅とげざるが爲ために大おほいなる恥辱はぢを取とらん其その羞恥はぢは何時いつ迄までも忘󠄃わすられざるべし 12 義人ただしきひとを試こゝろみ人ひとの心膓しんちやうを見みたまふ萬軍ばんぐんのヱホバよ我われ汝なんぢに訴うつたへを申のべたれば我われをして汝なんぢが彼かれらに仇あだを報かへすを見みせしめよ 13 ヱホバに歌うたを謠うたへよヱホバを頌󠄃ほめよそは貧󠄃者まづしきものの生命いのちを惡者あしきものの手てより救すくひ給たまへばなり

14 ああ我わが生うまれし日ひは詛のろはれよ我わが母はゝのわれを生うみし日ひは祝しゆくせられざれ 15 わが父󠄃ちゝに男子をのこ汝なんぢに生うまれしと吿つげて父󠄃ちゝを大おほいに喜よろこばせし人ひとは詛のろはれよ 16 其人そのひとはヱホバの憫あはれまずして滅ほろぼしたまひし邑まちのごとくなれよ彼かれをして朝󠄃あしたに號呼さけびをきかしめ午間ひるに鬨聲いくさのこゑをきかしめよ 17 彼かれ我われを胎はらのうちに殺ころさず我わが母はゝを我われの墓はかとなさず常つねにその胎はらを大おほいならしめざりしが故ゆゑなり 18 我われ何いかなれば胎はらをいでて艱難なやみと憂患うれひをかうむり恥辱はぢをもて日ひを送󠄃おくるや

第21章

1 ゼデキヤ王わうマルキヤの子こパシユルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤをヱレミヤに遣󠄃つかはし 2 バビロンの王わうネブカデネザル我われらを攻せむれば汝なんぢわれらの爲ためにヱホバに求もとめよヱホバ恒つねのごとくそのもろもろの奇ふしぎなる跡わざをもて我われらを助たすけバビロンの王わうを我われらより退󠄃しりぞかしめたまふことあらんと曰いはしむ其時そのときヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞめり
 1311㌻ 

3 ヱレミヤ彼かれらにこたへけるは汝なんぢらゼデキヤにかく語いふべし 4 イスラエルの神かみヱホバかくいひたまふ視みよわれ汝なんぢらがこの邑まちの外そとにありて汝なんぢらを攻せめ圍󠄃かこむところのバビロン王わうおよびカルデヤ人びととたたかひて手てに持もつところのその武器ぶきをかへし之これを邑まちのうちに聚あつめん 5 われ手てを伸のべ臂ひぢをつよくし震怒いかりと憤恨いきどほりと烈はげしき怒いかりをもて汝なんぢらをせむべし 6 我われまた此この邑まちにすめる人ひとと畜けものを擊うたん皆みな重おもき疫病えきびやうによりて死しぬべし 7 ヱホバいひたまふ此この後のちわれユダの王わうゼデキヤとその諸臣しもべおよび民たみ此この邑まちに疫病えきびやうと劍つるぎと饑󠄃饉ききんをまぬかれて遺󠄃のこれる者ものをバビロンの王わうネブカデネザルの手てと其その敵てきの手ておよび凡およそその生命いのちを索もとむる者ものの手てに付わたさんバビロンの王わうは劍つるぎの刃󠄃はをもて彼かれらを擊うちかれらを惜をしまず顧󠄃かへりみず恤あはれまざるべし〘1004㌻〙

8 汝なんぢまた此民このたみにヱホバかくいふと語かたるべし視みよわれ生命いのちの道󠄃みちと死しの道󠄃みちを汝なんぢらの前󠄃まへに置おく 9 この邑まちにとゞまる者ものは劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうに死しぬべしされど汝なんぢらを攻せめ圍󠄃かこむところのカルデヤ人びとに出降󠄄いでくだる者ものはいきん其その命いのちはおのれの掠取物ぶんどりものとなるべし 10 ヱホバいひたまふ我われこの邑まちに面かほを向むけしは福さいはひをあたふる爲ためにあらず禍わざはひをあたへんが爲ためなりこの邑まちはバビロンの王わうの手てに付わたされん彼かれ火ひをもて之これを焚やくべし

11 またユダの王わうの家いへに吿つぐべし汝なんぢらヱホバの言ことばをきけ 12 ダビデの家いへよヱホバかくいふ汝なんぢ朝󠄃あさごとに義ただしく鞫さばきをなし物ものを奪うばはるる人ひとをその暴逆󠄃者しへたぐるものの手てより救すくへ否しからざれば汝なんぢらの行おこなひの惡あしきによりて我わが怒いかり火ひのごとくに發いで燃もえて滅きえざるべし 13 ヱホバいひたまふ谷たにと平󠄃原はらの磐いはとにすめる者ものよみよ我わが汝なんぢに敵てきす汝なんぢらは誰たれか降󠄄くだりて我儕われらを攻せめんや誰たれかわれらの居をる處ところにいらんやといふ 14 我わが汝なんぢらをその行おこなひの果みによりて罰ばつせん又󠄂また其その林はやしに火ひを起󠄃おこし其その四周󠄃まはりをことごとく焚やきつくすべしとヱホバいひたまふ
 1312㌻ 

第22章

1 ヱホバかくいひたまへり汝なんぢユダの王わうの室いへにくだり彼處かしこにこの言ことばをのべていへ 2 ダビデの位くらゐに坐ざするユダの王わうよ汝なんぢと汝なんぢの臣しもべおよび此この門もんよりいる汝なんぢの民たみヱホバの言ことばをきけ 3 ヱホバかくいふ汝なんぢら公󠄃道󠄃おほやけと公󠄃義ただしきを行おこなひ物ものを奪うばはるる人ひとをその暴虐󠄃者しへたぐるものの手てより救すくひ異邦󠄆人ことくにびとと孤子みなしごと嫠婦󠄃やもめをなやまし虐󠄃しへたぐる勿なかれまた此處こゝに無辜つみなきものの血ちを流ながす勿なかれ 4 汝なんぢらもし此言このことばを眞󠄃まことに行おこなはばダビデの位くらゐに坐ざする王わうとその臣しもべおよび其その民たみは車くるまと馬むまに乘のりてこの室いへの門もんにいることをえん 5 然されど汝なんぢらもし此この言ことばを聽きかずばわれ自己おのれを指さして誓ちかふ此この室いへは荒地あれちとなるべしとヱホバいひたまふ 6 ヱホバ、ユダの王わうの家いへにつきてかく曰いひたまふ汝なんぢは我われにおけることギレアデのごとくレバノンの巓󠄄いただきのごとし然されどわれかならず汝なんぢを荒野あれのとなし人ひとの住󠄃すまはざる邑まちとなさん 7 われ破壞者ほろぼすものをまふけて汝なんぢを攻せめしめん彼かれら各人おの〳〵その武器ぶきを執とり汝なんぢの美うるはしき香柏かうはくを斫きりてこれを火ひに投なげいれん 8 多おほくの國くにの人ひと此この邑まちをすぎ互たがひに語かたりてヱホバ何いかなれば此この大おほいなる邑まちにかく爲なせしやといはんに 9 人ひとこたへて是こは彼等かれら其その神かみヱホバの契󠄅約けいやくをすてて他ほかの神かみを拜はいし之これに奉つかへしに由よるなりといはん〘1005㌻〙

10 死者しにしものの爲ために泣なくことなくまた之これが爲ために嗟なげくこと勿なかれ寧むしろ擄とらへ移うつされし者ものの爲ためにいたく嗟なげくべし彼かれは再ふたゝび歸かへりてその故園ふるさとを見みざるべければなり 11 ユダの王わうヨシヤの子こシヤルム即すなはちその父󠄃ちゝに繼ついで王わうとなりて遂󠄅つひに此處このところをいでたる者ものにつきてヱホバかくいひたまへり彼かれは再ふたゝび此處こゝに歸かへらじ 12 彼かれはその移うつされし處ところに死しなんふたゝび此この地ちを見みざるべし

13 不義ふぎをもて其その室いへをつくり不法ふはふをもて其その樓たかどのを造󠄃つくり其その隣人となりびとを傭やとふて何なにをも與あたへず其その價あたひを拂はらはざる者ものは禍わざはひなるかな
 1313㌻ 
14 彼かれいふ我われ己おのれの爲ために廣ひろき厦いへと凉すずしき樓たかどのをつくり又󠄂また己おのれの爲ために窓まどを造󠄃つくり香柏かうはくをもて之これを蔽おほひ赤あかく之これを塗ぬらんと 15 汝なんぢ香柏かうはくを爭あらそひもちふるによりて王わうたるを得うるか汝なんぢの父󠄃ちゝは食󠄃飮くひのみせざりしや公󠄃義ただしきと公󠄃道󠄃おほやけを行おこなひて福さいはひを得えざりしや 16 彼かれは貧󠄃者まづしきものと患艱者なやめるものの訟󠄃うつたへを理たゞして祥さいはひをえたりかく爲なすは我われを識しることに非あらずやとヱホバいひ給たまふ 17 然されど汝なんぢの目めと心こゝろは惟たゞ貪むさぼりをなさんとし無辜つみなきものの血ちを流ながさんとし虐󠄃遇󠄃しへたげと暴逆󠄃ばうぎやくをなさんとするのみ 18 故ゆゑにヱホバ、ユダの王わうのヨシヤの子こヱホヤキムにつきてかく曰いひたまふ衆人ひと〴〵は哀かなしいかな我わが兄あにかなしいかな我わが姊あねといひて嗟なげかず又󠄂また哀かなしいかな主しゆよ哀かなしいかな其その榮さかえと曰いひて嗟なげかじ 19 彼かれは驢馬ろばを埋うづむるがごとく埋うづめられん即すなはち曳ひかれてヱルサレムの門もんの外そとに投棄なげすてらるべし

20 汝なんぢレバノンに登のぼりて呼よばはりバシヤンに汝なんぢの聲こゑを揚あげアバリムより呼よばはれ其そは汝なんぢの愛あいする者もの悉こと〴〵く滅ほろぼされたればなり 21 汝なんぢの平󠄃康やすらかなる時とき我われ汝なんぢに語かたりしかども汝なんぢは我われにきかじといへり汝なんぢいとけなき時ときよりわが聲こゑを聽きかずこれ汝なんぢの故習󠄃つねなり 22 汝なんぢの牧者ぼくしやはみな風かぜに呑のみつくされ汝なんぢの愛あいする者ものはとらへ移うつされん其その時とき汝なんぢはおのれの諸もろ〳〵の惡あくのために痛いたく恥はづべし 23 汝なんぢレバノンにすみ巢すを香柏かうはくにつくる者ものよ汝なんぢの劬勞くるしみ子こを產うむ婦󠄃をんなの痛苦いたみのごとくにきたらんとき汝なんぢの哀慘なげきはいかにぞや

24 ヱホバいひたまふ我われは活いくユダの王わうヱホヤキムの子こヱコニヤは我わが右みぎの手ての指環󠄃ゆびわなれども我われこれを拔ぬかん 25 われ汝なんぢの生命いのちを索もとむる者ものの手ておよび汝なんぢが其その面かほを畏おそるる者ものの手てすなはちバビロンの王わうネブカデネザルの手てとカルデヤ人びとの手てに汝なんぢを付わたさん 26 われ汝なんぢと汝なんぢを生うみし母はゝを汝等なんぢらがうまれざりし他ほかの地ちに逐󠄃おひやらん汝なんぢら彼處かしこに死しぬべし 27 彼かれらの靈魂たましひのいたく歸かへらんことを願ねがふところの地ちに彼かれらは歸かへることをえず 28 この人ひとヱコニヤは賤いやしむべき壞やぶれたる器うつはならんや好このましからざる器具󠄄きぐならんや如何いかなれば彼かれと其その子孫しそんは逐󠄃出おひいだされてその識しらざる地ちに投なげやらるるや〘1006㌻〙
 1314㌻ 
29 地ちよ地ちよ地ちよヱホバの言ことばをきけ 30 ヱホバかくいひたまふこの人ひとを子こなくして其その生命いのちの中うちに榮さかええざる人ひとと錄しるせそはその子孫ひと〴〵のうちに榮さかえてダビデの位くらゐに坐ざしユダを治をさむる人ひとかさねてなかるべければなり

第23章

1 ヱホバいひ給たまひけるは嗚呼あゝわが養󠄄やしなふ群むれを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしやは禍わざはひなるかな 2 故ゆゑにイスラエルの神かみヱホバ我民わがたみを養󠄄やしなふ牧者ぼくしやにつきて斯かくいふ汝なんぢらはわが群むれを散ちらしこれを逐󠄃おひはなちて顧󠄃かへりみざりき視みよわれ汝なんぢらの惡あしき行おこなひによりて汝等なんぢらに報むくゆべしとヱホバいふ 3 われ我わが群むれの遺󠄃餘のこりたる者ものをその逐󠄃おひはなちたる諸すべての地ちより集あつめ再ふたゝびこれを其その牢をりに歸かへさん彼かれらは子こを產うみて多おほくなるべし 4 我われこれを養󠄄やしなふ牧者ぼくしやをその上うへに立たてん彼等かれらはふたゝび慄をののかず懼おそれずまた失うせじとヱホバいひたまふ

5 ヱホバいひたまひけるは視みよわがダビデに一ひとつの義ただしき枝えだを起󠄃おこす日ひ來きたらん彼かれ王わうとなりて世よを治をさめ榮さかえ公󠄃道󠄃おほやけと公󠄃義ただしきを世よに行おこなふべし 6 其日そのひユダは救すくひをえイスラエルは安やすきに居をらん其その名なはヱホバ我儕われらの義ぎと稱󠄄となへらるべし 7 この故ゆゑにヱホバいひ給たまふ視みよイスラエルの民たみをエジプトの地ちより導󠄃出みちびきいだせしヱホバは活いくと人衆ひと〴〵復またいはずして 8 イスラエルの家いへの裔すゑを北きたの地ちと其その諸すべて逐󠄃おひやりし地ちより導󠄃出みちびきいだせしヱホバは活いくといふ日ひ來きたらん彼かれらは自己おのれの地ちに居をるべし

9 預言者輩よげんしやたちのために我わが心こゝろはわが衷うちに壞やぶれわが骨ほねは皆みな震ふるふ且かつヱホバとその聖󠄃言きよきことばのためにわれは醉ゑへる人ひとのごとく酒さけに勝󠄃かたるる人ひとのごとし 10 この地ちは姦淫かんいんをなすもの盈みち地ちは呪詛のろひによりて憂うれへ曠野あらのの艸くさは枯かる彼かれらの途󠄃みちはあしく其その力ちからは正たゞしからず
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11 預言者よげんしやと祭司さいしは偕ともに邪󠄅惡じやあくなりわれ我わが家いへに於おいてすら彼等かれらの惡あくを見みたりとヱホバいひたまふ 12 故ゆゑにかれらの途󠄃みちは暗󠄃くらきに在ある滑なめらかなる途󠄃みちの如ごとくならん彼等かれら推おされて其その途󠄃みちに仆たふるべし我われ災わざはひをその上うへにのぞましめん是これ彼かれらが刑罰つみせらるる年としなりとヱホバいひたまふ

13 われサマリヤの預言者よげんしやの中うちに愚昧おろかなる事ことあるをみたり彼等かれらはバアルに託よりて預言よげんし我民わがたみイスラエルを惑まどはせり 14 我われヱルサレムの預言者よげんしやの中うちにも憎にくむべき事ことあるを見みたり彼等かれらは姦淫かんいんをなし詐僞いつはりをおこなひ惡人あくにんの手てを堅かたくして人ひとをその惡あくに離はなれざらしむ彼等かれらみな我われにはソドムのごとく其その民たみはゴモラのごとし 15 この故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバ預言者よげんしやにつきてかくいひたまふ視みよわれ茵蔯いんちんを之これに食󠄃くらはせ毒󠄂水どくすゐをこれに飮のませんそは邪󠄅惡じやあくヱルサレムの預言者よげんしやよりいでて此この全󠄃地ぜんちに及およべばなり〘1007㌻〙

16 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ汝等なんぢらに預言よげんする預言者よげんしやの言ことばを聽きく勿なかれ彼等かれらは汝なんぢらを欺あざむきヱホバの口くちよりいでざるおのが心こゝろの默示もくしを語かたるなり 17 常つねに彼かれらは我われを藐忽かろんずる者ものにむかひて汝等なんぢら平󠄃安やすきをえんとヱホバいひたまへりといひ又󠄂また己おのが心こゝろの剛愎かたくななるに循したがひて行あゆむところのすべての者ものに向むかひて災わざはひ汝なんぢらに來きたらじといへり 18 誰たれかヱホバの議會ぎくわいに立たちて其その言ことばを見聞みききせし者ものあらんや誰たれか其その耳みゝを傾かたむけて我わが言ことばを聽きゝし者ものあらんや 19 みよヱホバの暴風はやてあり怒いかりと旋轉風つむじかぜいでて惡人あくにんの首かうべをうたん 20 ヱホバの怒いかりはかれがその心こゝろの思おもひを行おこなひてこれを遂󠄅とげ給たまふまでは息やまじ末すゑの日ひに汝なんぢら明あきらかにこれを曉さとらん 21 預言者等よげんしやらはわが遣󠄃つかはさざるに趨はしり我われ吿つげざるに預言よげんせり 22 彼かれらもし我わが議會ぎくわいに立たちしならば我民わがたみにわが言ことばをきかしめて之これをその惡あしき途󠄃みちとその惡あしき行おこなひに離はなれしめしならん
 1316㌻ 

23 ヱホバいひ給たまふ我われはただ近󠄃ちかくにおいてのみ神かみたらんや遠󠄄とほくに於おいても神かみたるにあらずや 24 ヱホバいひたまふ人ひと我われに見みられざる樣やうに密ひそかなる處ところに身みを匿かくし得うるかヱホバいひたまふ我われは天地てんちに充みつるにあらずや 25 われ我わが名なをもて謊󠄃いつはりを預言よげんする預言者等よげんしやらがわれ夢ゆめを見みたりわれ夢ゆめを見みたりと曰いふをきけり 26 謊󠄃いつはりを預言よげんする預言者等よげんしやらはいつまで此この心こゝろをいだくや彼かれらは其心そのこころの詐僞いつはりを預言よげんするなり 27 彼かれらは其その先祖せんぞがバアルによりて我わが名なを忘󠄃わすれしごとく互たがひに夢ゆめをかたりて我民わがたみにわが名なを忘󠄃わすれしめんと思おもふや 28 夢ゆめをみし預言者よげんしやは夢ゆめを語かたるべし我わが言ことばを受うけし者ものは誠󠄃實まことをもて我わが言ことばを語かたるべし糠ぬかいかで麥むぎに比擬たぐふことをえんやとヱホバいひたまふ 29 ヱホバ言いひたまはく我わが言ことばは火ひのごとくならずや又󠄂また磐いはを打碎うちくだく槌つちの如ごとくならずや 30 故ゆゑに視みよわれ我わが言ことばを相互たがひに竊ぬすめる預言者よげんしやの敵てきとなるとヱホバいひたまふ 31 視みよわれは彼かれいひたまへりと舌したをもて語かたるところの預言者よげんしやの敵てきとなるとヱホバいひたまふ 32 ヱホバいひたまひけるは視みよわれ僞いつはりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる彼かれらは之これを語かたりまたその謊󠄃いつはりと其その誇ほこりをもて我民わがたみを惑まどはす我われかれらを遣󠄃つかはさずかれらに命めいぜざるなり故ゆゑに彼かれらは斯この民たみに益えきなしとヱホバいひ給たまふ

33 この民たみ或または預言者よげんしや又󠄂または祭司さいし汝なんぢに問とふてヱホバの重負󠄅おもには何なにぞやといはば汝なんぢ彼等かれらにこたへてヱホバの重負󠄅おもには我われ汝等なんぢらを棄すてんとヱホバの云いひたまひし事こと是これなりといふべし〘1008㌻〙 34 ヱホバの重負󠄅おもにといふところの預言者よげんしやと祭司さいしと民たみには我われその人ひとと其その家いへにこれを降󠄄くださん 35 汝なんぢらはおのおの斯かく互たがひに言いひその兄弟きやうだいにいふべしヱホバは何なにと應こたへたまひしやヱホバは何なにと云いひたまひしやと 36 汝なんぢら復ふたたびヱホバの重負󠄅おもにといふべからず人ひとの重負󠄅おもにとなる者ものは其人そのひとの言ことばなるべし汝なんぢらは活いける神かみ萬軍ばんぐんのヱホバなる我われらの神かみの言ことばを枉まぐるなり 37 汝なんぢかく預言者よげんしやにいふべしヱホバは汝なんぢに何なにと答こたへ給たまひしやヱホバは何なにといひたまひしやと 38 汝なんぢらもしヱホバの重負󠄅おもにといはばヱホバそれにつきてかくいひたまふ我われ人ひとを汝なんぢらに遣󠄃つかはして汝等なんぢらヱホバの重負󠄅おもにといふべからずといはしむるも汝なんぢらはヱホバの重負󠄅おもにといふ此言このことばをいふによりて
 1317㌻ 
39 われ必かならず汝なんぢらを忘󠄃わすれ汝なんぢらと汝なんぢらの先祖せんぞにあたへし此この邑まちと汝なんぢらとを我わが前󠄃まへより棄すてん 40 且かつわれ永遠󠄄えいゑんの辱はづかしめと永遠󠄄えいゑんなる忘󠄃わすらるることなき恥はぢを汝なんぢらにかうむらしめん

第24章

1 バビロンの王わうネブカデネザル、ユダの王わうヱホヤキムの子こヱコニヤおよびユダの牧伯等きみたちと木匠たくみと鐵匠かぢをヱルサレムよりバビロンに移うつせしのちヱホバ我われにヱホバの殿みやの前󠄃まへに置おかれたる二筐ふたかごの無花果いちぢくを示しめしたまへり 2 その一ひとつの筐かごには始はじめに熟じゆくせしがごとき至佳いとよき無花果いちぢくありその一ひとつの筐かごにはいと惡あしくして食󠄃くらひ得えざるほどなる惡あしき無花果いちぢくあり 3 ヱホバ我われにいひ給たまひけるはヱレミヤよ汝なんぢ何なにを見みしや我われ答こたへけるは無花果いちぢくなりその佳よき無花果いちぢくはいと佳よしその惡あしきものは至いと惡あしくして食󠄃くらひ得えざるほどに惡あしし

4 ヱホバの言ことばまた我われにのぞみていふ 5 イスラエルの神かみヱホバかくいふ我われわが此處このところよりカルデヤ人びとの地ちに逐󠄃おひやりしユダの虜人とらはれびとを此この佳よき無花果いちぢくのごとくに顧󠄃かへりみて惠めぐまん 6 我われ彼等かれらに目めをかけて之これをめぐみ彼かれらを此この地ちにかへし彼等かれらを建󠄄たてて仆たふさず植うゑて拔ぬかじ 7 我われ彼かれらに我われのヱホバなるを識しるの心こゝろをあたへん彼等かれら我わが民たみとなり我われ彼かれらの神かみとならん彼等かれらは一心いつしんをもて我われに歸かへるべし

8 ヱホバかくいひたまへり我われユダの王わうゼデキヤとその牧伯等きみたちおよびヱルサレムの人ひとの遺󠄃のこりて此地このくににをる者ものならびにエジプトの地ちに住󠄃すめる者ものとを此この惡あしくして食󠄃くらはれざる惡あしき無花果いちぢくのごとくになさん 9 我われかれらをして地ちのもろもろの國くににて虐󠄃遇󠄃しへたげと災害󠄅わざはひにあはしめん又󠄂また彼かれらをしてわが逐󠄃おひやらん諸すべての處ところにて辱はづかしめにあはせ諺ことわざとなり嘲󠄂あざけりと詛のろひに遭󠄃あはしめん 10 われ劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうをかれらの間うちにおくりて彼かれらをしてわが彼かれらとその先祖せんぞにあたへし地ちに絕たゆるにいたらしめん〘1009㌻〙
 1318㌻ 

第25章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの四年よねんバビロンの王わうネブカデネザルの元年ぐわんねんにユダのすべての民たみにかかはる言ことばヱレミヤにのぞめり 2 預言者よげんしやヱレミヤこの言ことばをユダのすべての民たみとヱルサレムにすめるすべての者ものに吿つげていひけるは 3 ユダの王わうアモンの子こヨシヤの十三年ねんより今日こんにちにいたるまで二十三年ねんのあひだヱホバの言ことば我われにのぞめり我われこれを汝等なんぢらに吿つげ頻しきりにこれを語かたりしかども汝なんぢらきかざりし 4 ヱホバその僕しもべなる預言者よげんしやを汝なんぢらに遣󠄃つかはし頻しきりに遣󠄃つかはしたまひけれども汝なんぢらはきかず又󠄂またきかんとて耳みゝを傾かたむけざりき 5 彼かれらいへり汝等なんぢらおのおのいま其その惡あしき途󠄃みちとその惡あしき行おこなひを棄すてよ然さらばヱホバが汝なんぢらと汝なんぢらの先祖せんぞに與あたへたまひし地ちに永遠󠄄えいゑんより永遠󠄄えいゑんにいたるまで住󠄃すむことをえん 6 汝なんぢら他ほかの神かみに從したがひこれに事つかへこれを拜をがみ汝なんぢらの手てにて作つくりし物ものをもて我われを怒いからする勿なかれ然さらば我われ汝なんぢらを害󠄅そこなはじ 7 然されど汝なんぢらは我われにきかず汝等なんぢらの手てにて作つくりし物ものをもて我われを怒いからせて自みづから害󠄅そこなへりとヱホバいひたまふ 8 この故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバかく云いひたまふ汝なんぢら我わが言ことばを聽きかざれば 9 視みよ我われ北きたの諸すべての族やからと我わが僕しもべなるバビロンの王わうネブカデネザルを招まねきよせ此地このくにとその民たみと其その四圍󠄃まはりの諸國くに〴〵を攻せめ滅ほろぼさしめて之これを詫異物おどろくべきものとなし人ひとの嗤󠄄笑わらひとなし永遠󠄄えいゑんの荒地あれちとなさんとヱホバいひたまふ 10 またわれ欣喜よろこびの聲こゑ 歡樂たのしみの聲こゑ 新夫はなむこの聲こゑ 新婦󠄃はなよめの聲こゑ 磐磨󠄃ひきうすの音󠄃おとおよび燈ともしびの光ひかりを彼かれらの中うちにたえしめん 11 この地ちはみな空󠄃曠あれちとなり詫異物おどろくべきものとならん又󠄂またその諸國くに〴〵は七十年ねんの間あひだバビロンの王わうにつかふべし

12 ヱホバいひたまふ七十年ねんのをはりし後のち我われバビロンの王わうと其その民たみとカルデヤの地ちをその罪つみのために罰ばつし永遠󠄄えいゑんの空󠄃曠あれちとなさん
 1319㌻ 
13 我われかの地ちにつきて我われかたりし諸すべての言ことばをその上うへに臨のぞましめん是これヱレミヤが萬國ばんこくの事ことにつきて預言よげんしたる者ものにて皆みなこの書ふみに錄しるさるるなり 14 多おほくの國々くに〴〵と大おほいなる王等わうたちは彼かれらをして己おのれにつかへしめん我われかれらの行爲おこなひとその手ての所󠄃作わざに循したがひてこれに報むくいん

15 イスラエルの神かみヱホバかく我われに云いひたまへり我わが手てより此この怒いかりの杯さかづきをうけて我わが汝なんぢを遣󠄃つかはすところの國々くに〴〵の民たみに飮のましめよ 16 彼かれらは飮のみてよろめき狂くるはんこは我われかれらの中うちに劍つるぎをつかはすによりてなり 17 是こゝに於おいてわれヱホバの手てより杯さかづきをうけヱホバのわれを遣󠄃つかはしたまふところの國々くに〴〵の民たみに飮のましめたり 18 即すなはちヱルサレムとユダの諸すべての邑まちとその王等わうたちおよびその牧伯等きみたちに飮のませてこれをほろぼし詫異物おどろくべきものとなし人ひとの嗤󠄄笑わらひとなし詛のろはるる者ものとなせり今日こんにちのごとし 19 またエジプトの王わうパロと其その臣僕しもべその牧伯等きみたちその諸すべての民たみと〘1010㌻〙 20 諸もろ〳〵の雜種ざつしゆの民たみおよびウズの諸すべての王等わうたちおよびペリシテ人びとの地ちの諸すべての王等わうたちアシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの遺󠄃餘のこりの者もの 21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん 22 ツロのすべての王等わうたちシドンのすべての王等わうたち海うみのかなたの島々しま〴〵の王等わうたち 23 デダン、テマ、ブズおよびすべて鬚ひげをそる者もの 24 アラビヤのすべての王等わうたち曠野あらのの雜種ざつしゆの民たみの諸すべての王等わうたち 25 ジムリの諸すべての王等わうたちエラムの諸すべての王等わうたちメデアのすべての王等わうたち 26 北きたのすべての王等わうたちその彼かれと此これとにおいて或あるひは遠󠄄者とをきもの或あるひは近󠄃ちかきもの凡すべて地ちの面おもてにある世よの國々くに〴〵の王等わうたちはこの杯さかづきを飮のまんセシヤク王わうはこれらの後のちに飮のむべし

27 故ゆゑに汝なんぢかれらに語つげていへ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ我われ汝等なんぢらの中うちに劍つるぎを遣󠄃つかはすによりて汝なんぢらは飮のみまた醉ゑひまた吐はき又󠄂また仆たふれて再ふたゝび起󠄃たゝざれと 28 彼等かれらもし汝なんぢの手てより此この杯さかづきを受うけて飮のまずば汝なんぢ彼かれらにいへ萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ汝なんぢら必かならず飮のむべし
 1320㌻ 
29 視みよわれ我わが名なをもて稱󠄄となへらるるこの邑まちにすら災わざはひを降󠄄くだすなり汝なんぢらいかで罰ばつを免まぬかるることをえんや汝なんぢらは罰ばつを免まぬかれじ蓋そはわれ劍つるぎをよびて地ちに住󠄃すめるすべての者ものを攻せむべければなりと萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ

30 汝なんぢ彼等かれらにこの諸すべての言ことばを預言よげんしていふべしヱホバ高たかき所󠄃ところより呼號よばはり其その聖󠄃宮きよきみやより聲こゑを出いだし己おのれの住󠄃家すみかに向むかひてよばはり地ちに住󠄃すめる諸すべての者ものにむかひて葡萄ぶだうを踐ふむ者もののごとく咷さけびたまはん 31 號咷さけび地ちの極はてまで聞きこゆ蓋そはヱホバ列國くに〴〵と爭あらそひ萬民ばんみんを審さばき惡人あくにんを劍つるぎに付わたせば也なりとヱホバ曰いひたまへり

32 萬軍ばんぐんのヱホバかく曰いひたまふ視みよ災わざはひいでて國くにより國くににいたらん大おほいなる暴風あらし地ちの極はてよりおこるべし 33 其日そのひヱホバの戮ころしたまふ者ものは地ちの此この極はてより地ちの彼かの極はてに及およばん彼等かれらは哀かなしまれず殮あつめられず葬はうむられずして地ちの面おもてに糞土ふんどとならん 34 牧者ぼくしやよ哭なげき叫さけべ群むれの長等をさたちよ汝なんぢら灰󠄃はひの中うちに轉まろぶべし蓋そは汝なんぢらの屠󠄃ほふらるる日ひ滿みつれば也なり我われ汝なんぢらを散ちらすべければ汝なんぢらは貴たふとき器うつはのごとく墮おつべし 35 牧者ぼくしやは避󠄃場のがればなく群むれの長等をさたちは逃󠄄にぐる處ところなし 36 牧者ぼくしやの呼號さけびの聲こゑと群むれの長等をさたちの哀哭なげききこゆ蓋そはヱホバ其その牧場まきを滅ほろぼしたまへば也なり 37 ヱホバの烈はげしき怒いかりによりて平󠄃安おだやかなる牧場まきばは滅ほろぼさる 38 彼かれは獅子しゝの如ごとく其その巢すを出いでたり滅ほろぼす者ものの怒いかりと其その烈はげしき忿いかりによりて彼かれらの地ちは荒あらされたり

第26章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムが位くらゐに即つきし初はじめのころヱホバより此言このことばいでていふ〘1011㌻〙 2 ヱホバかくいふ汝なんぢヱホバの室いへの庭󠄄にはに立たち我わが汝なんぢに命めいじていはしむる諸すべての言ことばをユダの邑々まち〳〵より來きたりてヱホバの室いへに拜をがみをする人々ひと〴〵に吿つげよ一言ひとことをも減へらす勿なかれ 3 彼等かれら聞きゝておのおの其その惡あしき途󠄃みちを離はなるることあらん然さらば我われかれらの行おこなひの惡あしきがために災わざはひを彼かれらに降󠄄くださんとせることを悔くゆべし
 1321㌻ 
4 汝なんぢ彼等かれらにヱホバかくいふといへ汝等なんぢらもし我われに聽きかずわが汝なんぢらの前󠄃まへに置おきし律法おきてを行おこなはず 5 我われ汝なんぢらに遣󠄃つかはし切しきりに遣󠄃つかはせし我わが僕しもべなる預言者よげんしやの言ことばを聽きかずば(汝なんぢらは之これをきかざりき) 6 我われこの室いへをシロの如ごとくになし又󠄂またこの邑まちを地ちの萬國ばんこくに詛のろはるる者ものとなすべし 7 祭司さいしと預言者よげんしや及および民たみみなヱレミヤがヱホバの室いへに立たちてこの言ことばをのぶるをきけり

8 ヱレミヤ、ヱホバに命めいぜられし諸すべての言ことばを民たみに吿つげ畢をはりしとき祭司さいしと預言者よげんしやおよび諸すべての民たみ彼かれを執とらへいひけるは汝なんぢは必かならず死しぬべし 9 汝なんぢ何故なにゆゑにヱホバの名なをもて預言よげんし此この室いへはシロの如ごとくになりこの邑まちは荒蕪あれちとなりて住󠄃すむ者ものなきにいたらんと云いひしやと民たみみなヱホバの室いへにあつまりてヱレミヤを攻せむ

10 ユダの牧伯等きみたちこの事ことをききて王わうの家いへをいでヱホバの室いへにのぼりてヱホバの家いへの新あたらしき門もんの入口いりくちに坐ざせり 11 祭司さいしと預言者等よげんしやら牧伯等きみたちとすべての民たみに訴うつたへていふ此人このひとは死しにあたる者ものなり是こゝは汝なんぢらが耳みゝに聽きゝしごとくこの邑まちにむかひて惡あしき預言よげんをなしたるなり 12 是こゝに於おいてヱレミヤ牧伯等きみたちとすべての民たみにいひけるはヱホバ我われを遣󠄃つかはし汝なんぢらが聽きける諸すべての言ことばをもて此この宮いへとこの邑まちにむかひて預言よげんせしめたまふ 13 故ゆゑに汝なんぢらいま汝なんぢらの途󠄃みちと行爲おこなひをあらためて汝なんぢらの神かみヱホバの聲こゑにしたがへ然さらばヱホバ汝なんぢらに災わざはひを降󠄄くださんとせしことを悔くいたまふべし 14 みよ我われは汝なんぢらの手てにあり汝なんぢらの目めに善よしとみゆるところ義ただしとみゆることを我われに行おこなへ 15 然されど汝なんぢら善よくこれを知しれ汝なんぢらもし我われを殺ころさば必かならず無辜つみなきものの血ちなんぢらの身みとこの邑まちと其その中うちに住󠄃すめる者ものに歸きせんヱホバ我われを遣󠄃つかはしてこの諸すべての言ことばを汝なんぢらの耳みゝにつげしめたまひしなればなり

16 牧伯等きみたちとすべての民たみすなはち祭司さいしと預言者よげんしやにいひけるは此人このひとは死しにあたる者ものにあらず是これは我われらの神かみヱホバの名なによりて我儕われらに語かたりしなりと
 1322㌻ 
17 時ときにこの地ちの長老としより數󠄄人すにん立たちて民たみのすべての集あつまれる者ものにつげていひけるは 18 ユダの王わうヒゼキヤの代よにモレシテ人びとミカ、ユダの民たみに預言よげんして云いひけらく萬軍ばんぐんのヱホバかくいひ給たまふシオンは田地はたけのごとく耕󠄃たがへされヱルサレムは邱墟くづれづかとなり此この室いへの山やまは樹深きぶかき崇邱たかきところとならんと 19 ユダの王わうヒゼキヤとすべてのユダ人びとは彼かれを殺ころさんとせしことありしやヒゼキヤ、ヱホバを畏おそれヱホバに求もとめければヱホバ彼かれらに降󠄄くださんと吿つげ給たまひし災わざはひを悔くい給たまひしにあらずや我儕われらかく爲なすは自己おのれの靈魂たましひをそこなふ大おほいなる惡あくをなすなり〘1012㌻〙

20 又󠄂また前󠄃さきにヱホバの名なをもて預言よげんせし人ひとあり即すなはちキリヤテヤリムのシマヤの子こウリヤなり彼かれヱレミヤの凡すべていへるごとく此この邑まちとこの地ちにむかひて預言よげんせり 21 ヱホヤキム王わうと其そのすべての勇󠄃士ゆうしとすべての牧伯等きみたちその言ことばを聽きけり是こゝにおいて王わう彼かれを殺ころさんと欲おもひしがウリヤこれをきき懼おそれてエジプトに逃󠄄にげゆきしかば 22 ヱホヤキム王わう人ひとをエジプトに遣󠄃つかはせり即すなはちアクボルの子こエルナタンに數󠄄人すにんをそへてエジプトにつかはしければ 23 彼かれらウリヤをエジプトより引出ひきいだしヱホヤキム王わうの許もとに携つれきたりしに王わう劍つるぎをもて之これを殺ころし其その屍骸かばねを賤者いやしきものの墓はかに棄すてさせたりと 24 時ときにシヤパンの子こアヒカム、ヱレミヤをたすけこれを民たみの手てにわたして殺ころさざらしむ

第27章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムが位くらゐに即つきし初はじめのころヱホバより此言このことばヱレミヤに臨のぞみていふ 2 すなはちヱホバかく我われに云いひたまへり汝なんぢ索なはと軛くびきをつくりて汝なんぢの項くびに置おき 3 之これをヱルサレムにきたりてゼデキヤ王わうにいたるところの使󠄃臣等つかひたちの手てによりてエドムの王わうモアブの王わうアンモン人びとの王わうツロの王わうシドンの王わうに送󠄃おくるべし 4 汝なんぢ彼かれらに命めいじて其その主しゆにいはしめよ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢら其その主しゆにかく吿つぐべし 5 われ我わが大おほいなる能力ちからと伸のべたる臂ひぢをもて地ちと地ちの上うへにをる人ひとと獸けものとをつくり我わが心こゝろのままに地ちを人ひとにあたへたり
 1323㌻ 
6 いま我われこの諸すべての地ちを我わが僕しもべなるバビロンの王わうネブカデネザルの手てにあたへ又󠄂また野のの獸けものを彼かれにあたへてかれにつかへしむ 7 かれの地ちの時期ときいたるまで萬國民ばんこくみんは彼かれと其その子ことその孫まごにつかへん其時そのときいたらばおほくの國くにと大おほいなる王わうは彼かれを己おのれに事つかへしむべし 8 バビロンの王わうネブカデネザルに事つかへずバビロンの王わうの軛くびきをその項くびに負󠄅おはざる國くにと民たみは我われ彼かれの手てをもて悉こと〴〵くこれを滅ほろぼすまで劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうをもてこれを罰ばつせんとヱホバいひたまふ 9 故ゆゑに汝なんぢらの預言者よげんしやなんぢらの占筮師うらなひし汝なんぢらの夢ゆめみる者もの汝なんぢらの法術󠄃士はふじゆつし汝なんぢらの魔󠄃法士まはふし汝なんぢらに吿つげて汝なんぢらはバビロンの王わうに事つかふることあらじといふとも聽きくなかれ 10 彼かれらは謊󠄃いつはりを汝なんぢらに預言よげんして汝なんぢらをその國くにより遠󠄄とほく離はなれしめ且かつ我われをして汝なんぢらを逐󠄃おはしめ汝なんぢらを滅ほろぼさしむるなり〘1013㌻〙 11 然されどバビロンの王わうの軛くびきをその項くびに負󠄅おふて彼かれに事つかふる國々くに〴〵の人ひとは我われこれをその故土くにに存のこし其處そこに耕󠄃たがへし住󠄃すましむべしとヱホバいひたまふ

12 我われこの諸すべての言ことばのごとくユダの王わうゼデキヤに吿つげていひけるは汝なんぢらバビロンの王わうの軛くびきを汝なんぢらの項くびに負󠄅おふて彼かれと其その民たみにつかへよ然さらば生いくべし 13 汝なんぢと汝なんぢの民たみなんぞヱホバがバビロンの王わうにつかへざる國くににつきていひたまひし如ごとく劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうに死しぬべけんや 14 故ゆゑに汝なんぢらはバビロンの王わうに事つかふることあらじと汝等なんぢらに吿つぐる預言者よげんしやの言ことばを聽きくなかれ彼かれらは謊󠄃いつはりを汝なんぢらに預言よげんするなり 15 ヱホバいひたまひけるは我われ彼かれらを遣󠄃つかはさざるに彼かれらは我わが名なをもて謊󠄃いつはりを預言よげんす是こゝをもて我われ汝なんぢらを逐󠄃おひはなち汝なんぢらと汝なんぢらに預言よげんする預言者等よげんしやたちを滅ほろぼすにいたらん

16 我われまた祭司さいしとこのすべての民たみに語かたりていひけるはヱホバかくいひたまふ視みよヱホバの室いへの器皿うつはいま速󠄃すみやかにバビロンより持歸もちかへさるべしと汝なんぢらに預言よげんする預言者よげんしやの言ことばをきく勿なかれそは彼かれら謊󠄃いつはりを汝なんぢらに預言よげんすればなり 17 汝なんぢら彼かれらに聽きくなかれバビロンの王わうに事つかへよ然さらば生いくべしこの邑まちを何なんぞ荒蕪あれちとなすべけんや 18 もし彼かれら預言者よげんしやにしてヱホバの言ことばかれらの衷うちにあらばヱホバの室いへとユダの王わうの家いへとヱルサレムとに餘のこれるところの器皿うつはのバビロンに移うつされざることを萬軍ばんぐんのヱホバに求もとむべきなり
 1324㌻ 
19 萬軍ばんぐんのヱホバ柱󠄃はしらと海うみと臺だいおよびこの邑まちに餘のこれる器皿うつはにつきてかくいひたまふ 20 是これはバビロンの王わうネブカデネザルがユダの王わうヱホヤキムの子こヱコニヤおよびユダとヱルサレムのすべての牧伯等きみたちをヱルサレムよりバビロンにとらへ移うつせしときに掠かすめざりし器皿うつはなり 21 すなはち萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみヱホバの室いへとユダの王わうの室いへとヱルサレムとに餘のこれる器皿うつはにつきてかくいひたまふ 22 これらはバビロンに携たづさへゆかれ我わがこれを顧󠄃かへりみる日ひまで彼處かしこにあらん其その後のち我われこれを此この處ところにたづさへ歸かへらしめんとヱホバいひたまふ

第28章

1 この年としすなはちユダの王わうゼデキヤが位くらゐに即つきし初はじめその四年よねんの五月󠄃ぐわつギベオンのアズルの子こなる預言者よげんしやハナニヤ、ヱホバの室いへにて祭司さいしと凡すべての民たみの前󠄃まへにて我われに語かたりいひけるは 2 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ我われバビロンの王わうの軛くびきを摧くだけり 3 二年ふたとせの內うちにバビロンの王わうネブカデネザルがこの處ところより取とりてバビロンに携たづさへゆきしヱホバの室いへの器皿うつはを再ふたゝび悉こと〴〵くこの處ところに歸かへらしめん 4 我われまたユダの王わうヱホヤキムの子こヱコニヤおよびバビロンに住󠄃ゆきしユダのすべての擄人とらはれびとをこの處ところに歸かへらしめんそは我われバビロンの王わうの軛くびきを摧くだくべければなりとヱホバいひたまふ〘1014㌻〙

5 是こゝに於おいて預言者よげんしやヱレミヤ、ヱホバの家いへに立たてる祭司さいしの前󠄃まへとすべての民たみの前󠄃まへにて預言者よげんしやハナニヤと語ものいふ 6 預言者よげんしやヱレミヤすなはちいひけるはアーメン願ねがはくはヱホバかくなし給たまへ願ねがはくはバビロンに携たづさへゆかれしヱホバの室いへの器皿うつは及およびすべて虜とらへうつされし者ものをヱホバ、バビロンより復ふたたびこの處ところに歸かへらしめたまはんと汝なんぢの預言よげんせし言ことばの成󠄃ならんことを
 1325㌻ 
7 然されど汝なんぢいま我わがなんぢの耳みゝと諸すべての民たみの耳みゝに語かたらんとする此言このことばをきけ 8 我われと汝なんぢの先さきにいでし預言者よげんしやは古昔むかしより多おほくの地ちと大おほいなる國くににつきて戰鬪いくさと災難わざはひと疫病えきびやうの事ことを預言よげんせり 9 泰平󠄃たいへいを預言よげんするところの預言者よげんしやは若もしその預言者よげんしやの言ことばとげなばその誠󠄃まことにヱホバの遣󠄃つかはしたまへる者ものなること知しらるべし 10 ここに於おいて預言者よげんしやハナニヤ預言者よげんしやヱレミヤの項くびより軛くびきを取とりてこれを摧くだけり 11 ハナニヤ諸すべての民たみの前󠄃まへにて語かたりヱホバかくいひたまふわれ二年ふたとせのうちに是かくの如ごとく萬國民ばんこくみんの項くびよりバビロン王わうネブカデネザルの軛くびきを摧くだきはなさんといふ預言者よげんしやヱレミヤ遂󠄅ついに去さりぬ

12 預言者よげんしやハナニヤ預言者よげんしやヱレミヤの項くびより軛くびきを摧くだきはなせし後のちヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞみていふ 13 汝なんぢゆきてハナニヤにヱホバかくいふと吿つげよ汝なんぢ木きの軛くびきを摧くだきたれども之これに代かへて鐵てつの軛くびきを作つくれり 14 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ我われ鐵てつの軛くびきをこの萬國民ばんこくみんの項くびに置おきてバビロンの王わうネブカデネザルに事つかへしむ彼かれら之これにつかへんわれ野のの獸けものをもこれに與あたへたり 15 また預言者よげんしやヱレミヤ預言者よげんしやハナニヤにいひけるはハナニヤよ請󠄃こふ聽きけヱホバ汝なんぢを遣󠄃つかはし給たまはず汝なんぢはこの民たみに謊󠄃いつはりを信しんぜしむるなり 16 是故このゆえにヱホバいひ給たまふ我われ汝なんぢを地ちの面おもてよりのぞかん汝なんぢヱホバに叛󠄃そむくことを敎をしふるによりて今年ことし死しぬべしと 17 預言者よげんしやハナニヤはこの年としの七月󠄃ぐわつ死しねり

第29章

1 預言者よげんしやヱレミヤ、ヱルサレムより書ふみをかの擄とらへうつされて餘のこれるところの長老としよりおよび祭司さいしと預言者よげんしやならびにネブカデネザルがヱルサレムよりバビロンに移うつしたるすべての民たみに送󠄃おくれり 2 是これより先さきヱコニヤ王わうと王后きさきと寺人じじんおよびユダとヱルサレムの牧伯等きみたちおよび木匠たくみと鐵匠かぢはヱルサレムをされり 3 ヱレミヤその書ふみをシヤパンの子こエラサおよびヒルキヤの子こゲマリヤ即すなはちユダの王わうゼデキヤがバビロンにつかはしてバビロンの王わうネブカデネザルにいたらしむる者ものの手てによりて送󠄃おくれり其その書ふみにいはく〘1015㌻〙 4 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみすべて擄とらへうつされし者もの即すなはち我われヱルサレムよりバビロンに移うつさしめし者ものにかくいふ
 1326㌻ 
5 汝なんぢら屋いへを建󠄄たててこれに住󠄃すまひ圃はたけをつくりてその果みをくらへ 6 妻つまを娶めとりて子女むすこむすめをうみ又󠄂また汝なんぢらの子こに媳よめを娶めとり汝なんぢらの女むすめを嫁とつがしめ彼かれらに子女むすこむすめを生うましめよ此こは汝等なんぢらかしこに減へらずして增まさんがためなり 7 我わが汝なんぢらを擄とらへ移うつさしめしところの邑まちの安やすきを求もとめこれが爲ためにヱホバにいのれその邑まちの安やすきによりて汝なんぢらもまた安やすきをうればなり 8 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢらの中うちの預言者よげんしやと卜筮士うらなひしに惑まどはさるる勿なかれまた汝なんぢら自みづから作つくりしところの夢ゆめに聽きゝしたがふ勿なかれ 9 そは彼かれら我わが名なをもて謊󠄃いつはりを汝なんぢらに預言よげんすればなり我われ彼かれらを遣󠄃つかはさずヱホバいひたまふ 10 ヱホバかくいひたまふバビロンに於おいて七十年ねん滿みちなばわれ汝なんぢらを眷かへりみ我わが嘉言よきことばを汝なんぢらになして汝なんぢらをこの處ところに歸かへらしめん 11 ヱホバいひたまふ我わが汝なんぢらにむかひて懷いだくところの念おもひは我われこれを知しるすなはち災わざはひをあたへんとにあらず平󠄃安やすきを與あたへんとおもひ又󠄂また汝なんぢらに後のちと望󠄇のぞみをあたへんとおもふなり 12 汝なんぢらわれに龥よばはり往󠄃ゆきて我われにいのらん我われ汝なんぢらに聽きくべし 13 汝なんぢらもし一心いつしんをもて我われを索もとめなば我われに尋󠄃たづね遇󠄃あはん 14 ヱホバいひたまふ我われ汝なんぢらの遇󠄃あふところとならんわれ汝なんぢらの俘擄とらはれを解とき汝なんぢらを萬國ばんこくよりすべて我われ汝なんぢらを逐󠄃おひやりし處ところより集あつめ且かつ我わが汝なんぢらをして擄とらはれて離はなれしめしその處ところに汝なんぢらをひき歸かへらんとヱホバいひたまふ

15 ヱホバわれらの爲ためにバビロンに於おいて預言者よげんしやを立たてたまひしと汝なんぢらはいふ 16 ダビデの位くらゐに坐ざする王わうとこの邑まちに住󠄃すめるすべての民たみ汝なんぢらと偕ともにとらへ移うつされざりし兄弟きやうだいにつきてヱホバかくいひたまふ 17 萬軍ばんぐんのヱホバかくいふ視みよわれ劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうを彼かれらにおくり彼かれらを惡あしくして食󠄃くらはれざる惡あしき無花果いちじくのごとくになさん 18 われ劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうをもて彼かれらを逐󠄃おひまた彼かれらを地ちの萬國ばんこくにわたして虐󠄃しへたげにあはしめ我わが彼かれらを逐󠄃おひやる諸國くに〴〵に於おいて呪詛のろひとなり詫異おどろきとなり人ひとの嗤󠄄笑わらひとなり恥辱はづかしめとならしめん
 1327㌻ 
19 是これ彼かれら我わが言ことばを聽きかざればなりとヱホバいひたまふ我われこの言ことばを我わが僕しもべなる預言者よげんしやによりて遣󠄃おくり頻しきりにおくれども汝なんぢら聽きかざるなりとヱホバいひたまふ 20 わがヱルサレムよりバビロンにおくりし諸すべての俘擄人とらはれびとよ汝なんぢらヱホバの言ことばをきけ

21 我わが名なをもて謊󠄃いつはりを汝なんぢらに預言よげんするコラヤの子こアハブとマアセヤの子こゼデキヤにつきて萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ視みよわれ彼かれらをバビロンの王わうネブカデネザルの手てに付わたさん彼かれこれを汝なんぢらの目めの前󠄃まへに殺ころすべし〘1016㌻〙 22 バビロンにあるユダの俘擄人とらはれびとは皆みな彼かれらをもて詛のろひとなし願ねがはくはヱホバ汝なんぢをバビロンの王わうが火ひにて焚やきしゼデキヤとアハブのごとき者ものとなしたまはん事ことをといふ 23 こは彼かれらイスラエルの中うちに惡あくをなし鄰󠄄となりの妻つまを犯をかし且かつ我わが彼かれらに命めいぜざる謊󠄃いつはりの言ことばをわが名なをもて語かたりしによる我われこれを知しりまた證あかしすとヱホバいひたまふ

24 汝なんぢネヘラミ人びとシマヤにかく語かたりいふべし 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ汝なんぢおのれの名なをもて書ふみをヱルサレムにある諸すべての民たみと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤおよび諸すべての祭司さいしに送󠄃おくりていふ 26 ヱホバ汝なんぢを祭司さいしヱホヤダに代かへて祭司さいしとなし汝なんぢらをヱホバの室いへの監督つかさとなしたまふ此こはすべて狂妄くるひ且かつみづから預言者よげんしやなりといふ者ものを獄ひとやと桎梏あしがせにつながしめんためなり 27 然しかるに汝なんぢいま何故なにゆゑに汝なんぢらにむかひてみづから預言者よげんしやなりといふところのアナトテのヱレミヤを斥責いましめざるや 28 そは彼かれバビロンにをる我儕われらに書ふみを送󠄃おくり時とき尙なほ長ながければ汝なんぢら家いへを建󠄄たてて之これに住󠄃すまひ圃はたけをつくりてその實みをくらへといへり 29 祭司さいしゼパニヤこの書ふみを預言者よげんしやヱレミヤに讀よみきかせたり 30 時ときにヱホバの言ことばヱレミヤにのぞみていふ 31 諸すべての俘擄人とらはれびとに書ふみをおくりて云いふべしネヘラミ人びとシマヤの事ことにつきてヱホバかくいふ我われシマヤを遣󠄃つかはさざるに彼かれ汝なんぢらに預言よげんし汝なんぢらに謊󠄃いつはりを信しんぜしめしによりて 32 ヱホバかくいふ視みよ我われネヘラミ人びとシマヤと其その子孫しそんを罰ばつすべし彼かれヱホバに逆󠄃そむくことを敎をしへしによりて此民このたみのうちに彼かれに屬ぞくする者もの一人ひとりも住󠄃すまふことなからん且かつ我わが民たみに吾わがなさんとする善事よきことをみざるべしとヱホバいひたまふ
 1328㌻ 

第30章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言ことばいふ 2 イスラエルの神かみヱホバかく吿つげていふ我われ汝なんぢに言いひし言ことばをことごとく書ふみに錄しるせ 3 ヱホバいふわれ我民わがたみイスラエルとユダの俘囚人とらはれびとを返󠄄かへす日ひきたらんヱホバこれをいふ我われ彼かれらをその先祖せんぞにあたへし地ちにかへらしめん彼かれらは之これをたもたん

4 ヱホバのイスラエルとユダにつきていひたまひし言ことばは是これなり 5 ヱホバかくいふ我われら戰慄をののきの聲こゑをきく驚懼おそれあり平󠄃安やすきあらず 6 汝なんぢら子こを產うむ男をとこあるやを尋󠄃たづね觀みよ我われ男をとこが皆みな子こを產うむ婦󠄃をんなのごとく手てをその腰󠄃こしにおき且かつその面色かほいろ皆みな靑あをく變かはるをみるこは何故なにゆゑぞや 7 哀かなしいかなその日ひは大おほいにして之これに擬たぐふべき日ひなし此こはヤコブの患難なやみの時ときなり然されど彼かれはこれより救出すくひいだされん〘1017㌻〙 8 萬軍ばんぐんのヱホバいふ其その日ひ我われなんぢの項くびよりその軛くびきをくだきはなし汝なんぢの繩󠄂目なはめをとかん異邦󠄆人ことくにびとは復また彼かれを使󠄃役つかはざるべし 9 彼かれらは其その神かみヱホバと我わが彼かれらの爲ために立たてんところの其その王わうダビデにつかふべし 10 ヱホバいふ我わが僕しもべヤコブよ懼おそるる勿なかれイスラエルよ驚おどろく勿なかれ我われ汝なんぢを遠󠄄方とほくより救すくひかへし汝なんぢの子孫しそんを其そのとらへ移うつされし地ちより救すくひかへさんヤコブは歸かへりて平󠄃穩おだやかと寧靜やすきをえん彼かれを畏おそれしむる者ものなかるべし 11 ヱホバいふ我われ汝なんぢと偕ともにありて汝なんぢを救すくはん設令たとひわれ汝なんぢを散ちらせし國々くに〴〵を悉こと〴〵く滅ほろぼしつくすとも汝なんぢをば滅ほろぼしつくさじされど我わが道󠄃みちをもて汝なんぢを懲こらさん汝なんぢを全󠄃まつたく罰つみせずにはおかざるべし

12 ヱホバかくいふ汝なんぢの創きずは愈󠄃いえず汝なんぢの傷いたみは重おもし 13 汝なんぢの訟󠄃うつたへを理たゞす者ものなく汝なんぢの創きずを裹つゝむ膏藥かうやくあらず 14 汝なんぢの愛あいする者ものは皆みな汝なんぢを忘󠄃わすれて汝なんぢを求もとめず是これ汝なんぢの愆とがの多おほきと罪つみの數󠄄多あまたなるによりて我われ仇敵あだの擊うつがごとく汝なんぢを擊うち嚴きびしく汝なんぢを懲こらせばなり
 1329㌻ 
15 何なんぞ汝なんぢの創きずのために叫さけぶや汝なんぢの患うれへは愈󠄃いゆることなし汝なんぢの愆とがの多おほきと罪つみの數󠄄多あまたなるによりて我われこれを汝なんぢになすなり 16 然されどすべて汝なんぢを食󠄃くらふ者ものは食󠄃くらはれすべて汝なんぢを虐󠄃しへたぐる者ものは皆みなとらはれ汝なんぢを掠かすむる者ものは掠かすめられん凡すべて汝なんぢの物ものを奪うばふ者ものは我われこれをして奪うばはるる事ことにあはしむべし 17 ヱホバいふ我われ汝なんぢに膏藥かうやくを貼はり汝なんぢの傷きずを醫いやさんそは人ひと汝なんぢを棄すてられし者ものとよび尋󠄃たづねる者ものなきシオンといへばなり

18 ヱホバかくいふ視みよわれかの擄とらへ移うつされたるヤコブの天幕てんまくをかへし其その住󠄃居すまひをあはれまん斯この邑まちはその故もとの丘垤をかに建󠄄たてられん城󠄃しろには宜よろしき樣さまに人ひと住󠄃すまはん 19 感謝󠄃かんしやと歡樂者よろこぶものの聲こゑとその中うちよりいでん我われかれらを增まさん彼かれら少すくなからじ我われ彼かれらを崇たつとくせん彼かれら藐いやしめられじ 20 其その子こは疇昔いにしへのごとくあらん其その集會あつまりは我わが前󠄃まへに固かたく立たゝん凡およそかれを虐󠄃しへたぐる者ものは我われこれを罰ばつせん 21 其その首領かしらは本族おのれよりいで其その督者つかさはその中うちよりいでん我われ彼かれをちかづけ彼かれに近󠄃ちかづかん誰たれかその生命いのちを繋かけて我われに近󠄃ちかづくものあらんやとヱホバいふ 22 汝等なんぢらは我民わがたみとなり我われは汝なんぢらの神かみとならん

23 みよヱホバの暴風はやてあり怒いかりと旋轉風つむじかぜいでて惡人あくにんの首かうべをうたん 24 ヱホバの烈はげしき忿いかりはかれがその心こゝろの思おもひを行おこなひてこれを遂󠄅とぐるまでは息やまじ末すゑの日ひに汝なんぢら明あきらかにこれを曉さとらん

第31章

1 ヱホバいひたまふ其時そのときわれはイスラエルの諸すべての族やからの神かみとなり彼かれらは我民わがたみとならん 2 ヱホバかくいひたまふ劍つるぎをのがれて遺󠄃のこりし民たみは曠野あらのの中うちに恩めぐみを獲えたりわれ往󠄃ゆきて彼かれイスラエルに安息やすみをあたへん〘1018㌻〙 3 遠󠄄方とほくよりヱホバ我われに顯あらはれていひたまふ我われ窮󠄃かぎりなき愛あいをもて汝なんぢを愛あいせり故ゆゑにわれたえず汝なんぢをめぐむなり 4 イスラエルの童女をとめよわれ復ふたたび汝なんぢを建󠄄たてん汝なんぢは建󠄄たてらるべし汝なんぢふたゝび鼗つづみをもて身みを飾󠄃かざり歡樂者たのしきものの舞まひにいでん 5 汝なんぢまた葡萄ぶだうの樹きをサマリヤの山やまに植うゑん植うゝる者ものは植うゑてその果みを食󠄃くらふことをえん
 1330㌻ 
6 エフライムの山やまの上うへに守望󠄇者まもるものの立たちて呼よばはる日ひきたらんいはく汝なんぢら起󠄃たてよ我われらシオンにのぼりて我儕われらの神かみヱホバにまうでんと

7 ヱホバかくいひたまふ汝なんぢらヤコブの爲ために歡よろこびて呼よばはり萬國ばんこくの首かしらなる者もののために叫さけべ汝なんぢら示しめし且かつ歌うたひて言いへヱホバよ願ねがはくはイスラエルの遺󠄃のこれる者もの汝なんぢの民たみを救すくひたまへと 8 みよ我われ彼かれらを北きたの地ちよりひきかへり彼かれらを地ちの極はてより集あつめん彼かれらの中うちには瞽者めしひ 跛者あしなへ 孕はらめる婦󠄃をんな 子こを產うみみし婦󠄃をんなともに居をる彼かれらは大おほいなる群むれをなして此處こゝにかへらん 9 彼かれら悲泣かなしみ來きたらん我われかれらをして祈禱いのりをもて來きたらしめ直なほくして蹶つまづかざる途󠄃みちより水みづの流ながれに步あゆみいたらしめん我われはイスラエルの父󠄃ちゝにしてエフライムは我わが長子ちやうしなればなり

10 萬國ばんこくの民たみよ汝なんぢらヱホバの言ことばをきき之これを遠󠄄とほき諸島しま〴〵に示しめしていえへイスラエルを散ちらせしものこれを聚あつめ牧者ぼくしやのその群むれを守まもるが如ごとく之これを守まもらん 11 すなはちヱホバ、ヤコブを贖あがなひ彼等かれらよりも强つよき者ものの手てよりかれを救出すくひいだしたまへり 12 彼かれらは來きたりてシオンの頂いたゞきによばはりヱホバの賜たまひし福さいはひなる麥むぎと酒さけと油あぶらおよび若わかき羊ひつじと牛うしの爲ために寄集よりつどはんその靈魂たましひは灌うるほふ園そののごとくならん彼かれらは重かさねて愁うれふること無なかるべし 13 その時とき童女をとめは舞まひてたのしみ壯者わかきものと老者おいたるものもろともに樂たのしまん我われかれらの悲かなしみをかへて喜よろこびとなしかれらの愁うれへをさりてこれを慰なぐさめん 14 われ膏あぶらをもて祭司さいしの心こゝろを飫あかしめ我わが恩めぐみをもて我民わがたみに滿みたしめんとヱホバ言いひたまふ

15 ヱホバかくいひたまふ歎なげき悲かなしみいたく憂うれふる聲こゑラマに聞きこゆラケルその兒子こどものために歎なげきその兒子こどものあらずなりしによりて慰なぐさめをえず 16 ヱホバかくいひ給たまふ汝なんぢの聲こゑを禁とどめて哭なくこと勿なかれ汝なんぢの目めを禁とどめて淚なみだを流ながすこと勿なかれ汝なんぢの工わざに報むくいあるべし彼かれらは其その敵てきの地ちより歸かへらんとヱホバいひたまふ
 1331㌻ 
17 汝なんぢの後のちの日ひに望󠄇のぞみあり兒子こども等らその境さかひに歸かへらんとヱホバいひたまふ 18 われ固まことにエフライムのみづから歎なげくをきけり云いはく汝なんぢは我われを懲こらしめたまふ我われは軛くびきに馴なれざる犢こうしのごとくに懲治こらしめを受うけたりヱホバよ汝なんぢはわが神かみなれば我われを牽󠄁轉ひきかへしたまへ然さらば我われ轉かへるべし 19 われ轉かへりし後のちに悔くい敎をしへを承うけしのちに我わが髀もゝを擊うつ我われ幼時わかきときの羞はぢを身みにもてば恥はぢかつ辱はづかしめらるるなりと〘1019㌻〙 20 ヱホバいひたまふエフライムは我わが愛あいするところの子こ悅よろこぶところの子こならずや我われ彼かれにむかひてかたるごとに彼かれを念おもはざるを得えず是こゝをもて我わが膓はらわたかれの爲ために痛いたむ我われ必かならず彼かれを恤あはれむべし

21 汝なんぢのために指路號みちしるべを置おき汝なんぢのために柱󠄃はしらをたてよ汝なんぢのゆける道󠄃みちなる大路おほぢに心こゝろをとめよイスラエルの童女をとめよ歸かへれこの汝なんぢの邑々まち〳〵にかへれよ 22 違󠄇そむける女むすめよ汝なんぢいつまで流蕩さまよふやヱホバ新あたらしき事ことを地ちに創造󠄃つくらん女をんなは男をとこを抱󠄃いだくべし

23 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひ給たまふ我われかの俘囚とらはれし者ものを返󠄄かへさん時とき人々ひと〴〵復またユダの地ちとその邑々まち〳〵に於おいて此言このことばをいはん義ただしき居所󠄃すみかよ聖󠄃きよき山やまよ願ねがはくはヱホバ汝なんぢを祝めぐみたまへと 24 ユダとその諸すべての邑々まち〳〵に農夫のうふと群むれを牧かふもの偕ともに住󠄃すまはん 25 われ疲つかれたる靈魂たましひを飫あかしめすべての憂うれふる靈魂たましひをなぐさむるなり 26 茲こゝにわれ目めを醒さましみるに我わが眠ねむりは甘うまかりし

27 ヱホバいひたまふ視みよ我わが人ひとの種たねと畜けものの種たねとをイスラエルの家いへとユダの家いへとに播まく日ひいたらん 28 我われ彼かれらを拔ぬき毀こぼち覆󠄄たふし滅ほろぼし難なやまさんとうかがひし如ごとくまた彼かれらを建󠄄たて植うゑんとうかがふべしとヱホバいひ給たまふ 29 その時とき彼かれらは父󠄃ちゝが酸すき葡萄ぶだうを食󠄃くらひしによりて兒子こどもの齒は齪うくと再ふたゝびいはざるべし 30 人ひとはおのおの自己おのれの惡あくによりて死しなん凡おほよそ酸すき葡萄ぶだうをくらふ人ひとはその齒は齪うく
 1332㌻ 

31 ヱホバいひたまふみよ我われイスラエルの家いへとユダの家いへとに新あたらしき契󠄅約けいやくを立たつる日ひきたらん 32 この契󠄅約けいやくは我わが彼かれらの先祖せんぞの手てをとりてエジプトの地ちよりこれを導󠄃みちびきいだせし日ひに立たてしところの如ごときにあらず我われかれらを娶めとりたれども彼かれらはその我わが契󠄅約けいやくを破やぶれりとヱホバいひたまふ 33 然されどかの日ひの後のちに我わがイスラエルの家いへに立たてんところの契󠄅約けいやくは此これなり即すなはちわれ我わが律法おきてをかれらの衷うちにおきその心こゝろの上うへに錄しるさん我われは彼かれらの神かみとなり彼かれらは我民わがたみとなるべしとヱホバいひたまふ 34 人ひとおのおの其その隣となりとその兄弟きやうだいに敎をしへて汝なんぢヱホバを識しれと復またいはじそは小せうより大だいにいたるまで悉こと〴〵く我われをしるべければなりとヱホバいひたまふ我われ彼かれらの不義ふぎを赦ゆるしその罪つみをまた思おもはざるべし

35 ヱホバかく言いふすなはち是これ日ひをあたへて晝ひるの光ひかりとなし月󠄃つきと星ほしをさだめて夜よるの光ひかりとなし海うみを激げきしてその濤なみを鳴ならしむる者ものその名なは萬軍ばんぐんのヱホバと言いふなり 36 ヱホバいひたまふもし此等これらの規律さだめ我わが前󠄃まへに廢すたらばイスラエルの子孫しそんも我わが前󠄃まへに廢すたりて永遠󠄄いつまでも民たみたることを得えざるべし〘1020㌻〙 37 ヱホバかくいひたまふ若もし上うへの天てん量はかることを得え下したの地ちの基もとゐ探さぐることをえば我われまたイスラエルのすべての子孫しそんを其そのもろもろの行おこなひのために棄すつべしヱホバこれをいふ

38 ヱホバいひたまふ視みよ此この邑まちハナネルの塔たふより隅すみの門もんまでヱホバの爲ために建󠄄たつ日ひきたらん 39 量繩󠄂はかりなはふたゝび直たゞちにガレブの岡をかをこえゴアテの方かたに轉めぐるべし 40 屍しかばねと灰󠄃はひの谷たにまたケデロンの溪たににいたるまでと東ひがしの方かたの馬うまの門もんの隅すみにいたるまでの諸すべての田地たはた皆みなヱホバの聖󠄃きよき處ところとなり永遠󠄄えいゑんにおよぶまで再ふたゝび拔ぬかれまた覆󠄄たふさるる事ことなかるべし

第32章

1 ユダの王わうゼデキヤの十年ねん即すなはちネブカデネザルの十八年ねんの頃ころヱホバの言ことばヱレミヤにのぞめり 2 その時ときバビロンの軍勢ぐんぜいヱルサレムを攻環󠄃せめかこみ居ゐて預言者よげんしやヱレミヤはユダの王わうの室いへにある獄ひとやの庭󠄄にはの內うちに禁錮とぢこめられたり
 1333㌻ 
3 ユダの王わうゼデキヤ彼かれを禁錮とぢこめていひけるは汝なんぢ何故なにゆゑに預言よげんしてヱホバかく云いひたまふといふや云いはく視みよ我われこの邑まちをバビロン王わうの手てに付わたさん彼かれ之これを取とるべし 4 またユダの王わうゼデキヤはカルデヤ人びとの手てより脱のがれず必かならずバビロン王わうの手てに付わたされ口くちと口くちとあひ語かたり目めと目めあひ觀みるべし 5 彼かれゼデキヤをバビロンに携ひきゆかんゼデキヤはわが彼かれを顧󠄃かへりみる時ときまで彼處かしこに居をらんとヱホバいひたまふ汝なんぢらカルデヤ人びとと戰たゝかふとも勝󠄃かつことを得えじと

6 ヱレミヤいふヱホバの言ことばわれに臨のぞみていはく 7 みよ汝なんぢの叔父󠄃おぢシヤルムの子こハナメル汝なんぢにきたりていはん汝なんぢアナトテに在あるわが田地はたけを買かへそは之これを贖あがなふ事ことは汝なんぢの分󠄃ぶんなればなりと 8 かくてヱホバの言ことばのごとく我わが叔父󠄃おぢの子こハナメル獄ひとやの庭󠄄にはにて我われに來きたり云いひけるは願ねがはくは汝なんぢベニヤミンの地ちのアナトテに在あるわが田地はたけを買かへそは之これを嗣つぎこれを贖あがなふことは汝なんぢの分󠄃ぶんなれば汝なんぢみづからこれを買かひとれとここに於おいてわれ此これはヱホバの言ことばなりと知しりたれば 9 我わが叔父󠄃おぢの子こハナメルがアナトテにもてる田地はたけをかひて彼かれに銀ぎん十七シケルを稱󠄄はかりてあたふ 10 すなはち我われその契󠄅券󠄃てがたを書かきてこれに封印ふういんし證人あかしびとをたて權衡はかりをもて銀ぎんを稱󠄄はかりて與あたふ 11 而しかしてわれその約定やくじやうをのするところの封印ふういんせし買券󠄃かひてがたとその開ひらきたるものを取とり 12 わが叔父󠄃おぢの子こハナメルと買券󠄃かひてがたに印いんせし證人あかしびとの前󠄃まへおよび獄ひとやの庭󠄄にはに坐ざするユダ人びとの前󠄃まへにてその買券󠄃かひてがたをマアセヤの子こなるネリヤの子こバルクに與あたへ 13 彼かれらの前󠄃まへにてわれバルクに命めいじていひけるは 14 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかく云いひたまふ汝なんぢこれらの契󠄅券󠄃てがたすなはち此この買券󠄃かひてがたの封印ふういんせし者ものと開ひらきたるものを取とり之これを瓦器やきものの中うちに貯たくはへて多おほくの日ひの間あひだ保たもたしめよ〘1021㌻〙 15 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふそは此この地ちに於おいて人ひと復また屋いへと田地はたけと葡萄園ぶだうばたけを買かふにいたらんと

16 われ買契󠄅かひてがたをネリヤの子こバルクに付わたせしのちヱホバに祈いのりて云いひけるは 17 嗚呼あゝ主しゆヱホバよ汝なんぢはその大おほいなる能力ちからと伸のべたる腕うでをもて天てんと地ちを造󠄃つくりたまへり汝なんぢには爲なす能あたはざるところなし
 1334㌻ 
18 汝なんぢは恩寵めぐみを千萬人せんまんにんに施ほどこし又󠄂また父󠄃ちゝの罪つみをその後のちの子孫しそんの懷ふところに報むくいたまふ汝なんぢは大おほいなる全󠄃能ぜんのうの神かみにいまして其その名なは萬軍ばんぐんのヱホバとまうすなり 19 汝なんぢの謀略みはかりは大おほいなり汝なんぢは事ことをなすに能ちからあり汝なんぢの目めは人ひとのこどもらの諸もろ〳〵の途󠄃みちを鑒みそなはしおのおのの行おこなひに循したがひその行爲わざの果みによりて之これに報むくいいたまふ 20 汝なんぢ休徴しるしと奇跡ふしぎなるわざをエジプトの地ちに行おこなひたまひて今日こんにちにまでいたるまたイスラエルと他ほかの民たみの中うちにも然しかりかくして今日こんにちのごとくに汝なんぢの名なを揚あげたまへり 21 汝なんぢは休徴しるしと奇跡ふしぎなるわざと强つよき手てと伸のべたる腕うでと大おほいなる怖おそろしき事ことをもて汝なんぢの民たみイスラエルをエジプトの地ちより導󠄃みちびきいだし 22 この地ちを彼かれらにたまへり是これ即すなはち汝なんぢがかれらの先祖等せんぞたちに與あたへんと誓ちかひたまひし乳󠄃ちゝと蜜みつの流ながるる地ちなり 23 彼等かれらすなはち入いりてこれを獲えたりしかども汝なんぢの聲こゑに遵󠄅したがはず汝なんぢの例典おきてを行おこなはず凡すべて汝なんぢがなせと命めいじたまひし事ことを爲なさざりしによりて汝なんぢこの災わざはひを其その上うへにくだらしむ 24 みよ壘るい成󠄃なれり是これこの邑まちを取とらんとて來きたれるなり劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうのためにこの邑まちは之これを攻せめむるカルデヤ人びとの手てに付わたさる汝なんぢのいひたまひしことば旣󠄁すでに成󠄃なれり汝なんぢ之これを見みたまふなり 25 主しゆヱホバよ汝なんぢわれに銀ぎんをもて田地はたけを買かへ證人あかしびとを立たてよといひたまへり然しかるにこの邑まちはカルデヤ人びとの手てに付わたさる

26 時ときにヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞみていふ 27 みよ我われはヱホバなりすべて血氣いのちある者ものの神かみなり我われに爲なす能あたはざるところあらんや 28 故ゆゑにヱホバかくいふ視みよわれ此この邑まちをカルデヤ人びとの手てとバビロンの王わうネブカデネザルの手てに付わたさん彼かれこれを取とるべし 29 この邑まちを攻せむるところのカルデヤ人びときたり火ひをこの邑まちに放はなちて之これを焚やかん屋蓋やねのうへにて人ひとがバアルに香かうを焚たき他ほかの神かみに酒さけをそそぎて我われを怒いからせしその屋いへをも彼かれら亦また焚やかん 30 そはイスラエルの子孫ひと〴〵とユダの子孫ひと〴〵はその幼少時わかきときよりわが前󠄃まへに惡あしき事ことのみをなしまたイスラエルの民たみはその手ての作爲わざをもて我われをいからする事ことのみをなしたればなりヱホバ之これをいふ
 1335㌻ 
31 此この邑まちはその建󠄄たちし日ひより今日こんにちにいたるまで我わが震怒いかりを惹ひき我わが憤恨いきどほりをおこすところの者ものなれば我わが前󠄃まへよりわれ之これを除のぞかんとするなり〘1022㌻〙 32 こはイスラエルの民たみとユダの民たみ諸もろ〳〵の惡あくを行おこなひて我われを怒いからせしによりてなり彼かれらその王等わうたちその牧伯等きみたちその祭司さいしその預言者よげんしやおよびユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめる者もの皆みな然しかなせり 33 彼かれら背うしろを我われにむけて面かほを我われにむけずわれ彼かれらををしへ頻しきりに敎をしふれどもかれらは敎をしへをきかずしてうけざるなり 34 彼かれらは憎にくむべき物ものをわが名なをもて稱󠄄となへらるる室いへにたてて之これを汚けがし 35 又󠄂またベンヒンノムの谷たににあるバアルの崇邱たかきところを築きづきその子女むすこむすめをモロクに献さゝげたりわれは彼かれらにこの憎にくむべきことを行おこなひてユダに罪つみを犯をかさしむることを命めいぜず斯かゝる事ことは我わが心こゝろにおこらざりしなり

36 いまイスラエルの神かみヱホバこの邑まちすなはち汝なんぢらが劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうのためにバビロン王わうの手てに付わたされんといひしところの邑まちにつきて斯かくいひたまふ 37 みよわれ我わが震怒いかりと憤恨いきどほりと大おほいなる怒いかりをもて彼かれらを逐󠄃おひやりし諸もろ〳〵の國くにより彼かれらを集あつめ此この處ところに導󠄃みちびきかへりて安然やすらかに居をらしめん 38 彼かれらは我民わがたみとなり我われは彼かれらの神かみとならん 39 われ彼かれらに一ひとつの心こゝろと一ひとつの途󠄃みちをあたへて常つねに我われを畏おそれしめんこは彼かれらと其その子孫しそんとに福さいはひをえせしめん爲ためなり 40 われ彼かれらを棄すてずして恩めぐみを施ほどこすべしといふ永遠󠄄えいゑんの契󠄅約けいやくをかれらにたて我われを畏おそるるの畏おそれをかれらの心こゝろにおきて我われを離はなれざらしめん 41 われ悅よろこびて彼かれらに恩めぐみを施ほどこし心こゝろを盡つくし精神せいしんをつくして誠󠄃まことに彼かれらを此この地ちに植うゝべし 42 ヱホバかくいひたまふわれ此この諸もろ〳〵の大おほいなる災わざはひをこの民たみに降󠄄くだせしごとくわがかれらに言いひし諸もろ〳〵の福さいはひを彼等かれらに降󠄄くださん 43 人衆ひと〴〵この地ちに田野たはたを買かはん是これ汝等なんぢらが荒あれて人ひとも畜けものもなきにいたりカルデヤ人びとの手てに付わたされしといへる地ちなり
 1336㌻ 
44 人衆ひと〴〵ベニヤミンの地ちとヱルサレムの四周󠄃まはりとユダの邑々まち〳〵と山やまの邑々まち〳〵と平󠄃地ひらちの邑々まち〳〵と南みなみの方かたの邑々まち〳〵において銀ぎんをもて田野たはたをかひ契󠄅券󠄃てがたを書かきてこれに封印ふういんし又󠄂また證人あかしびとをたてんそは我われかの俘囚者とらはれしものを歸かへらしむればなりとヱホバいひたまふ

第33章

1 ヱレミヤ尙なほ獄ひとやの庭󠄄にはに禁錮とぢこめられてをる時ときヱホバの言ことばふたゝび彼かれに臨のぞみていふ 2 事ことをおこなふヱホバ事ことをなして之これを成󠄃就とぐるヱホバ其その名なをヱホバと名なのる者ものかく言いふ 3 汝なんぢ我われに龢求よびもとめよわれ汝なんぢに應こたへん又󠄂また汝なんぢが知しらざる大おほいなる事ことと秘密かくれたる事こととを汝なんぢに示しめさん 4 イスラエルの神かみヱホバ壘るいと劍つるぎによりて毀こぼたれたる此この邑まちの室いへとユダの王わうの室いへにつきてかくいひ給たまふ 5 彼かれらカルデヤ人びとと戰たゝかはんとて來きたる是これには我わが震怒いかりと憤恨いきどほりをもて殺ころすところの人々ひと〴〵の屍體しかばね充みつるにいたらん我われかれらの諸もろ〳〵の惡あくのためにわが面かほをこの邑まちに蔽おほひかくせり〘1023㌻〙 6 視みよわれ卷布まきぬのと良藥よきくすりをこれに持もちきたりて人々ひと〴〵を醫いやし平󠄃康やすきと眞󠄃實まことの豐厚ゆたかなるをこれに示しめさん 7 我われユダの俘囚人とらはれびととイスラエルの俘囚人とらはれびとを歸かへらしめ彼かれらを建󠄄たてて從前󠄃もとのごとくになすべし 8 われ彼かれらが我われにむかひて犯をかせし一切すべての罪つみを潔󠄄きよめ彼かれらが我われにむかひて犯をかし且かつ行おこなひし一切すべての罪つみを赦ゆるさん 9 此この邑まちは地ちのもろもろの民たみの中うちにおいて我わがために欣喜よろこびの名なとなり頌󠄃美ほまれとなり榮耀󠄃さかえとなるべし彼等かれらはわが此民このたみにほどこすところの諸もろ〳〵の恩惠めぐみを聞きかん而しかしてわがこの邑まちにほどこすところの諸もろ〳〵の恩惠めぐみと諸もろ〳〵の福祿さいはひのために發振ふるへ且かつ身みを動搖うごかさん

10 ヱホバかくいひ給たまへり汝なんぢらが荒あれて人ひともなく畜けものもなしといひしこの處ところ即すなはち荒あれて人ひともなく住󠄃すむ者ものもなく畜けものもなきユダの邑まちとヱルサレムの街ちまたに 11 再ふたゝび欣喜よろこびの聲こゑ 歡樂たのしみの聲こゑ 新娶者はなむこの聲こゑ 新婦󠄃はなよめの聲こゑおよび萬軍ばんぐんのヱホバをあがめよヱホバは善ぜんにしてその矜恤あはれみは窮󠄃かぎりなしといひて其その感謝󠄃かんしやの祭物そなへものをヱホバの室いへに携たづさふる者ものの聲こゑ聞きこゆべし蓋そはわれこの地ちの俘囚人とらはれびとを返󠄄かへらしめて初はじめのごとくになすべければなりヱホバ之これをいひたまふ
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12 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ荒あれて人ひともなく畜けものもなきこの處ところと其そのすべての邑々まち〳〵に再ふたゝび牧者かふもののその群むれを伏ふさしむる牧場まきばあるにいたらん 13 山やまの邑まちと平󠄃地ひらちの邑まちと南みなみの方かたの邑まちとベニヤミンの地ちとヱルサレムの四周󠄃まはりとユダの邑まちにおいて群むれふたゝびその之これを核󠄂かぞふる者ものの手ての下したを過󠄃とほらんとヱホバいひたまふ

14 ヱホバ言いひたまはく視みよ我われイスラエルの家いへとユダの家いへに語かたりし善言よきことばを成󠄃就なしとぐぐる日ひきたらん 15 その日ひその時ときにいたらばわれダビデの爲ために一ひとつの義ただしき枝えだを生しやうぜしめん彼かれは公󠄃道󠄃おほやけと公󠄃義ただしきを地ちに行おこなふべし 16 その日ひユダは救すくひをえヱルサレムは安やすらかに居をらんその名なはヱホバ我儕われらの義ぎと稱󠄄となへらるべし 17 ヱホバかくいひたまふイスラエルの家いへの位くらゐに坐ざする人ひとダビデに缺かくることなかるべし 18 また我わが前󠄃まへに燔祭はんさいをささげ素祭そさいを燃もやし恒つねに犧牲いけにへを献さゝぐる人ひとレビ人びとなる祭司さいしに絕たえざるべし

19 ヱホバのことばヱレミヤに臨のぞみていふ 20 ヱホバかくいふ汝なんぢらもし我わが晝ひるにつきての契󠄅約けいやくと我わが夜よるにつきての契󠄅約けいやくを破やぶりてその時々とき〴〵に晝ひるも夜よるもなからしむることをえば 21 僕しもべダビデに吾わが立たてし契󠄅約けいやくもまた破やぶれその子こはかれの位くらゐに坐ざして王わうとなることをえざらんまたわが我われに事つかふるレビ人びとなる祭司さいしに立たてし契󠄅約けいやくも破やぶれん〘1024㌻〙 22 天てんの星ほしは數󠄄かぞへられず濱はまの沙いさごは量はかられずわれその如ごとく我わが僕しもべダビデの裔すゑと我われに事つかふるレビ人びとを增まさん

23 ヱホバの言ことばまたヱレミヤに臨のぞみていふ 24 汝なんぢこの民たみの語かたりてヱホバはその選󠄄えらみし二ふたつの族やからを棄すてたりといふを聞きかざるか彼かれらはかく我民わがたみを藐かろんじてその眼めにこれを國くにと見みなさざるなり
 1338㌻ 
25 ヱホバかくいひ給たまふもしわれ晝ひると夜よるとについての契󠄅約けいやくを立たてずまた天地あめつちの律法おきてを定さだめずば 26 われヤコブと我わが僕しもべダビデとの裔すゑをすてて再ふたゝびかれの裔すゑの中うちよりアブラハム、イサク、ヤコブの裔すゑを治をさむる者ものを取とらざるべし我われその俘囚とらはれし者ものを返󠄄かへらしめこれを恤あはれれむべし

第34章

1 バビロンの王わうネブカデネザルその全󠄃軍ぜんぐんおよび己おのれの手ての下したに屬ぞくするところの地ちの列國くに〴〵の人ひとおよび諸もろ〳〵の民たみを率󠄃ひきゐてヱルサレムとその諸邑まち〳〵を攻せめて戰たゝかふ時ときヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞみていふ 2 イスラエルの神かみヱホバかくいふ汝なんぢゆきてユダの王わうゼデキヤに吿つげていふべしヱホバかくいひたまふ視みよわれ此この邑まちをバビロン王わうの手てに付わたさん彼かれ火ひをもてこれを焚やくべし 3 汝なんぢはその手てを脱のがれず必かならず擒とらへられてこれが手てに付わたされん汝なんぢの目めはバビロン王わうの目めをみ又󠄂またかれの口くちは汝なんぢの口くちと語ものいふべし汝なんぢはバビロンにゆくにいたらん 4 然されどユダの王わうゼデキヤよヱホバの言ことばをきけヱホバ汝なんぢの事ことにつきてかくいひたまふ汝なんぢは劍つるぎに死しなじ 5 汝なんぢは安やすらかに死しなん民たみは汝なんぢの先祖せんぞたる汝なんぢの先さきの王等わうたちの爲ために香かうを焚たきしごとく汝なんぢのためにも香かうを焚たき且かつ汝なんぢのために嘆なげきて嗚呼あゝ主しゆよといはん我われこの言ことばをいふとヱホバいひたまふ

6 預言者よげんしやエレミヤすなはち此言このことばをことごとくヱルサレムにてユダの王わうゼデキヤにつげたり 7 時ときにバビロン王わうの軍勢ぐんぜいはヱルサレムおよび存のこれるユダの諸すべての邑まちを攻せめラキシとアゼカを攻せめて戰たゝかひをる其そはユダの諸邑まち〳〵のうちに是等これらの城󠄃しろの邑まち尙なほ存のこりゐたればなり

8 ゼデキヤ王わうヱルサレムに居をる諸すべての民たみと契󠄅約けいやくを立たてて彼かれらに釋放ときはなちの事ことを宣示ふれしめせし後のちヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞめり 9 その契󠄅約けいやくはすなはち人ひとをしておのおの其その僕しもべ婢しもめなるヘブルの男女をとこをんなを釋はなたしめその兄弟きやうだいなるユダヤ人びとを奴隸どれいとなさざらしむる者ものなりき
 1339㌻ 
10 この契󠄅約けいやくをなせし牧伯等きみたちとすべての民たみは人ひとおのおのその僕婢しもべしもめを釋はなちて再ふたゝび之これを奴隸どれいとなすべからずといふをききて遂󠄅ついにそれに聽きゝしたがひてこれを釋はなちしが 11 後のちに心こゝろをひるがへしてその釋とちし僕婢しもべしもめをひきかへりて再ふたゝび之これを伏從したがはしめて僕婢しもべしもめとなせり〘1025㌻〙

12 是故このゆえにヱホバの言ことばヱホバよりヱレミヤにのぞみて云いふ 13 イスラエルの神かみヱホバかくいふ我われ汝なんぢらの先祖せんぞをエジプトの地ちその奴隸どれいたりし宅いへより導󠄃みちびきいだせし時とき彼かれらと契󠄅約けいやくを立たてていひけらく 14 汝なんぢらの兄弟きやうだいなるヘブル人びとの身みを汝なんぢらに賣うりたる者ものをば七年ねんの終󠄃をはりに汝なんぢらおのおのこれを釋はなつべし彼かれ六年ねん汝なんぢにつかへたらば之これを釋はなつべしと然しかるに汝なんぢらの先祖等せんぞたちは我われに聽きかず亦またその耳みゝを傾かたむけざりし 15 然されど汝なんぢらは今日こんにち心こゝろをあらためておのおの其その鄰󠄄人となりびとに釋放ときはなちの事ことを示しめしてわが目めに正たゞしとみゆる事ことを行おこなひ且かつ我わが名なをもて稱󠄄となへらるる室いへに於おいて我わが前󠄃まへに契󠄅約けいやくを立たてたり 16 然しかるに汝なんぢら再ふたゝび心こゝろをひるがへして我わが名なを汚けがし各自おの〳〵釋はなちて其心そのこころに任まかせしめたる僕婢しもべしもめをひき歸かへり再ふたゝび之これを伏從したがはしめて汝なんぢらの僕婢しもべしもめとなせり

17 この故ゆゑにヱホバかくいひたまふ汝なんぢら我われに聽きゝておのおの其その兄弟きやうだいとその鄰󠄄となりに釋放ときはなちの事ことを示しめさざりしによりて視みよわれ汝なんぢらの爲ために釋放ときはなちを示しめして汝なんぢらを劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうにわたさん我われ汝んぢらをして地ちの諸もろ〳〵の國くににて艱難なやみをうけしむべし 18 ヱホバこれを云いふ犢こうしを兩ふたつにさきて其その二個ふたつの間あひだを過󠄃とほり我わが前󠄃まへに契󠄅約けいやくをたてて却かへつて其その言ことばに從したがはずわが契󠄅約けいやくをやぶる人々ひと〴〵 19 即すなはち兩ふたつに分󠄃わかちし犢こうしの間あひだを過󠄃とほりしユダの牧伯等きみたちヱルサレムの牧伯等きみたちと寺人じじんと祭司さいしとこの地ちのすべての民たみを 20 われ其その敵てきの手てとその生命いのちを索もとむる者ものの手てに付わたさんその屍體しかばねは天空󠄃そらの鳥とりと野のの獸けものの食󠄃物くひものとなるべし 21 且かつわれユダの王わうゼデキヤとその牧伯等きみたちをその敵てきの手て其その生命いのちを索もとむる者ものの手て汝なんぢらを離はなれて去さりしバビロン王わうの軍勢ぐんぜいの手てに付わたさん
 1340㌻ 
22 ヱホバいひたまふ視みよ我われ彼かれらに命めいじて此この邑まちに歸かへらしめん彼かれらこの邑まちを攻せめて戰たゝかひ之これを取とり火ひをもて焚やくべしわれユダの諸邑まち〳〵を住󠄃すむ人ひとなき荒地あれちとなさん

第35章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの時ときヱレミヤにのぞみしヱホバの言ことばいふ 2 汝なんぢレカブ人びとの家いへに往󠄃ゆきて彼かれらとかたり彼かれらをヱホバの室いへの一房󠄃ひとまに携つれきたりて酒さけをのませよと 3 是こゝに於おいてわれハバジニヤの子こなるヱレミヤの子こヤザニヤとその兄弟きやうだいとその諸子むすこらおよびレカブ人びとの全󠄃家ぜんかを取とり 4 これをヱホバの室いへにあるハナンの諸子むすこらの房󠄃まにつれきたれりハナンはイグダリヤの子こにして神かみの人ひとなり其その房󠄃まは牧伯等きみたちの房󠄃まの次󠄄つぎにして門もんを守まもるシヤレムの子こマアセヤの房󠄃まのうへに在あり 5 我われすなはちレカブ人びとの家いへの諸子むすこらの前󠄃まへに酒さけを滿みたしたる壺つぼと杯さかづきを置おき彼かれらに吿つげて汝なんぢら酒さけを飮のめといひければ 6 彼かれらこたへけるは我儕われらは酒さけをのまず蓋そはレカブの子こなる我われらの先祖せんぞヨナダブ我われらに命めいじて汝等なんぢらと汝なんぢらの子孫しそんはいつまでも酒さけをのむべからず〘1026㌻〙 7 また汝なんぢら屋いへを建󠄄たてず種たねをまかず葡萄園ぶだうばたけを植うゑざれ亦またこれを有󠄃もつべからず汝なんぢらの生存いきながらふるあひだ幕屋まくやにをれ然さらば汝なんぢらが寄寓やどるところの地ちに於おいて汝なんぢらの生命いのち長ながからんと云いひたればなり 8 斯かく我われらはレカブの子こなるわれらの先祖せんぞヨナダブの凡すべて命めいぜし言ことばに遵󠄅したがひて我儕われらとわれらの妻つまと子女むすこむすめは生存いきながらふるあひだ酒さけを飮のまず 9 我われらは住󠄃すむべき屋いへを建󠄄たてず葡萄園ぶだうばたけも田野はたけも種たねも有󠄃もたずして 10 幕屋まくやにをりすべて我儕われらの先祖せんぞヨナダブが我われらに命めいぜしごとく行おこなへり 11 然されどバビロンの王わうネブカデネザルがこの地ちに上のぼり來きたりしとき我われら云いひけるは我われらカルデヤ人びとの軍勢ぐんぜいとスリア人びとの軍勢ぐんぜいを畏おそるれば去來いざヱルサレムにゆかんとすなはち我われらはヱルサレムに住󠄃すまへり

12 時ときにヱホバの言ことばヱレミヤにのぞみていふ 13 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ汝なんぢゆきてユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめる者ものとに吿つげよヱホバいひたまふ汝なんぢらは我わが言ことばを聽きゝて敎をしへを受うけざるか
 1341㌻ 
14 レカブの子こヨナダブがその子孫しそんに酒さけをのむべからずと命めいぜし言ことばは行おこなはる彼かれらは今日こんにちに至いたるまで酒さけをのまず其その先祖せんぞの命令めいれいに遵󠄅したがふなり然しかるに汝なんぢらは吾われ汝なんぢらに語かたり頻しきりりに語かたれども我われにきかざるなり 15 我われまた我わが僕もべなる預言者よげんしやたちを汝なんぢらに遣󠄃つかはし頻しきりにこれを遣󠄃つかはしていはせけるは汝なんぢらいまおのおの其その惡あしき道󠄃みちを離はなれて歸かへり汝なんぢらの行おこなひをあらためよ他ほかの神かみに從したがひて之これに奉つかふる勿なかれ然さらば汝なんぢらはわが汝なんぢらと汝なんぢらの先祖せんぞに與あたへたるこの地ちに住󠄃すむことをえんと然されど汝なんぢらは耳みゝを傾かたむけず我われにきかざりき 16 レカブの子こヨナダブの子孫しそんはその先祖せんぞが彼かれらに命めいぜしところの命令めいれいに遵󠄅したがふなり然されど此民このたみは我われに聽きかず 17 この故ゆゑに萬軍ばんぐんの神かみヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ視みよわれユダとヱルサレムに住󠄃すめる者ものとに我わが彼かれらにつきていひし所󠄃ところの災わざはひを降󠄄くださん我われかれらに語かたれども聽きかずかれらを召よべども應こたへざればなり

18 茲こゝにヱレミヤ、レカブ人びとの家いへにいひけるは萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢらはその先祖せんぞヨナダブの命めいに遵󠄅したがひその凡すべての誡いましめを守まもり彼かれが汝なんぢらに命めいぜしことを行おこなふ 19 是これによりて萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふレカブの子こヨナダブには我わが前󠄃まへに立たつ人ひといつまでも缺かくることあらじ

第36章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの四年ねんにこの言ことばヱホバよりヱレミヤに臨のぞみていふ〘1027㌻〙 2 汝なんぢ卷物まきものをとり我わが汝なんぢに語かたりし日ひ即すなはちヨシヤの日ひより今日こんにちに至いたるまでイスラエルとユダと萬國ばんこくとにつきてわが汝なんぢに語かたりしすべての言ことばを之これに錄しるせ 3 ユダの家いへわが降󠄄くださんと擬はかるところの災わざはひをききて各自おの〳〵その惡あしき途󠄃みちをはなれて轉かへることもあらん然さらばわれ其その愆とがとその罪つみを赦ゆるすべし

4 是こゝに於おいてヱレミヤ、ネリヤの子こバルクを召よべりバルクすなはちヱレミヤの口くちにしたがひヱホバの彼かれに吿つげたまひし言ことばをことごとく卷物まきものに錄しるせり
 1342㌻ 
5 ヱレミヤ、バルクに云いひけるはわれは禁錮とぢこめられたればヱホバの室いへに往󠄃ゆくことを得えず 6 故ゆゑに汝なんぢゆきて汝なんぢが我われの口くちにしたがひて卷物まきものに錄しるしたるヱホバの言ことばをよみ斷食󠄃だんじきの日ひにヱホバの室いへに於おいて民たみの耳みゝにこれを聽きかしめよまた之これを讀よみてユダの人々ひと〴〵のその邑々まち〳〵より來きたれる者ものの耳みゝに聽きかしむべし 7 彼かれらヱホバの前󠄃まへにその祈禱いのりを献たてまつり各自おの〳〵其その惡あしき途󠄃みちをはなれて轉かへることもあらんヱホバの此民このたみにつきてのべたまひし怒いかりと憤いきどほりは大おほいなり 8 斯かくてネリヤの子こバルクは凡すべて預言者よげんしやヱレミヤが己おのれに命めいぜしごとくヱホバの室いへにてその卷物まきものよりヱホバの言ことばを讀よめり

9 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの五年ねん九月󠄃ぐわつヱルサレムの諸すべての民たみおよびユダの諸邑まち〳〵よりヱルサレムに來きたれる諸すべての民たみにヱホバの前󠄃まへに斷食󠄃だんじきを行おこなふべきこと宣示ふれしめさる 10 バルク、ヱホバの室いへの上庭󠄄かみにはに於おいてヱホバの室いへの新あたらしき門もんの入口いりぐちの旁かたはらにあるシヤパンの子こなる書記しよきゲマリヤの房󠄃まにてその書ふみよりヱレミヤの言ことばを民たみに讀よみきかせたり

11 シヤパンの子こなるゲマリヤの子こミカヤその書ふみのヱホバの言ことばを盡こと〴〵くききて 12 王わうの宮いへにある書記しよきの房󠄃まにくだりいたるに諸すべての牧伯等きみたち即すなはち書記しよきエリシヤマ、シマヤの子こデラヤ、アカボルの子こエルナタン、シヤパンの子こゲマリヤ、ハナニヤの子こゼデキヤおよび諸すべての牧伯等きみたちそこに坐ざせり 13 ミカヤ、バルクが書ふみを讀よみて民たみの耳みゝに聽きかせしときに己おのが聽きゝしところのすべての言ことばを彼かれらに吿つげければ 14 牧伯等きみたちクシの子こシレミヤの子こなるネタニヤの子こエホデをバルクに遣󠄃つかははしていはせけるは汝なんぢが民たみに讀よみきかせしその卷物まきものを手てに取とりて來きたれとネリヤの子こバルクすなはち手てに卷物まきものを取とりて彼かれらの許もとにきたりたれば 15 彼かれらバルクにいひけるは請󠄃こふ坐ざして之これを我われらに讀よみきかせよとバルクすなはち彼かれらに讀よみ聞きかせたり 16 彼かれらその諸すべての言ことばをききて俱ともに懼おそれバルクにいひけるは我われら必かならずこの諸すべての言ことばを王わうに吿つげんと 17 またバルクに問とふていひけるは請󠄃こふ汝なんぢいかにこの諸すべての言ことばをかれの口くちにしたがひて錄しるせしや我われらに吿つげよ〘1028㌻〙
 1343㌻ 
18 バルク答こたへけるは彼かれその口くちをもてこの諸すべての言ことばを我われに述󠄃のべたればわれ墨すみをもて之これを書ふみに錄しるせり 19 牧伯きみ等たちバルクにいひけるは汝なんぢゆきてヱレミヤとともに身みを匿かくし在所󠄃をるところを人ひとに知しらしむべからずと

20 すなはち卷物まきものを書記しよきエリシヤマの房󠄃まに置おきて庭󠄄にはにいり王わうに詣いたりてこの諸すべての言ことばを王わうにつげければ 21 王わうその卷物まきものを持來もちきたらせんとてヱホデを遣󠄃つかはせりヱホデすなはち書記しよきエリシヤマの房󠄃まより卷物まきものを取來とりきたりて之これを王わうと王わうの側かたはらに立たてるすべての牧伯等きみたちに讀よみきかせたり 22 時ときは九月󠄃ぐわつにして王わう冬󠄃ふゆの室いへに坐ざせり其その前󠄃まへに火ひの燃もゆる爐ろあり 23 ヱホデ三み枚ひらか四よ枚ひらを讀よみけるとき王わう小刀こがたなをもてその卷物まきものを切割󠄅きりさき爐ろの火ひに投なげいれて之これを盡こと〴〵く爐ろの火ひに焚やけり 24 王わうとその臣僕等しもべらはこの諸もろ〳〵の言ことばをきけども懼おそれず亦またその衣ころもを裂さかざりき 25 エルナタン、デラヤ、ゲマリヤ等ら王わうにその卷物まきものを焚やきたまふ勿なかれと求もとめたれども聽きかざりき 26 王わうハンメレクの子こヱラメルとアヅリエルの子こセラヤとアブデルの子こセレミヤに書記しよきバルクと預言者よげんしやヱレミヤを執とらへよと命めいぜしがヱホバかれらを匿かくしたまへり

27 王わう卷物まきものおよびバルクがヱレミヤの口くちにしたがひて記しるせし言ことばを焚やきしのちヱホバの言ことばヱレミヤに臨のぞみていふ 28 汝なんぢまた他ほかの卷物まきものをとりユダの王わうヱホヤキムが焚やきしところの前󠄃さきの卷物まきものの中うちの言ことばをことごとく其それに錄しるせ 29 汝なんぢまたユダの王わうヱホヤキムに吿つげよヱホバかくいふ汝なんぢかの卷物まきものを焚やきていへり汝なんぢ何いかなれば此この卷物まきものに錄しるしてバビロンの王わう必かならず來きたりてこの地ちを滅ほろぼし此こゝに人ひとと畜けものを絕たやさんと云いひしやと 30 この故ゆゑにヱホバ、ユダの王わうヱホヤキムにつきてかくいひ給たまふ彼かれにはダビデの位くらゐに坐ざする者もの無なきにいたらん且かつかれの屍しかばねは棄すてられて晝ひるは熱氣あつきにあひ夜よるは寒󠄃氣さむきにあはん 31 我われまた彼かれとその子孫しそんとその臣僕等しもべらをその惡あくのために罰ばつせんまた彼かれらとヱルサレムの民たみとユダの人々ひと〴〵には我われわが彼かれらにつきて語かたりしかども彼かれらが聽きくことをせざりし所󠄃ところの禍わざはひを降󠄄くだすべし
 1344㌻ 
32 是こゝに於おいてヱレミヤ他ほかの卷物まきものを取とりてネリヤの子こ書記しよきバルクにあたふバルクすなはちユダの王わうヱホヤキムが火ひに焚やきたるところの書ふみの諸すべての言ことばをヱレミヤの口くちにしたがひて之これに錄しるし外ほかにまた斯かゝる言ことばを多おほく之これに加くはへたり

第37章

1 ヨシヤの子こゼデキヤ、ヱホヤキムの子こコニヤに代かわりて王わうとなるバビロンの王わうネブカデネザル彼かれをユダの地ちに王わうとなせしなり 2 彼かれもその臣僕等しもべらもその地ちの人々ひと〴〵もヱホバが預言者よげんしやヱレミヤによりて示しめしたまひし言ことばを聽きかざりき〘1029㌻〙

3 ゼデキヤ王わうシレミヤの子こユカルとマアセヤの子こ祭司さいしゼパニヤを預言者よげんしやヱレミヤに遣󠄃つかはして請󠄃こふ汝なんぢ我われらの爲ために我われらの神かみヱホバに祈いのれといはしむ 4 ヱレミヤは民たみの中うちに出入でいりせりそはいまだ獄ひとやに入いれられざればなり 5 パロの軍勢ぐんぜいのエジプトより來きたりしかばヱルサレムを攻せめ圍󠄃かこみたるカルデヤ人びとは其その音󠄃信おとづれをききてヱルサレムを退󠄃しりぞけり

6 時ときにヱホバの言ことば預言者よげんしやヱレミヤにのぞみていふ 7 イスラエルの神かみヱホバかくいふ汝なんぢらを遣󠄃つかはして我われに求もとめしユダの王わうにかくいへ汝なんぢらを救すくはんとて出いできたりしパロの軍勢ぐんぜいはおのれの地ちエジプトへ歸かへらん 8 カルデヤ人びと再ふたゝび來きたりてこの邑まちを攻せめて戰たゝかひこれを取とり火ひをもて焚やくべし 9 ヱホバかくいふ汝なんぢらカルデヤ人びとは必かならず我われらをはなれて去さらんといひて自みづから欺あざむく勿なかれ彼かれらは去さらざるべし 10 設令たとひ汝なんぢらおのれを攻せめて戰たゝかふところのカルデヤ人びとの軍勢ぐんぜいを悉こと〴〵く擊うちやぶりてその中うちに負󠄅傷人ておひびとのみを遺󠄃のこすとも彼かれらはおのおの其その幕屋まくやに起󠄃たちあがり火ひをもて此この邑まちを焚やかん

11 茲こゝにカルデヤ人びとの軍勢ぐんぜいパロの軍勢ぐんぜいを懼おそれてヱルサレムを退󠄃しりぞきければ 12 ヱレミヤ、ベニヤミンの地ちにて民たみの中なかにその分󠄃ぶんを分󠄃わかち取とらんとてヱルサレムを出いでてかの地ちに行ゆきしが 13 ベニヤミンの門もんにいりし時ときそこにハナニヤの子こシレミヤの子こなるイリヤと名なづくる門守かどもりをり預言者よげんしやヱレミヤを執とらへて汝なんぢはカルデヤ人びとに降󠄄くだるなりといふ
 1345㌻ 
14 ヱレミヤいひけるは詐いつはりなり我われはカルデヤ人びとに降󠄄くだるにあらずと然されどイリヤこれを聽きかずヱレミヤを執とらへて侯伯等きみたちの許もとに引ひきゆけり 15 侯伯等きみたちすなはち怒いかりてヱレミヤを撻うちこれを書記しよきヨナタンの室いへの獄ひとやにいれたり蓋そはこの室いへを獄ひとやとなしたればなり

16 ヱレミヤ獄ひとやにいり土牢あなに入いりてそこに多おほくの日ひを送󠄃おくりしのち 17 ゼデキヤ王わう人ひとを遣󠄃つかはして彼かれをひきいださしむ而しかして王わう室いへにて竊ひそかにかれにいひけるはヱホバより臨のぞめる言ことばあるやとヱレミヤ答こたへていひけるは有󠄃あり汝なんぢはバビロン王わうの手てに付わたされん 18 ヱレミヤまたゼデキヤ王わうにいひけるは我われ汝なんぢあるいは汝なんぢの臣僕しもべ或あるひはこの民たみに何いかなる罪つみを犯をかしたれば汝なんぢら我われを獄ひとやにいれしや 19 汝なんぢらに預言よげんしてバビロンの王わうは汝なんぢらにも此この地ちにも攻來せめきたらじといひし汝なんぢらの預言者よげんしやはいま何處いづこにあるや 20 されば王わうわが君きみよ願ねがはくはいま我われに聽きゝたまへ請󠄃こふわが願望󠄇ねがひを受納󠄃うけいれ給たまへ我われを書記しよきヨナタンの家いへに歸かへらしめたまふなかれ恐おそらくは我われ彼處かしこに死しなんと〘1030㌻〙 21 是こゝにおいてゼデキヤ王わう命めいじてヱレミヤを獄ひとやの庭󠄄にはにいれしめ且かつ邑まちのパンの悉こと〴〵く盡つくるまでパンを製つくる者ものの街ちまたより日々ひびに一片ひときれのパンを彼かれに與あたへしむ即すなはちヱレミヤは獄ひとやの庭󠄄にはにをる

第38章

1 マツタンの子こシパテヤ、パシユルの子こゲダリヤ、シレミヤの子こユカル、マルキヤの子こパシユル、ヱレミヤがすべての民たみに吿つげたるその言ことばを聞きけり 2 云いはくヱホバかくいひたまふこの邑まちに留とどままるものは劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうに死しぬべし然されどいでてカルデヤ人びとに降󠄄くだる者ものは生いきんすなはちその生命いのちをおのれの掠取物ぶんどりものとなして生いくべし 3 ヱホバかくいひたまふこの邑まちは必かならずバビロン王わうの軍勢ぐんぜいの手てに付わたされん彼かれ之これを取とるべしと 4 是これをもてかの牧伯等きみたち王わうにいひけるは請󠄃こふこの人ひとを殺ころしたまへ彼かれはかくの如ごとき言ことばをのべて此この邑まちに遺󠄃のこれる兵卒つはものの手てと民たみの手てを弱󠄃よわくす夫人かのひとは民たみの安やすきを求もとめずして其その害󠄅わざはひを求もとむるなりと
 1346㌻ 
5 ゼデキヤ王わういひけるは視みよ彼かれは汝なんぢらの手てにあり王わうは汝なんぢらに逆󠄃さからふこと能あたはざるなりと 6 彼かれらすなはちヱレミヤを取とりて獄ひとやの庭󠄄にはにあるハンメレクの子こマルキヤの阱あなに投なげいる即すなはち索なはをもてヱレミヤを縋つり下おろせしがその阱あなは水みづなくして汚泥どろのみなりければヱレミヤは汚泥どろのなかに沈しづめり

7 王わうの室いへの寺人じじんエテオピア人びとエベデメレク彼かれらがヱレミヤを阱あなになげいれしを聞きけり時ときに王わうベニヤミンの門もんに坐ざしゐたれば 8 エベデメレク王わうの室いへよりいでゆきて王わうにいひけるは 9 王わうわが君きみよかの人々ひと〴〵が預言者よげんしやヱレミヤに行おこなひし事ことは皆みな好よからず彼かれらこれを阱あなになげ入いれたり邑まちの中うちに食󠄃物くひものなければ彼かれはその居をるところに餓󠄃死うゑじにせん 10 王わうエテオピヤ人びとエベデメレクに命めいじていひけるは汝なんぢここより三十人にんを携たづさへゆきて預言者よげんしやヱレミヤをその死しなざる先さきにを阱あなより曳ひきあげよ 11 エベデメレクすなはちその人々ひと〴〵を携たづさへて王わうの室いへの庫くらの下したにいり其處そこより破やぶれたる舊ふるき衣ころもの布片きれをとり索なはをもてこれをを阱あなにをるヱレミヤの所󠄃ところに縋つり下おろせり 12 而しかしてエテオピア人びとエベデメレク、ヱレミヤに吿つげて汝なんぢこの破やぶれたる舊ふるき衣ころもの布片きれを汝なんぢの腋わきの下したにはさみて索なはに當あてよと云いひければヱレミヤ然しかなせり 13 彼かれらすなはち索なはをもてヱレミヤを阱あなより曳ひきあげたりヱレミヤは獄ひとやの庭󠄄にはにをる

14 かくてゼデキヤ王わう人ひとを遣󠄃つかははして預言者よげんしやヱレミヤをヱホバの室いへの第だい三の門もんにつれきたらしめ王わうヱレミヤにいひけるは我われ汝なんぢに問とふことあり毫すこしもわれに隱かくす勿なかれ〘1031㌻〙 15 ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは我われもし汝なんぢに示しめさば汝なんぢかならず我われを殺ころさざらんや假令たとひわれ汝なんぢを勸󠄂すゝむるとも汝なんぢわれに聽きかじ 16 ゼデキヤ王わう密ひそかにヱレミヤに誓ちかひていひけるは我われらにこの靈魂たましひを造󠄃つくりあたへしヱホバは活いく我われ汝なんぢを殺ころさず汝なんぢの生命いのちを索もとむる者ものの手てに汝なんぢを付わたさじ

17 ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは萬軍ばんぐんの神かみイスラエルの神かみヱホバかくいひたまふ汝なんぢもしまことにバビロン王わうの牧伯等つかさたちに降󠄄くだらば汝なんぢの生命いのち活いきんまた此この邑まちは火ひにて焚やかれず汝なんぢと汝なんぢの家いへの者ものはいくべし 18 然されど汝なんぢもし出いでてバビロンの王わうの牧伯等つかさたちに降󠄄くだらずば此この邑まちはカルデヤ人びとの手てに付わたされん彼かれらは火ひをもて之これを焚やかん汝なんぢはその手てを脱のがれざるべし
 1347㌻ 
19 ゼデキヤ王わうヱレミヤに云いひけるは我われカルデヤ人びとに降󠄄くだりしところのユダ人びとを恐おそる恐おそらくはカルデヤ人びと我われをかれらの手てに付わたさん彼かれら我われを辱はづかしめん 20 ヱレミヤいひけるは彼かれらは汝なんぢを付わたさじ願ねがはくはわが汝なんぢに吿つげしヱホバの聲こゑに聽きゝしたがひたまへさらば汝なんぢ祥さいはひをえん汝なんぢの生命いのちいきん 21 然されど汝なんぢもし降󠄄くだることを否いなまばヱホバこの言ことばを我われに示しめし給たまふ 22 すなはちユダの王わうの室いへに遺󠄃のこれる婦󠄃をんなは皆みなバビロンの王わうの牧伯等つかさたちの所󠄃ところに曳ひきいだされん其その婦󠄃等をんなたちいはん汝なんぢの朋友等ともだちは汝なんぢを誘いざなひて汝なんぢに勝󠄃かてり汝なんぢの足あしは泥どろに沈しづむ彼かれらは退󠄃しりぞき去さる 23 汝なんぢの妻つまたちと汝なんぢの子女等こどもらはカルデヤ人びとの所󠄃ところに曳出ひきいだされん汝なんぢは其その手てを脱のがれじバビロンの王わうの手てに執とらへられん汝なんぢ此この邑まちをして火ひに焚やけしめん

24 ゼデキヤ、ヱレミヤにいひけるは汝なんぢこの事ことを人ひとに知しらする勿なかれさらば汝なんぢ殺ころされじ 25 もし牧伯等きみたちわが汝なんぢと語かたりしことを我儕われらに吿つげよ我われらに隱かくす勿なかれ然さらば我われら汝なんぢを殺ころさじ又󠄂また王わうの汝なんぢに語かたりしことを吿つげよといはば 26 汝なんぢ彼かれらに答こたへて我われ王わうに求もとめて我われをヨナタンの家いへに歸かへして彼處かしこに死しなしむること勿なかれといへりといふべし 27 かくて牧伯等きみたちヱレミヤにきたりて問とひけるに彼かれ王わうの命めいぜし言ことばのごとく彼かれらに吿つげたればその事こと露あらはれざりき是こゝをもて彼かれら彼かれとものいふことを罷やめたり 28 ヱレミヤはヱルサレムの取とらるる日ひまで獄ひとやの庭󠄄にはに居をりしがヱルサレムの取とられし時ときにも彼處かしこにをれり

第39章

1 ユダの王わうゼデキヤの九年ねん十月󠄃ぐわつバビロンの王わうネブカデネザルその全󠄃軍ぜんぐんをひきゐヱルサレムにきたりて之これを攻圍󠄃せめかこみけるが 2 ゼデキヤの十一年ねん四月󠄃ぐわつ九日ここのかにいたりて城󠄃邑まち破やぶれたれば 3 バビロンの王わうの牧伯等つかさたち即すなはちネルガルシヤレゼル、サムガルネボ 寺人じじんの長かしらサルセキム 博󠄄士はかせの長かしらネルガルシヤレゼルおよびバビロンの王わうのその外ほかの牧伯等つかさたち皆みなともに入いりて中なかの門もんに坐ざせり〘1032㌻〙
 1348㌻ 

4 ユダの王わうゼデキヤおよび兵卒へいそつども之これを見みて逃󠄄にげ夜よるの中うちに王わうの園そのの途󠄃みちより兩ふたつの石垣いしがきの間あひだの門もんより邑まちをいでてアラバの途󠄃みちにゆきしが 5 カルデヤ人びとの軍勢ぐんぜいこれを追󠄃おひヱリコの平󠄃地ひらちにてゼデキヤにおひつき之これを執とらへてハマテの地ちリブラにをるバビロンの王わうネブカデネザルの許もとに曳ひきゆきければ王わうかしこにて彼かれの罪つみをさだめたり 6 すなはちバビロンの王わうリブラにてゼデキヤの諸子こたちをかれの目めの前󠄃まへに殺ころせりバビロンの王わうまたユダのすべての牧伯等きみたちを殺ころせり 7 王わうまたゼデキヤの目めを抉つぶさしめ彼かれをバビロンに曳ひきゆかんとて銅索くさりに縛󠄃つなげり 8 またカルデヤ人びと火ひをもて王わうの室いへと民たみの家いへをやき且かつヱルサレムの石垣いしがきを毀こぼてり 9 かくて侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンは邑まちの中うちに餘のこれる民たみとおのれに降󠄄くだりし者ものおよびその外ほかの遺󠄃のこれる民たみをバビロンに移うつせり 10 されど侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンはその時とき民たみの貧󠄃まづしくして所󠄃有󠄃もちものなき者等ものどもをユダの地ちに遺󠄃のこし葡萄園ぶだうばたけと田地はたけとをこれにあたへたり

11 爰こゝにバビロンの王わうネブカデネザル、ヱレミヤの事ことにつきて侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンに命めいじていひけるは 12 彼かれを取とりて善よく待あしらへよ害󠄅がいをくはふる勿なかれ彼かれが汝なんぢに云いふごとくなすべしと 13 是こゝをもて侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダン寺人じじんの長かしらネブシヤスバン博󠄄士はかせの長かしらネルガルシヤレゼルおよびバビロンの王わうの牧伯等つかさたち 14 人ひとを遣󠄃つかはしてヱレミヤを獄ひとやの庭󠄄にはよりたづさへ來きたらしめシヤパンの子こアヒカムの子こなるゲダリヤに付わたして之これを家いへにつれゆかしむ斯かく彼かれ民たみの中うちに居をる

15 ヱレミヤ獄ひとやの庭󠄄にはに禁錮とぢこめられをる時ときヱホバの言ことば彼かれにのぞみていふ 16 汝なんぢゆきてエテオピア人びとエベデメレクに吿つげよ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふわれ我わが語いひしところの禍わざはひを此この邑まちに降󠄄くださん福さいはひはこれに降󠄄くださじその日ひこの事こと汝なんぢの目前󠄃めのまへにならん 17 ヱホバいひたまふその日ひにはわれ汝なんぢを救すくはん汝なんぢはその畏おそるるところの人衆ひと〴〵の手てに付わたされじ
 1349㌻ 
18 われ必かならず汝なんぢを救すくはん汝なんぢは劍つるぎをもて殺ころされじ汝なんぢの生命いのちは汝なんぢの掠取物ぶんどりものとならん汝なんぢわれに倚賴よりたのめばなりとヱホバいひたまふ

第40章

1 侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンかのバビロンにとらへ移うつさるるヱルサレムとユダの人々ひと〴〵の中うちにヱレミヤを鏈くさりにつなぎおきてこれを執とらへゆきけるが遂󠄅つひにこれを放はなちてラマを去さらしめたりその後のちヱホバの言ことばヱレミヤにのぞめり 2 茲このところに侍衛󠄅じゑいの長かしらヱレミヤを召めしてこれにいひけるは汝なんぢの神かみヱホバ此處このところにこの災わざはひあらんことを言いへり〘1033㌻〙 3 ヱホバこれを降󠄄くだしその云いひし如ごとく行おこなへり汝なんぢらヱホバに罪つみを犯をかしその聲こゑに聽きゝしたがはざりしによりてこの事こと汝なんぢらに來きたりしなり 4 視みよ我われ今日けふ汝なんぢの手ての鏈くさりを解ときて汝なんぢを放はなつ汝なんぢもし我われとともにバビロンにゆくことを善よしとせば來きたれわれ汝なんぢを善よくあしらはん汝なんぢもし我われと偕ともにバビロンにゆくを惡あしとせば留とゞまれ視みよこの地ちは皆みな汝なんぢの前󠄃まへに在あり汝なんぢの善よしとする所󠄃ところ汝なんぢの心こゝろに合かなふところに往󠄃ゆくべし 5 ヱレミヤいまだ答こたへざるに彼かれまたいひけるは汝なんぢバビロンの王わうがユダの諸邑まち〳〵の上うへにたてて有󠄃司つかさとなせしシヤパンの子こアヒカムの子こなるゲダリヤの許もとに歸かへり彼かれとともに民たみの中うちに居をれ或あるひは汝なんぢの善よしとおもふところにゆくべしと侍衛󠄅じゑいの長かしら彼かれに食󠄃糧くひものと禮物おくりものをとらせて去さらしめたり 6 ヱレミヤすなはちミヅパに往󠄃ゆきてアヒカムの子こゲダリヤに詣いたりその地ちに遺󠄃のこれる民たみのうちに彼かれと偕ともにをる

7 茲こゝに田舍ゐなかにある軍勢ぐんぜいの長かしら等たちおよび彼かれらに屬ぞくする人々ひと〴〵バビロンの王わうがアヒカムの子こゲダリヤを立たててこの地ちの有󠄃司つかさとなし男女をとこをんな嬰孩こどもおよび國くにの中うちのバビロンに移うつされざる貧󠄃者まづしきものを彼かれにあづけたることをききしかば 8 即すなはちネタニヤの子こイシマエルとカレヤの子こヨハナンとヨナタンおよびタンホメテの子こセラヤとネトパ人びとなるエパイの諸子こたちと或あるマアカ人びとの子こヤザニヤおよび彼かれらに屬ぞくする人々ひと〴〵ミヅパにゆきてゲダリヤの許もとにいたる 9 シヤパンの子こアヒカムの子こなるゲダリヤ彼かれらと彼かれらに屬ぞくする人々ひと〴〵に誓ちかひていひけるは汝なんぢらカルデヤ人びとに事つかふることを怖おそるる勿なかれこの地ちに住󠄃すみてバビロンの王わうに事つかへなば汝なんぢら幸幅さいはひならん
 1350㌻ 
10 我われはミヅパに居をり我われらに來きたらんところのカルデヤ人びとに事つかへん汝なんぢらは葡萄酒ぶだうしゆと菓物くだものと油あぶらとをあつめて之これを器うつはに蓄たくはへ汝なんぢらが獲うるところの諸邑まち〳〵に住󠄃すめと 11 又󠄂またモアブとアンモン人びとの中うちおよびエドムと諸もろ〳〵の邦󠄆くににをるところのユダヤ人びとはバビロンの王わうがユダに人ひとを遺󠄃のこしたるシヤパンの子こアヒカムの子こなるゲダリヤを立たててこれが有󠄃司つかさとなしたることを聞きけり 12 是こゝにおいてそのユダヤ人びと皆みなその追󠄃おひやられし諸もろ〳〵の處ところよりかへりてユダの地ちのミヅパに來きたりゲダリヤに詣いたれり而しかして多おほくの葡萄酒ぶだうしゆと菓物くだものをあつむ

13 又󠄂またカレヤの子こヨハナンおよび田舍ゐなかにをりし軍勢ぐんぜいの長かしらたちミヅパにきたりてゲダリヤの許もとにいたり 14 彼かれにいひけるは汝なんぢアンモン人びとの王わうバアリスが汝なんぢを殺ころさんとてネタニヤの子こイシマエルを遣󠄃つかはせしを知しるやと然されどアヒカムの子こゲダリヤこれを信しんぜざりしかば〘1034㌻〙 15 カレヤの子こヨハナン、ミヅパにて密ひそかにゲダリヤに語かたりて言いひけるは請󠄃こふわれゆきて人ひと知しれずにネタニヤの子こイシマエルを殺ころさんいかで彼かれ汝なんぢを殺ころし汝なんぢに集あつまれるユダ人びとを散ちらしユダの遺󠄃のこれる者ものを滅ほろぼすべけんやと 16 然しかるにアヒカムの子こゲダリヤ、カレヤの子こヨハナンにいひけるは汝なんぢこの事ことをなすべからず汝なんぢイシマエルにつきて僞いつはりをいふなり

第41章

1 七月󠄃ぐわつごろ王わうの血統ちすぢなるエリシヤマの子こネタニヤの子こイシマエル王わうの十人にんの牧伯等つかさたちとともにミヅパにゆきてアヒカムの子こゲダリヤにいたりミヅパにて偕ともに食󠄃しよくをなせしが 2 ネタニヤの子こイシマエルおよび偕ともにをりし十人にんの者もの起󠄃上たちあがりバビロンの王わうがこの地ちの有󠄃司つかさとなせしシヤパンの子こアヒカムの子こなるゲダリヤを刀かたなにて殺ころせり 3 イシマエルまたミヅパにゲダリヤと偕ともにをりし諸すべてのユダヤ人びとと彼處そこにをりしカルデヤ人びとの兵卒へいそつを殺ころしたり
 1351㌻ 

4 彼かれがゲダリヤを殺ころしてより二日ふつかの後のちいまだ誰たれも之これを知しらざりし時とき 5 ある人ひと八十人にんその鬚ひげを薙そり衣ころもを裂さき身みに傷きずつけ手てに素祭そさいの物ものと香かうを携たづさへてシケム、シロ、サマリヤよりきたりてヱホバの室いへにいたらんとせしかば 6 ネタニヤの子こイシマエル、ミヅパよりいでて哭なきつつ行ゆきて彼かれらを迎󠄃むかへ彼等かれらに逢あひてアヒカムの子こゲダリヤの許もとに來きたれといへり 7 而しかして彼かれら邑まちの中うちに入いれしときネタニヤの子こイシマエル己おのれと偕ともにある人々ひと〴〵とともに彼かれらを殺ころしてその屍しかばねを阱あなに投なげいれたり 8 但たゞしその中うちの十人にんイシマエルにむかひ我われらは田地はたけに小麥こむぎ 麰麥おほむぎ油あぶらおよび蜜みつを藏かくし有󠄃もてり我われらをころすなかれと言いひたれば彼かれらをその兄弟きやうだいと偕ともに殺ころさずして已やみぬ 9 イシマエルがゲダリヤの名なをもて殺ころせし人ひとの屍しかばねを投入なげいれし阱あなはアサ王わうがイスラエルの王わうバアシヤを怖おそれて鑿ほりし阱あななりネタニヤの子こイシマエルその殺ころせし人々ひと〴〵を之これに充みたせり 10 イシマエルはミヅパに遺󠄃のこりをる諸すべての民たみ即すなはち王わうの諸女むすめたちと侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンがアヒカムの子こゲダリヤに交󠄄付あづけしところのミヅパに遺󠄃のこれる諸もろ〳〵の民たみとを擄とりこにせりネタニヤの子こイシマエルすなはち彼かれらを擄とりこにしアンモン人びとに往󠄃ゆかんとて去されり

11 カレヤの子こヨハナンおよび彼かれと偕ともに在ある軍勢ぐんぜいの長かしらたちネタニヤの子こイシマエルの爲なせし諸もろ〳〵の惡事あしきことを聞きゝければ 12 その衆卒つはものを率󠄃ひきゐてネタニヤの子こイシマエルと戰たゝかはんとて出いでギベオンの池いけの旁ほとりにて彼かれに遇󠄃あふ 13 イシマエルと偕ともに在ある人々ひと〴〵はカレヤの子こヨハナンおよび彼かれとともに在ある軍勢ぐんぜいの長かしらたちを見みて欣よろこべり 14 是こゝをもてイシマエルがミヅパより擄とらへきたりし所󠄃ところの人々ひと〴〵身みをめぐらしてカレヤの子こヨハナンの許もとにゆけり〘1035㌻〙 15 ネタニヤの子こイシマエルは八人にんの者ものと偕ともにヨハナンを避󠄃さけ逃󠄄にげてアンモン人びとに往󠄃ゆけり 16 カレヤの子こヨハナンおよび彼かれとともにある軍勢ぐんぜいの長等かしらたちはネタニヤの子こイシマエルがアヒカムの子こゲダリヤを殺ころしてミヅパより擄とらへゆけるところの彼かの遺󠄃のこれる民たみすなはち兵卒へいそつ婦󠄃人をんな兒女こども寺人じじん等らを其その手てより取とりかへして之これをギベオンより携つれかへりしが
 1352㌻ 
17 進󠄃すすみてエジプトにいたらんとてベツレヘムの近󠄃傍ちかくにあるキムハムの住󠄃處すまひに往󠄃ゆきて留とゞまれり 18 こはネタニヤの子こイシマエルがバビロンの王わうの此地このくにの有󠄃司つかさとなしたるアヒカムの子こゲダリヤを殺ころせしによりカルデヤ人びとを懼おそれたればなり

第42章

1 茲こゝに軍勢ぐんぜいの長かしらたちおよびカレヤの子こヨハナンとホシャヤの子こヱザニヤ並ならびに民たみの至微者いとちひさきものより至大者いとおほいなるものにいたるまで 2 皆みな預言者よげんしやヱレミヤの許もとに來きたりて言いひけるは汝なんぢの前󠄃まへに我われらの求もとめの受納󠄃うけいれられんことを願ねがふ請󠄃こふ我われら遺󠄃のこれる者ものの爲ために汝なんぢの神かみヱホバに祈いのれ(今いま汝なんぢの目めに見みるがごとく我われらは衆多おほくの中うちの遺󠄃のこれる者ものにして寡すくなきなり) 3 さらば汝なんぢの神かみヱホバ我われらの行あゆむべき途󠄃みちとなすべき事ことを示しめしたまはん 4 預言者よげんしやヱレミヤ彼かれらに云いひけるは我われ汝なんぢらに聽きけり汝なんぢらの言ことばに循したがひて汝なんぢらの神かみヱホバに祈いのらん凡およそヱホバが汝なんぢらに應こたへたまふことはわれ隱かくす所󠄃ところなく汝なんぢらに吿つぐべし 5 彼かれらヱレミヤにいひけるは願ねがはくはヱホバ我儕われらの間あひだにありて眞󠄃實まことなる信しんずべき證者あかしとなりたまへ我われらは汝なんぢの神かみヱホバの汝なんぢを遣󠄃つかはして我われらに吿つげしめたまふ諸すべての事ことに遵󠄅したがひて行おこなふべし 6 我われらは善よきにまれ惡あしきにまれ我われらが汝なんぢを遣󠄃つかはすところの我われらの神かみヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはん斯かく我われらの神かみヱホバの聲こゑに遵󠄅したがひてわれら福さいはひをうけん

7 十日とをかの後のちヱホバの言ことばヱレミヤにのぞみしかば 8 ヱレミヤ、カレヤの子こヨハナンおよび彼かれと偕ともに在ある軍勢ぐんぜいの長かしらたち並ならびに民たみの至微者いとちひさきものより至大者いとおほいなるものまでを悉こと〴〵く招まねきて 9 これにいひけるは汝なんぢらが我われを遣󠄃つかはして汝なんぢらの祈いのりを献さゝげしめしところのイスラエルの神かみヱホバかくいひ給たまふ 10 汝なんぢらもし信まことに此この地ちに留とゞまらばわれ汝なんぢらを建󠄄たてて倒たふさず汝なんぢらを植うゑて拔ぬかじそは我われ汝なんぢらに災わざはひを降󠄄くだせしを悔くゆればなり 11 ヱホバいひたまふ汝なんぢらが畏おそるるところのバビロンの王わうを畏おそるる勿なかれ彼かれをおそるる勿なかれわれ汝なんぢらとともにありて汝なんぢらを救すくひ彼かれの手てより汝なんぢらを拯すくふべし 12 われ汝なんぢらを恤あはれみまた彼かれをして汝なんぢらを恤あはれませ汝なんぢらを故土ふるさとに歸かへらしめん〘1036㌻〙
 1353㌻ 
13 然されど汝なんぢらもし我われらはこの地ちに留とゞまらじ汝なんぢらの神かみヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはじと言いひ 14 また然しかりわれらはかの戰爭いくさを見みず箛らつぱの聲こゑをきかず食󠄃物くひものに乏とぼしからざるエジプトの地ちにいたりて彼處かしこに住󠄃すまはんといはば 15 汝なんぢらユダの遺󠄃のこれる者ものよヱホバの言ことばをきけ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢらもし强しひてエジプトにゆきて彼處かしこに住󠄃すまはば 16 汝なんぢらが懼おそるるところの劍つるぎエジプトの地ちにて汝なんぢらに臨のぞみ汝なんぢらが恐おそるるところの饑󠄃饉ききんエジプトにて汝なんぢらにおよばん而しかして汝なんぢらは彼處かしこに死しぬべし 17 凡おほよそエジプトにおもむき至いたりて彼處かしこに住󠄃すまはんとする人々ひと〴〵は劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうに死しぬべしその中うちには我わが彼かれらに降󠄄くださんところの災わざはひを脱のがれて遺󠄃のこる者もの無なかるべし

18 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ我わが震怒いかりと憤恨いきどほりのヱルサレムに住󠄃すめる者ものに注そゝぎし如ごとくわが憤恨いきどほり汝なんぢらがエジプトにいらん時ときに汝なんぢらに注そゝがん汝なんぢらは呪詛のろひとなり詫異おどろきとなり罵詈ののしりとなり凌辱はづかしめとならん汝なんぢらは再ふたゝびこの處ところを見みざるべしと 19 ユダの遺󠄃のこれる者ものよヱホバ汝なんぢらにつきていひたまへり汝なんぢらエジプトにゆく勿なかれと汝なんぢら今日けふわが汝なんぢらを警いましめしことを確たしかに知しれ 20 汝なんぢら我われを汝なんぢらの神かみヱホバに遣󠄃つかはして言いへり我われらの爲ために我われらの神かみヱホバに祈いのり我われらの神かみヱホバの汝なんぢに示しめしたまふ事ことをことごとく我われらに吿つげよ我われら之これを行おこなはんと斯かくなんぢら自みづから欺あざむけり 21 われ今日けふ汝なんぢらに吿つげたれど汝なんぢらは汝なんぢらの神かみヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはず汝なんぢらはヱホバが我われを遣󠄃つかはして命めいぜしめたまひし事ことには都すべて遵󠄅したがはざりき 22 然されば汝なんぢらはその往󠄃ゆきて住󠄃すまんとねがふ處ところにて劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうに死しぬることを今いま確たしかに知しるべし

第43章

1 ヱレミヤ諸すべての民たみにむかひて其その神かみヱホバの言ことばを盡こと〴〵く宣のべその神かみヱホバが己おのれを遣󠄃つかはして言いはしめたまへる其その諸もろ〳〵の言ことばを宣のべをはりし時とき 2 ホシャヤの子こアザリヤ、カレヤの子こヨハナンおよび驕たかぶる人ひと皆みなヱレミヤに語かたりていひけるは汝なんぢは謊󠄃いつはりをいふ我われらの神かみヱホバはエジプトにゆきて彼處かしこに住󠄃すむ勿なかれと汝なんぢをつかはして云いはせたまはざるなり
 1354㌻ 
3 ネリヤの子こバルク汝なんぢを唆そそのかして我われらに逆󠄃さからはしむ是これ我われらをカルデヤ人びとの手てに付わたして殺ころさしめバビロンに移うつさしめん爲ためなり 4 斯かくカレヤの子こヨハナンと軍勢ぐんぜいの長等をさたちおよび民たみ皆みなヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはずしてユダの地ちに住󠄃すむことをせざりき 5 斯かくてカレヤの子こヨハナンと軍勢ぐんぜいの長等かしらたちはユダに遺󠄃のこれる者もの即すなはちその逐󠄃おひやられし國々くに〴〵よりユダの地ちに住󠄃すまんとて皈かへりし者もの 6 男をとこ女をんな嬰孩こども王わうの女むすめたちおよび凡すべて侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンがシヤパンの子こなるアヒカムの子こゲダリヤに付わたし置おきし者もの並ならびに預言者よげんしやヱレミヤとネリヤの子こバルクを取とりて〘1037㌻〙 7 エジプトの地ちに至いたれり彼かれら斯かくヱホバの聲こゑに遵󠄅したがはざりき而しかして遂󠄅ついにタパネスに至いたれり

8 ヱホバの言ことばタパネスにてヱレミヤに臨のぞみていふ 9 汝なんぢ大おほいなる石いしを手てに取とりユダの人々ひと〴〵の目めの前󠄃まへにてこれをタパネスに在あるパロの室いへの入口いりくちの旁ほとりなる磚窰かまどの泥土つちの中うちに藏かくして 10 彼かれらにいへ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよわれ使󠄃者つかひを遣󠄃つかははしてわが僕しもべなるバビロンの王わうネブカデネザルを召まねきその位くらゐをこの藏かくしたる石いしの上うへに置すゑしめん彼かれ錦繡にしきをその上うへに敷󠄃しくべし 11 かれ來きたりてエジプトの地ちを擊うち死しに定さだまれる者ものを死しなしめ虜とりこに定さだまれる者ものを虜とりこにし劍つるぎに定さだまれる者ものを劍つるぎにかけん 12 われエジプトの諸神かみ〴〵の室いへに火ひを燃もやさんネブカデネザル之これを焚やきかれらを虜とりこにせん而しかして羊ひつじを牧かふ者もののその身みに衣ころもを纒󠄂まとふがごとくエジプトの地ちをその身みに纒󠄂まとはん彼かれ安然やすらかに其處そこをさるべし 13 彼かれはエジプトの地ちのベテシメシの偶像󠄃ぐうざうを毀こぼち火ひをもてエジプト人びとの諸神かみ〴〵の室いへを焚やくべし

第44章

1 エジプトの地ちに住󠄃すめるところのユダの人衆ひと〴〵すなはちミグドル、タパネス、ノフ、パテロスの地ちに住󠄃すめる者ものの事ことにつきてヱレミヤに臨のぞみし言ことばに曰いはく 2 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ汝なんぢらは我わがヱルサレムとユダの諸邑まち〳〵に降󠄄くだせしところの災わざはひをみたり視みよこれらは今日けふすでに空󠄃曠あれちとなりて住󠄃すむ人ひとなし
 1355㌻ 
3 こは彼かれら惡あくをなして我われを怒いからせしによる即すなはちかれらは己おのれも汝なんぢらも汝なんぢらの先祖等せんぞたちも識しらざるところの他ほかの神かみにゆきて香かうを焚たき且かつこれに奉つかへたり 4 われ我わが僕しもべなる預言者よげんしやたちを汝なんぢらに遣󠄃つかはし頻しきりにこれを遣󠄃つかはして請󠄃こふ汝なんぢらわが嫌󠄃きらふところの此この憎にくむべき事ことを行おこなふ勿なかれといはせけるに 5 彼かれら聽きかず耳みゝを傾かたむけず他ほかの神かみに香かうを焚たきてその惡あくを離はなれざりし 6 是これによりて我わが震怒いかりとわが憤恨いきどほりユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムの街ちまたにそそぎて之これを焚やきたれば其等それらは今日こんにちのごとく荒あれかつ傾圮ほろびたり 7 萬軍ばんぐんの神かみイスラエルの神かみヱホバいまかくいふ汝なんぢら何いかなれば大おほいなる惡あくをなして己おのれの靈魂たましひを害󠄅がいしユダの中うちより汝なんぢらの男をとこと女をんなと孩童こどもと乳󠄃哺子ちのみごを絕たちて一人ひとりも遺󠄃のこらざらしめんとするや 8 何いかなれば汝なんぢら其その手ての行爲わざをもて我われを怒いからせ汝なんぢらが往󠄃ゆきて住󠄃すまふところのエジプトの地ちに於おいて他ほかの神かみに香かうを焚たきて己おのれの身みを滅ほろぼし地ちの萬國ばんこくの中うちに呪詛のろひとなり凌辱はづかしめとならんとするや〘1038㌻〙 9 ユダの地ちとヱルサレムの街ちまたにて行おこなひし汝なんぢらの先祖等せんぞたちの惡あくユダの王等わうたちの惡あく其その妻つま等らの惡あくおよび汝なんぢらの身みの惡あく汝なんぢらの妻つま等らの惡あくを汝なんぢら忘󠄃わすれしや 10 彼かれらは今日こんにちにいたるまで悔くいずまた畏おそれず汝なんぢらと汝なんぢらの先祖等せんぞたちの前󠄃まへに立たてたる我わが律法おきてとわが典例さだめに循したがひて行あゆまざるなり

11 是故このゆえに萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいふ視みよわれ面かほを汝なんぢらにむけて災わざはひを降󠄄くだしユダの人衆ひと〴〵を悉こと〴〵く絕たゝん 12 又󠄂またわれエジプトの地ちにすまんとてその面かほをこれにむけて往󠄃ゆきしところの彼かのユダの遺󠄃のこれる者ものを取とらん彼かれらは皆みな滅ほろぼされてエジプトの地ちに仆たふれん彼かれらは劍つるぎと饑󠄃饉ききんに滅ほろぼされ微者ちひさきものも大者おほいなるものも劍つるぎと饑󠄃饉ききんによりて死しぬべし而しかして呪詛のろひとなり詫異おどろきとなり罵詈ののしりとなり凌辱はづかしめとならん 13 われヱルサレムを罰ばつせし如ごとく劍つるぎと饑󠄃饉ききんと疫病えきびやうをもてエジプトに住󠄃すめる者ものを罰ばつすべし 14 是こゝをもてエジプトの地ちに往󠄃ゆきて彼處かしこに住󠄃すめるところのユダの遺󠄃のこれる者ものの中うちに一人ひとりも逃󠄄のがれまたは遺󠄃のこりてその心こゝろにしたひて歸かへり住󠄃すまはんとねがふところのユダの地ちに歸かへるもの無なかるべし逃󠄄のがるる者ものの外ほかには歸かへる者もの無なかるべし
 1356㌻ 

15 是こゝに於おいてその妻つまが香かうを他ほかの神かみに焚たきしことを知しれる人々ひと〴〵および其處そこに立たてる婦󠄃人等をんなたちの大おほいなる群衆ぐんしう並ならびにエジプトの地ちのパテロスに住󠄃すめるところの民たみヱレミヤに答こたへて云いひけるは 16 汝なんぢがヱホバの名なをもてわれらに述󠄃のべし言ことばは我われら聽きかじ 17 我われらは必かならず我われらの口くちより出いづる言ことばを行おこなひ我われらが素もとなせし如ごとく香かうを天后てんかうに焚たきまた酒さけをその前󠄃まへに灌そゝぐべし即すなはちユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムの街ちまたにて我われらと我われらの先祖等せんぞたちおよび我われらの王等わうたちと我われらの牧伯等きみたちの行おこなひし如ごとくせん當時かのときわれらは糧かてに飽󠄄あき福さいはひをえて災わざはひに遇󠄃あはざりし 18 我われら天后てんかうに香かうを焚たくことを止やめ酒さけをその前󠄃まへに灌そゝがずなりし時ときより諸すべての物ものに乏とぼしくなり劍つるぎと饑󠄃饉ききんに滅ほろぼされたり 19 我われらが天后てんかうに香かうを焚たき酒さけをその前󠄃まへに灌そゝぐに方あたりて之これに象かたどりてパンを製つくり酒さけを灌そゝぎしは我われらの夫等をつとたちの許ゆるせし事ことにあらずや

20 ヱレミヤ即すなはち男女をとこをんなの諸すべての人衆ひと〴〵および此言このことばをもて答こたへたる諸すべての民たみにいひけるは 21 ユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムの街ちまたにて汝なんぢらと汝なんぢらの先祖等せんぞたちおよび汝等なんぢらの王等わうたちと汝なんぢらの牧伯等きみたちおよび其その地ちの民たみの香かうを焚たきしことはヱホバ之これを憶おぼえまた心こゝろに思おもひたまふにあらずや 22 ヱホバは汝なんぢらの惡あしき爲わざのため汝なんぢらの憎にくむべき行おこなひの爲ために再ふたゝび忍󠄄しのぶことをえせざりきこの故ゆゑに汝なんぢらの地ちは今日こんにちのごとく荒地あれちとなり詫異おどろきとなり呪詛のろひとなり住󠄃すむ人ひとなき地ちとなれり〘1039㌻〙 23 汝なんぢら香かうを焚たきヱホバに罪つみを犯をかしヱホバの聲こゑに聽きゝしたがはずその律法おきてと憲法のりと證詞あかしに循したがひて行あゆまざりしに由よりて今日こんにちのごとく此この災わざはひ汝なんぢらにおよべり

24 ヱレミヤまたすべての民たみと婦󠄃等をんなたちにいひけるはエジプトの地ちに居をるユダの子孫ひと〴〵よヱホバの言ことばをきけ 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ汝なんぢらと汝なんぢらの妻等つまらは口くちをもていひ手てをもて成󠄃なし我われら香かうを天后てんかうに焚たき酒さけを灌そゝぎて立たてしところの誓ちかひを必かならず成󠄃就なしとげんといふ汝なんぢら必かならず誓ちかひをたてかならず其その誓ちかひを成󠄃就なしとげんとす
 1357㌻ 
26 この故ゆゑにエジプトの地ちに住󠄃すめるユダの人々ひと〴〵よヱホバの言ことばをきけヱホバいひたまふわれ我わが大おほいなる名なを指さして誓ちかふエジプトの全󠄃地ぜんちにユダの人々ひと〴〵一人ひとりもその口くちに主しゆヱホバは活いくといひて再ふたゝび我わが名なを稱󠄄となふることなきにいたらん 27 視みよわれ彼かれらをうかがはん是これ福さいはひをあたふる爲ためにあらず禍わざはひをくださん爲ためなりエジプトの地ちに居をるユダの人々ひと〴〵は劍つるぎと饑󠄃饉ききんに滅ほろびて絕たゆるにいたらん 28 然されど劍つるぎを逃󠄄のがるる僅少わづかの者ものはエジプトの地ちを出いでてユダの地ちに歸かへらん又󠄂またエジプトの地ちにゆきて彼處かしこに寄寓やどれるユダの遺󠄃のこれる者ものはその立たつところの言ことばは我われのなるか彼かれらのなるかを知しるにいたるべし 29 ヱホバいひ給たまふわがこの處ところにて汝なんぢらを罰ばつする兆󠄃しるしは是これなり我われかくして我わが汝なんぢらに禍わざはひをくださんといひし言ことばの必かならず立たつことを知しらしめん 30 すなはちヱホバかくいひたまふ視みよわれユダの王わうゼデキヤを其その生命いのちを索もとむる敵てきなるバビロンの王わうネブカデネザルの手てに付わたせしが如ごとくエジプトの王わうパロホフラを其その敵てきの手てその生命いのちを索もとむる者ものの手てに付わたさん

第45章

1 ユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの四年ねんネリヤの子こバルクが此等これらの言ことばをヱレミヤの口くちにしたがひて書ふみに錄しるせしとき預言者よげんしやヱレミヤこれに語かたりていひけるは 2 バルクよイスラエルの神かみヱホバ汝なんぢにかくいひ給たまふ 3 汝なんぢ曾かつていへり嗚呼あゝ我われは禍わざはひなるかなヱホバ我わが憂うれへに悲かなしみを加くはへたまへり我われは歎なげきて疲つかれ安やすきをえずと 4 汝なんぢかく彼かれに語かたれヱホバかくいひたまふ視みよわれ我わが建󠄄たてしところの者ものを毀こぼち我わが植うゑしところの者ものを拔ぬかん是これこの全󠄃地ぜんちなり 5 汝なんぢ己おのれの爲ために大おほいなる事ことを求もとむるかこれを求もとむる勿なかれ視みよわれ災わざはひをすべての民たみに降󠄄くださん然されど汝なんぢの生命いのちは我われ汝なんぢのゆかん諸すべての處ところにて汝なんぢの掠物ぶんどりものとならしめんとヱホバいひたまふ

第46章

1 茲こゝにヱホバの言ことば預言者よげんしやヱレミヤに臨のぞみて諸國くに〴〵の事ことを論いふ
 1358㌻ 

2 先まづエジプトの事ことすなはちユフラテ河がはの邊󠄎ほとりなるカルケミシの近󠄃傍ちかくにをるところのエジプト王わうパロネコの軍勢ぐんぜいの事ことを論いふ是これはユダの王わうヨシヤの子こヱホヤキムの四年ねんにバビロンの王わうネブカデネザルが擊うちやぶりし者ものなり其その言ことばにいはく〘1040㌻〙

3 汝なんぢら大楯おほたて小干こたてを備そなへて進󠄃すゝみ戰たゝかへ 4 馬むまを車くるまに繋つなぎ馬むまに乘のり盔かぶとを被かぶりて立たて戈ほこを磨󠄃みがき甲よろひを着きよ 5 われ見みるに彼かれらは懼おそれて退󠄃しりぞきその勇󠄃士ゆうしは打敗うちやぶられ狼狽あわて遁󠄅にげて後うしろをかへりみず是これ何故なにゆゑぞや畏懼おそれかれらのまはりにありとヱホバいひたまふ 6 快足あしばやなる者ものも逃󠄄にげえず强者つよきものも遁󠄅のがれえず皆みな北きたの方かたにてユフラテ河がはの旁かたはらに蹶つまづき仆たふれん 7 かのナイルのごとくに湧󠄂わきあがり河かはのごとくに其その水みづさかまく者ものは誰たれぞや 8 エジプトはナイルの如ごとくに湧󠄂わきあがりその水みづは河かはの如ごとくに逆󠄃さかまくなり而しかしていふ我われ上のぼりて地ちを蔽おほひ邑まちとその中うちに住󠄃すめる者ものとを滅ほろぼさん 9 汝等なんぢら馬むまに乘のり車くるまを驅馳かりはしらせよ勇󠄃士ゆうしよ盾たてを執とるエテオピア人びとプテ人びとおよび弓ゆみを張はり挽ひくルデ人びとよ進󠄃すゝみいづべし 10 此こは主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバの復仇あだがへしの日ひ即すなはちその敵てきに仇あだを復かへし給たまふ日ひなり劍つるぎは食󠄃くらひて飽󠄄あきその血ちに醉よはん主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバ北きたの地ちにてユフラテ河がはの旁ほとりに宰ほふることをなし給たまへばなり 11 處女をとめよエジプトの女むすめよギレアデに上のぼりて乳󠄃香にうかうを取とれ汝なんぢ多おほくの藥くすりを用もちふるも益えきなし汝なんぢは愈󠄃いえざるべし 12 汝なんぢの恥辱はぢは國々くに〴〵にきこえん汝なんぢの號泣さけびは地ちに滿みてり勇󠄃士ゆうしは勇󠄃士ゆうしにうち觸ふれてともに仆たふる

13 バビロンの王わうネブカデネザルが來きたりてエジプトの地ちを擊うたんとする事ことにつきてヱホバの預言者よげんしやヱレミヤに吿つげたまひし言ことば

14 汝なんぢらエジプトに宣のべミグドルに示しめし又󠄂またノフ、タパネスに示しめしいふべし汝なんぢら堅かたく立たちて自みづから備そなへよ 劍つるぎなんぢの四周󠄃まはりを食󠄃くらひたればなり 15 汝なんぢの力ちからある者ものいかにして拂はらひ除のぞかれしやその立たゝざるはヱホバこれを仆たふしたまふに由よるなり
 1359㌻ 
16 彼かれ多おほくの者ものを蹶つまづかせたまふ人ひと其その友ともの上うへに仆たふれかさなり而しかしていふ起󠄃たてよ我われら滅ほろぼすところの劍つるぎを避󠄃さけてわが國くににかへり故土ふるさとにいたらんと 17 人ひと彼處かしこに叫さけびてエジプトの王わうパロは滅ほろぼされたり彼かれは機會をりを失うしなへりといふ 18 萬軍ばんぐんのヱホバと名なのりたまふところの王わういひたまふ我われは活いく彼かれは山々やま〳〵の中うちのタボルのごとく海うみの旁ほとりのカルメルのごとくに來きたらん 19 エジプトに住󠄃すめる女をんなよ汝なんぢ移轉ひきうつりの器皿うつはを備そなへよそはノフは荒蕪あれちとなり燒やかれて住󠄃すむ人ひとなきにいたるべければなり 20 エジプトは至美いとうるはしき牝めの犢こうしのごとし蜚虻󠄂うしばへきたり北きたの方かたより來きたる 21 また其その中うちの傭人やとはれびとは肥こえたる犢こうしのごとし彼かれら轉向ふりかへりてともに逃󠄄にげ立たつことをせず是これその滅ほろぼさるる日ひいたり其その罰ばつせらるる時とき來きたりたればなり〘1041㌻〙 22 彼かれは蛇へびの如ごとく聲こゑをいだす彼かれら軍勢ぐんぜいを率󠄃ひきゐて來きたり樵夫きこりの如ごとく斧をのをもて之これにのぞめり 23 ヱホバいひ給たまふ彼かれらは探さぐりえざるに由よりて彼かれの林はやしを砍きり仆たふせり彼等かれらは蝗蟲いなごよりも多おほくして數󠄄かずへがたし 24 エジプトの女むすめは辱はづかしめられ北きたの民たみの手てに付わたされん 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみいひ給たまふ視みよわれノフのアモンとパロとエジプトとその諸神かみ〴〵とその王等わうたちすなはちパロとかれを賴たのむものとを罰ばつせん 26 われ彼かれらを其その生命いのちを索もとむる者ものの手てとバビロンの王わうネブカデネザルの手てとその臣僕しもべの手てに付わたすべしその後のちこの地ちは昔むかしのごとく人ひとの住󠄃すむところとならんとヱホバいひたまふ

27 我わが僕しもべヤコブよ怖おそるる勿なかれイスラエルよ驚おどろく勿なかれ視みよわれ汝なんぢを遠󠄄方とほくより救すくひきたり汝なんぢの子孫しそんをその擄移とらへうつされたる地ちより救すくひとるべしヤコブは歸かへりて平󠄃安へいあんと寧靜やすきをえん彼かれを畏おそれしむる者ものなかるべし 28 ヱホバいひたまふ我わが僕しもべヤコブよ汝なんぢ怖おそるる勿なかれ我われ汝なんぢと偕ともにあればなり我われ汝んぢを逐󠄃おひやりし國々くに〴〵を悉こと〴〵く滅ほろぼすべけれど汝なんぢをば悉こと〴〵くは滅ほろぼさじわれ道󠄃みちをもて汝なんぢを懲こらし汝なんぢを全󠄃まつたくは罪つみなき者ものとせざるべし
 1360㌻ 

第47章

1 パロがガザを擊うたざりし先さきにペリシテ人びとの事ことにつきて預言者よげんしやヱレミヤに臨のぞみしヱホバの言ことば 2 ヱホバかくいひたまふ視みよ水みづ北きたより起󠄃おこり溢󠄃あふれながれて此この地ちと其その中うちの諸もろ〳〵の物ものとその邑まちと其その中うちに住󠄃すめる者ものとに溢󠄃あふれかかるべしその時とき人衆ひと〴〵は叫さけびこの地ちに住󠄃すめる者ものは皆みな哭なげくべし 3 その逞󠄄たくましき馬むまの蹄ひづめの蹴けたつる音󠄃おとのため其その車くるまの響ひびきのため其その輪わの轟とどろきのために父󠄃ちゝは手て弱󠄃よわりて己おのれの子女こどもを顧󠄃かへりみざるなり 4 是これペリシテ人びとを滅ほろぼしつくしツロとシドンにのこりて助力たすけをなす者ものを悉こと〴〵く絕たやす日ひ來きたればなりヱホバ、カフトルの地ちに遺󠄃のこれるペリシテ人びとを滅ほろぼしたまふべし 5 ガザには髮かみを剃そるの事ことはじまるアシケロンと其その剩餘のこりの平󠄃地ひらちは滅ほろぼさる汝なんぢいつまで身みに傷きずつくるや 6 ヱホバの劍つるぎよ汝なんぢいつまで息やすまざるや汝なんぢの鞘さやに歸かへりて息やすみ靜しづまれ 7 ヱホバこれに命めいじたるなればいかで息やすむことをえんやアシケロンと海邊󠄎うみべを攻せむることを定さだめたまへり

第48章

1 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみモアブの事ことにつきてかくいひたまふ嗚呼あゝネボは禍わざはひなるかな是これ滅ほろぼされたりキリヤタイムは辱はづかしめられて取とられミスガブは辱はづかしめられて毀こぼたる 2 モアブの榮譽ほまれは失うせさりぬヘシボンにて人衆ひと〴〵モアブの害󠄅がいを謀はかり去來いざ之これを絕たちて國くにをなさざらしめんといふマデメンよ汝なんぢは滅ほろぼされん劍つるぎ汝なんぢを追󠄃おはん〘1042㌻〙 3 ホロナイムより號咷さけびの聲こゑきこゆ毀敗やぶれと大おほいなる滅亡ほろびあり 4 モアブ滅ほろぼされてその嬰孩等こどもらの號咷さけび聞きこゆ 5 彼かれらは哭なげき哭なげきてルヒテの坂さかを登のぼる敵てきはホロナイムの下くだり路みちにて滅亡ほろびの號咷さけびをきけり 6 逃󠄄にげて汝なんぢらの生命いのちを救すくへ曠野あらのに棄すてられたる者ものの如ごとくなれ 7 汝なんぢは汝なんぢの工作わざと財寳たからを賴たのむによりて汝なんぢも執とらへられん又󠄂またケモシは其その祭司さいしおよびその牧伯等きみたちと偕ともに擄とらへうつさるべし 8 殘害󠄅者ほろぼすもの諸すべての邑まちに來きたらん一ひとつの邑まちも免まぬがれざるべし谷たには滅ほろぼされ平󠄃地ひらちは荒あらされんヱホバのいひたまひしがごとし
 1361㌻ 
9 翼󠄅つばさをモアブに予あたへて飛とびさらしむ其その諸邑まち〳〵は荒あれて住󠄃すむ者ものなからん 10 ヱホバの事わざを行おこなふて怠おこたる者ものは詛のろはれ又󠄂またその劍つるぎをおさへて血ちを流ながさざる者ものは詛のろはる

11 モアブはその幼時いとけなきときより安然やすらかにして酒さけの其その滓おりのうへにとざまりて此この器うつはよりかの器うつはに斟くみうつされざるが如ごとくなりき彼かれ擄とらへうつされざりしに由よりて其その味あぢはひ尙なほ存たもちその香氣にほひ變かはらざるなり 12 ヱホバいひたまふ此この故ゆゑにわがこれを傾かたむくる者ものを遣󠄃つかははす日ひ來きたらん彼かれらすなはち之これを傾かたむけ其その器うつはをあけ其その罇とくりを碎くだくべし 13 モアブはケモシのために羞はぢをとらん是これイスラエルの家いへがその恃たのめるところのベテルのために羞はぢをとりしが如ごとくなるべし 14 汝なんぢら何なんぞ我われらは勇󠄃士ゆうしなり强つよき軍人いくさびとなりといふや 15 モアブはほろぼされその諸邑まち〳〵は騰󠄃あがりその選󠄄擇えりぬきの壯者わかものは下くだりて殺ころさる萬軍ばんぐんのヱホバと名なのる王わうこれをいひ給たまふ 16 モアブの滅亡ほろび近󠄃ちかづけりその禍わざはひ速󠄃すみやかに來きたる 17 凡おほよそ其その四周󠄃まはりにある者ものよ彼かれのために歎なげけその名なを知しる者ものよ强つよき竿さを美うるはしき杖つゑいかにして折をれしやといへ 18 デボンに住󠄃すめる女むすめよ榮さかえをはなれて下くだり燥かわける地ちに坐ざせよモアブを敗やぶる者もの汝なんぢにきたりて汝なんぢの城󠄃しろを滅ほろぼさん 19 アロエルに住󠄃すめる婦󠄃をんなよ道󠄃みちの側かたはらにたちて闚うかがひ逃󠄄にげきたる者ものと脱のがれいたる者ものに事こといかんと問とへ 20 モアブは敗やぶられて羞はぢをとる汝なんぢら呼よばはり咷さけびモアブは滅ほろぼされたりとアルノンに吿つげよ 21 鞫災さばき平󠄃地ひらちに臨のぞみホロン、ヤハヅ、メパアテ 22 デボン、ネボ、ベテデブラタイム 23 キリヤタイム、ベテガムル、ベテメオン 24 ケリオテ、ボズラ、モアブの地ちの諸邑まち〳〵の遠󠄄とほき者ものにも近󠄃ちかき者ものにも臨のぞめり 25 モアブの角つのは碎くだけ其その臂ひぢは折をれたりとヱホバいひたまふ

26 汝なんぢらモアブを醉よはしめよ彼かれヱホバにむかひて驕おごり傲たかぶればなりモアブは其その吐はきたる物ものに轉まろびて笑柄わらひぐさとならん〘1043㌻〙
 1362㌻ 
27 イスラエルは汝なんぢの笑柄わらひぐさにあらざりしや彼かれ盜人ぬすびとの中うちにありしや汝なんぢ彼かれの事ことを語かたるごとに首かうべを搖ふりたり 28 モアブに住󠄃すめる者ものよ汝なんぢら邑まちを離はなれて磐いはの間まにすめ穴󠄄あなの口くちの側かたはらに巢すを作つくる斑鳩やまばとの如ごとくせよ 29 われらモアブの驕傲たかぶりをきけり其その驕傲たかぶりは甚はなはだし即すなはち其その驕慢おごり矜高たかぶり驕誇ほこりおよびその心こゝろの自みづから高たかくするを聞きけり 30 ヱホバいひたまふ我われモアブの驕傲たかぶりとその言ことばの虛むなしきとを知しる彼かれらは僞いつはりを行おこなふなり 31 この故ゆゑに我われモアブの爲ために咷さけびモアブの全󠄃地ぜんちの爲ために呼よばはるキルハレスの人々ひと〴〵の爲ために嗟歎なげきあり 32 シブマの葡萄ぶだうの樹きよわれヤゼルの哭泣なげきにこえて汝なんぢの爲ためになげくべし汝なんぢの蔓つるは海うみを踰こえ延󠄅のびてヤゼルの海うみにまでいたる掠奪者かすむるもの來きたりて汝なんぢの果みと葡萄ぶだうをとらん 33 欣喜よろこびと歡樂園たのしみそのとモアブの地ちをはなれ去さる我われ酒醡さかぶねに酒さけ無なからしめん呼よばはりて葡萄ぶだうを踐ふむもの無なかるべし其その喚呼よばはりは葡萄ぶだうをふむ喚呼よばはりにあらざらん 34 ヘシボンよりエレアレとヤハヅにいたりゾアルよりホロナイムとエグラテシリシヤにいたるまで人ひと聲こゑを揚あぐそはニムリムの水みづまでも絕たえたればなり 35 ヱホバいひたまふ我われ祭物そなへものを崇邱たかきところに献さゝげ香かうをその諸神かみ〴〵に焚たくところの者ものをモアブの中うちに滅ほろぼさんと

36 この故ゆゑに我わが心こゝろはモアブの爲ために簫ふえのごとく歎なげき我わが心こゝろはキルハレスの人衆ひと〴〵のために蕭ふえのごとく歎なげく是これ其その獲えたるところの財たからうせたればなり 37 人ひとみなその髮かみを剃そり皆みなその鬚ひげをそり皆みなその手てに傷きずつけ腰󠄃こしに麻󠄃布あさぬのをまとはん 38 モアブにては家蓋やねの上うへと街ちまたのうちに遍󠄃あまねく悲哀かなしみありそはわれ心こゝろに適󠄄かなはざる器うつはのごとくにモアブを碎くだきたればなりとヱホバいひたまふ 39 嗚呼あゝモアブはほろびたり彼かれらは咷さけぶ嗚呼あゝモアブは羞はぢて面かほを背そむけたりモアブはその四周󠄃まはりの者ものの笑柄わらひぐさとなり恐懼おそれとなれり 40 ヱホバかくいひたまふ視みよ敵てき鷲わしのごとくに飛來とびきたりて翼󠄅つばさをモアブのうへに舒のべん 41 ケリオテは取とられ城󠄃しろはみな奪うばはるその日ひにはモアブの勇󠄃士ゆうしの心こゝろ子こを產うむ婦󠄃をんなのごとくになるべし
 1363㌻ 
42 モアブはヱホバにむかひて傲ほこりしゆゑに滅ほろぼされて再ふたゝび國くにを成󠄃なさざるべし 43 ヱホバいひたまふモアブにすめる者ものよ恐怖おそれと陷阱あなと罟わな汝なんぢに臨のぞめり 44 恐怖おそれをさけて逃󠄄にぐるものは陷阱あなにおちいり陷阱あなより出いづるものは罟わなにとらへられん其そはわれモアブにその罰ばつをうくべき年としをのぞましむればなりヱホバこれをいふ

45 遁󠄅逃󠄄者にぐるものは力ちからなくしてヘシボンの蔭かげに立たつ是こは火ひヘシボンより出いで火焰ほのほシホンのうちより出いでてモアブの地ちおよび喧閙さわぎをなす者ものの首かうべの頂いたゞきを燒やけばなり〘1044㌻〙 46 嗚呼あゝ禍わざはひなるかなモアブよケモシの民たみは亡ほろびたり即すなはち汝なんぢの諸子むすこらは擄とらへうつされ汝なんぢの女等むすめらは執とらへゆかれたり 47 然されど末すゑの日ひに我われモアブの擄移とらへうつされたる者ものを返󠄄かへさんとヱホバいひ給たまふ此こゝまではモアブの鞫さばきをいへる言ことばなり

第49章

1 アンモン人びとの事ことにつきてヱホバかくいひたまふイスラエルに子こなからんや嗣子よつぎなからんや何いかなれば彼かれらの王わうガドを受嗣うけつぎ彼かれの民たみその邑々まち〳〵に住󠄃すむや 2 ヱホバいひたまふ是故このゆえに視みよわが戰鬪たたかひの號呼さけびをアンモン人びとのラバに聞きこえしむる日ひいたらんラバは荒垤くづれづかとなりその女等むすめらは火ひに焚やかれんその時ときイスラエルはおのれの嗣者よつぎとなりし者等ものどもの嗣者よつぎとなるべしヱホバこれをいひたまふ 3 ヘシボンよ咷さけべアイは滅ほろびたりラバの女むすめたちよ呼よばはれ麻󠄃布あさぬのを身みにまとひ嗟なげきて籬󠄂まがきのうちに走はしれマルカムとその祭司さいしおよびその牧伯等きみたちは偕ともに擄とらへ移うつされたり 4 汝なんぢ何いかなれば谷たにの事ことを誇ほこるや背そむける女むすめよ汝なんぢの谷たには流ながるるなり汝なんぢ財貨たからに倚賴よりたのみていふ誰たれか我われに來きたらんと 5 主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ視みよ我われ畏懼おそれを汝なんぢの四周󠄃まはりの者ものより汝なんぢに來きたらしめん汝なんぢらおのおの逐󠄃おはれて直たゞちにすすまん逃󠄄にぐる者ものを集あつむる人ひと無なかるべし
 1364㌻ 
6 然されど後のちにいたりてわれアンモン人びとの擄移とらへうつされたる者ものを返󠄄かへさんとヱホバいひたまふ

7 エドムの事ことにつきて萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふテマンの中うちには智慧󠄄ちゑあることなきにいたりしや明哲者さときものには謀略はかりごとあらずなりしやその智慧󠄄ちゑは盡つきはてしや 8 デダンに住󠄃すめる者ものよ逃󠄄にげよ遁󠄅のがれよ深ふかく竄かくれよ我われエサウの滅亡ほろびをかれの上うへにのぞませ彼かれを罰ばつする時ときをきたらしむべし 9 葡萄ぶだうを斂あつむる者ものもし汝なんぢに來きたらば少許すこしの果みをも餘あまさざらんもし夜間よる盜人ぬすびときたらばその飽󠄄あくまで滅ほろぼさん 10 われエサウを裸はだかにし又󠄂またその隱處かくしどころを露あらはにせん彼かれは身みを匿かくすことをえざるべしその裔すゑも兄弟きやうだいも隣舍となりも滅ほろぼされん而しかして彼かれは在あらずなるべし 11 汝なんぢの孤子みなしごを遺󠄃のこせわれ之これを生存ながらへしめん汝なんぢの嫠やもめは我われに倚賴よりたのむべし 12 ヱホバかくいひ給たまふ視みよ杯さかづきを飮のむべきにあらざる者ものもこれを飮のまざるをえざるなれば汝なんぢまつたく罰ばつを免まぬかるることをえんや汝なんぢは罰ばつを免まぬかれじ汝なんぢこれを飮のまざるべからず 13 ヱホバいひたまふ我われおのれを指さして誓ちかふボズラは詫異おどろきとなり羞辱はづかしめとなり荒地あれちとなり呪詛のろひとならんその諸邑まち〳〵は永ながく荒地あれちとなるべし

14 われヱホバより音󠄃信おとづれをきけり使󠄃者つかひ遣󠄃つかはされて萬國ばんこくにいたり汝なんぢら集あつまりて彼かれに攻せめきたり起󠄃たちて戰たゝかへよといへり 15 視みよわれ汝なんぢを萬國ばんこくの中うちに小者ちひさきものとなし人々ひと〴〵の中うちに藐いやしめらるる者ものとなせり 16 磐いはの隱場かくればにすみ山やまの高處たかみを占しむる者ものよ汝なんぢの恐おそろしき事ことと汝なんぢの心こゝろの驕傲たかぶり汝なんぢを欺あざむけり汝なんぢ鷹わしのごとくに巢すを高たかき處ところに作つくりたれどもわれ其處そこより汝なんぢを取とり下くださんとヱホバいひたまふ〘1045㌻〙 17 エドムは詫異おどろきとならん凡おほよそ其處そこを過󠄃すぐる者ものは驚おどろきその災害󠄅わざはひのために笑わらふべし 18 ヱホバいひたまふソドムとゴモラとその隣となりの邑々まち〳〵の滅ほろびしがごとく其處そこに住󠄃すむ人ひとなく其處そこに宿やどる人ひとの子こなかるべし 19 視みよ敵てき獅子しゝのヨルダンの叢くさむらより上のぼるがごとく堅かたき宅すまひに攻せめきたらんわれ直たゞちに彼かれを其處そこより逐󠄃奔おひはしらせわが選󠄄えらみたる者ものをその上うへに立たてん誰たれか我われのごとき者ものあらん誰たれか我わが爲ために時期ときを定さだめんや孰いづれの牧者ぼくしやか我わが前󠄃まへにたつことをえん
 1365㌻ 

20 さればエドムにつきてヱホバの謀はかりたまひし御謀みはかりとテマンに住󠄃すめる者ものにつきて思おもひたまひし思おもひをきけ群むれの弱󠄃者よわきものはかならず曳ひきゆかれん彼かれかならずかれらの住󠄃宅すまひを滅ほろぼすべし 21 その傾圮たふれの響ひびきによりて地ちは震ふるふ號咷さけびありその聲こゑ紅海こうかいにきこゆ 22 みよ彼かれ鷹わしのごとくに上のぼり飛とびその翼󠄅つばさをボズラの上うへに舒のべんその日ひエドムの勇󠄃士ゆうしの心こゝろは子こを產うむ婦󠄃をんなの心こゝろの如ごとくならん

23 ダマスコの事こと ハマテとアルパデは羞はづそは凶あしき音󠄃信おとづれをきけばなり彼かれらは心こゝろを喪うしなへり海うみの上うへに恐懼おそれあり安やすき者ものなし 24 ダマスコは弱󠄃よわり身みをめぐらして逃󠄄にげんとす恐懼おそれこれに及および憂愁うれへと痛劬いたみ子こを產うみむ婦󠄃をんなにあるごとくこれにおよぶ 25 頌󠄃美ほまれある邑まち我わが欣よろこぶところの邑まちを何いかなれば棄すてさらざるや 26 さればその日ひに壯者わかきものは街ちまたに仆たふれ兵卒へいそつは悉こと〴〵く滅ほろぼされんと萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ 27 われ火ひをダマスコの石垣いしがきの上うへに燃もやしベネハダデの殿舍やかたをことごとく焚やくべし

28 バビロンの王わうネブカデネザルが攻せめ擊うちたるケダルとハゾルの諸國くに〴〵の事ことにつきて  ヱホバかくいひたまふ汝なんぢら起󠄃たちてケダルに上のぼり東ひがしの衆人ひと〴〵を滅ほろぼせ

29 その幕屋まくやとその羊ひつじの群むれは彼等かれらこれを取とりその幕まくとその諸もろ〳〵の器うつはと駱駝らくだとは彼等かれらこれを奪うばひとらん人ひとこれに向むかひ惶懼おそれ四方よもにありと呼よばはるべし 30 ヱホバいひたまふハゾルに住󠄃すめる者ものよ逃󠄄にげよ急󠄃すみやかに走はしりゆき深ふかき處ところに居をれバビロンの王わうネブカデネザル汝なんぢらをせむる謀略はかりごとを運󠄃めぐらし汝なんぢらをせむる術󠄃計てだてを設まうけたればなり 31 ヱホバいひ給たまふ汝なんぢら起󠄃たちて穩おだやなる安やすらかに住󠄃すめる民たみの所󠄃ところに攻せめ上のぼれ彼かれらは門もんもなく關くわんもなくして獨ひとりり居すまふなり 32 その駱駝らくだは擄掠ぶんどりとせられその多おほくの畜けものは奪うばはれん我われかの毛けの角すみを剪きる者ものを四方よもに散ちらしその滅亡ほろびを八方やもより來きたらせんとヱホバいひたまふ
 1366㌻ 
33 ハゾルは山犬やまいぬの窟すまひとなり何いつまでも荒蕪あれちとなりをらん彼處かしこに住󠄃すむ人ひとなく彼處かしこに宿やどる人ひとの子こなかるべし〘1046㌻〙

34 ユダの王わうゼデキヤが位くらゐに即つきし初はじめのころヱホバの言ことば預言者よげんしやヱレミヤに臨のぞみてエラムの事ことをいふ 35 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ視みよわれエラムが權能ちからとして賴たのむところの弓ゆみを折をらん 36 われ天てんの四方しはうより四方よもの風かぜをエラムに來きたらせ彼かれらを四方よもの風かぜに散ちらさんエラムより追󠄃出おひいださるる者もののいたらざる國くにはなかるべし 37 ヱホバいひたまふわれエラムをしてその敵てきの前󠄃まへとその生命いのちを索もとむるものの前󠄃まへに懼おそれしめん我われ災わざはひをくだし我わが烈はげしき怒いかりをその上うへにいたらせんまたわれ劍つるぎをその後うしろにつかはしてこれを滅ほろぼし盡つくすべし 38 われ我わが位くらゐをエラムに居すゑ王わうと牧伯等きみたちを其處そこより滅ほろぼしたたんとヱホバいひたまふ 39 然されど末すゑの日ひにいたりてわれエラムの擄とらへ移うつされたる者ものを返󠄄かへすべしとヱホバいひたまふ

第50章

1 ヱホバ預言者よげんしやヱレミヤによりてバビロンとカルデヤ人びとの地ちのことを語かたり給たまひし言ことば 2 汝なんぢら國々くに〴〵の中うちに吿つげまた宣示ふれしめせ纛はたを樹たてよ隱かくすことなく宣示ふれしめして言いへバビロンは取とられベルは辱はづかしめられメロダクは碎くだかれ其その像󠄃ざうは辱はづかしめられ其その木像󠄃もくざうは碎くだかると 3 そは北きたの方かたより一ひとつの國人くにびときたりて之これを攻せめその地ちを荒あらして其處そこに住󠄃すむ者もの無なからしむればなり人ひとも畜けものも皆みな逃󠄄去にげされり 4 ヱホバいひたまふその日ひその時ときイスラエルの子孫しそんかへり來きたらん彼かれらと偕ともにユダの子孫しそんかへり來きたるべし彼かれらは哭なげきつつ行ゆきてその神かみヱホバに請󠄃求こひもとむべし 5 彼かれら面かほをシオンに向むけてその路みちを問とひ來きたれ我われらは永遠󠄄えいゑんわするることなき契󠄅約けいやくをもてヱホバにつらならんといふべし

6 我民わがたみは迷󠄃まよへる羊ひつじの群むれなりその牧者かふもの之これをいざなひて山やまにふみ迷󠄃まよはしめたれば山やまより岡をかとゆきめぐりて其その休息所󠄃やすむところを忘󠄃わすれたり
 1367㌻ 
7 之これに遇󠄃あふもの皆みな之これを食󠄃くらふその敵てきいへり我われらは罪つみなし彼かれらヱホバすなはち義ただしきの在ある所󠄃ところその先祖せんぞの望󠄇のぞみしところなるヱホバに罪つみを犯をかしたるなり 8 汝なんぢらバビロンのうちより逃󠄄にげよカルデヤ人びとの地ちより出いでよ群むれの前󠄃まへにゆくところの牡山羊をやぎのごとくせよ 9 視みよわれ大おほいなる國々くに〴〵より人ひとを起󠄃おこしあつめて北きたの地ちよりバビロンに攻せめ來きたらしめん彼かれら之これにむかひて備そなへをたてん是これすなはち取とらるべし彼かれらの矢やは空󠄃むなしく返󠄄かへらざる狡かしこき勇󠄃士ゆうしの矢やのごとくなるべし 10 カルデヤは人ひとに掠かすめられん之これを掠かすむる者ものは皆みな飽󠄄あくことをえんとヱホバ曰いひたまふ

11 我わが產業さんげふを掠かすむる者ものよ汝なんぢらは喜よろこび樂たのしみ穀物こくもつを碾こなす犢こうしのごとくに躍󠄃をどり牡馬をうまのごとく嘶いななけども〘1047㌻〙 12 汝なんぢらの母はゝは痛いたく辱はづかしめられん汝なんぢらを生うみしものは恥はづべし視みよ國々くに〴〵の中うちの終󠄃末をはりの者もの荒野あれのとなり燥かわける地ちとなり沙漠すなはらとならん 13 ヱホバの怒いかりの爲ために之これに住󠄃すむ者ものなくして悉こと〴〵く荒地あれちとなるべしバビロンを過󠄃すぐる者ものは皆みなその禍わざはひに驚おどろき且かつ嗤󠄄わらはん 14 凡およそ弓ゆみを張はる者ものよバビロンの四周󠄃まはりに備そなへをなして攻せめ矢やを惜をしまずして之これを射󠄂いよそは彼かれヱホバに罪つみを犯をかしたればなり 15 その四周󠄃まはりに喊をめき叫さけびて攻せめめかかれ是これ手てを伸のぶその城󠄃堞へいは倒たふれその石垣いしがきは崩󠄃くづる是これヱホバ仇あだを復かへしたまふなり汝なんぢらこれに仇あだを復かへせ是これの行おこなひしごとく是これに行おこなへ 16 播種者たねまくものおよび穡收時かりいれどきに鎌󠄃かまを執とる者ものをバビロンに絕たやせその滅ほろぼすところの劍つるぎを怖おそれて人ひとおのおの其その民たみに歸かへり各おの〳〵その故土ふるさとに逃󠄄にぐべし

17 イスラエルは散ちらされたる羊ひつじにして獅子しゝ之これを追󠄃おふ初はじめにアツスリヤの王わう之これを食󠄃くらひ後のちにこのバビロンの王わうネブカデネザルその骨ほねを碎くだけり 18 この故ゆゑに萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふ視みよわれアツスリヤの王わうを罰ばつせしごとくバビロンの王わうとその地ちを罰ばつせん 19 われイスラエルを再ふたゝびその牧場まきに歸かへさん彼かれカルメルとバシヤンの上うへに草くさをくらはんまたエフライムとギレアデの山やまにてその心こゝろを飽󠄄あかすべし
 1368㌻ 
20 ヱホバいひたまふ其日そのひその時ときにはイスラエルの愆とがを尋󠄃たづぬるも有󠄃あらず又󠄂またユダの罪つみを尋󠄃たづぬるも遇󠄃あはじそはわれ我わが存のこせしところの者ものを赦ゆるすべければなり

21 ヱホバいひたまふ汝なんぢら上のぼりて悖もとれる國くに罰ばつを受うくべき民たみを攻せめその後うしろより之これを荒あらし全󠄃まつたくこれを滅ほろぼせ我わが汝なんぢらに命めいぜしごとく行おこなふべし 22 その地ちに戰鬪いくさの咷さけびと大おほいなる敗壤ほろびあり 23 嗚呼あゝ全󠄃地ぜんちを摧くだきし鎚󠄃つち折をれ碎くだくるかな嗚呼あゝバビロン國々くに〴〵の中うちに荒地あれちとなるかな 24 バビロンよわれ汝なんぢをとるために罟わなを置おけり汝なんぢは擒とらへらるれども知しらず汝なんぢヱホバに敵てきせしにより尋󠄃たづねられて獲とらへらるるなり 25 ヱホバ庫くらを啓󠄃ひらきてその怒いかりの武器ぶきをいだしたまふ是これ主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバ、カルデヤ人びとの地ちに事ことをなさんとしたまへばなり 26 汝なんぢら終󠄃をはりの者ものにいたるまで來きたりてこれを攻せめその庫くらを啓󠄃ひらき之これを積つみて塵垤ちりづかのごとくせよ盡こと〴〵くこれを滅ほろぼぼして其處そこに遺󠄃のこる者ものなからしめよ 27 その牡牛をうしを悉こと〴〵く殺ころせこれを屠󠄃場ほふりばにくだらしめよ其等それらは禍わざはひなるかな其日そのひその罰ばつを受うくべき時とき來きたれり 28 バビロンの地ちより逃󠄄にげて遁󠄅のがれ來きし者ものの聲こゑありて我われらの神かみヱホバの仇復あだがへしその殿みやの仇復あだがへしをシオンに宣のぶ

29 射󠄂者いてをバビロンに召集よびあつめよ凡およそ弓ゆみを張はる者ものよその四周󠄃まはりに陣ぢんどりて之これを攻せめ何人たれをも逃󠄄のがす勿なかれその作爲わざに循したがひて之これに報むくいそのすべて行おこなひし如ごとくこれに行おこなへそは彼かれイスラエルの聖󠄃者きよきものなるヱホバにむかひて驕たかぶりたればなり〘1048㌻〙 30 是故このゆえにその日ひ壯者わかきものは衢ちまたに踣たふれその兵卒へいそつは悉こと〴〵く絕たやされんとヱホバいひたまふ 31 主しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ驕傲者たかぶるものよ視みよわれ汝なんぢの敵てきとなる汝なんぢの日ひわが汝なんぢを罰ばつする時とききたれり 32 驕傲者たかぶるものは蹶つまづきて仆たふれん之これを扶たすけ起󠄃おこす者ものなかるべしわれ火ひをその諸邑まち〳〵に燃もやしその四周󠄃まはりの者ものを燒盡やきつくさん
 1369㌻ 

33 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふイスラエルの民たみとユダの民たみは偕ともに虐󠄃しへたげらる彼かれらを擄とりこにせし者ものは皆みな固かたくこれを守まもりて釋はなたざるなり 34 彼かれらを贖あがなふ者ものは强つよしその名なは萬軍ばんぐんのヱホバなり彼かれ必かならずその訴うつたへを理たゞしてこの地ちに安やすきを與あたへバビロンに住󠄃すめる者ものを戰慄をののかしめ給たまはん 35 ヱホバいひたまふカルデヤ人びとの上うへバビロンに住󠄃すめる者ものの上うへおよびその牧伯等きみたちとその智者等ちしやたちの上うへに劍つるぎあり 36 劍つるぎ僞いつはる者ものの上うへにあり彼かれら愚おろかなる者ものとならん劍つるぎその勇󠄃士ゆうしの上うへにあり彼かれら懼おそれん 37 劍つるぎその馬うまの上うへにあり其その車くるまの上うへにあり又󠄂またその中うちにあるすべての援󠄃兵えんぺいの上うへにあり彼かれら婦󠄃女をんなのごとくにならん劍つるぎその寳たからの上うへにあり是これ掠かすめらるべし 38 旱ひでりその水みづの上うへにあり是これ涸かわかん斯これは偶像󠄃ぐうざうの地ちにして人々ひと〴〵偶像󠄃ぐうざうに迷󠄃まよへばなり 39 是故このゆゑに野のの獸けもの彼處かしこに山犬やまいぬと偕ともに居をり鴕鳥だてうも彼處かしこに棲すむべし何時いつまでも其その地ちに住󠄃すむ人ひとなく世々よゝここに住󠄃すむ人ひとなかるべし 40 ヱホバいひたまふ神かみのソドム、ゴモラとその近󠄃隣となりの邑々まち〳〵を滅ほろぼせしごとく彼處かしこに住󠄃すむ人ひとなく彼處かしこに宿やどる人ひとの子こなかるべし

41 視みよ北きたの方かたより民たみきたるあらん大おほいなる國くにの人ひととおほくの王わうたち地ちの極はてより起󠄃おこらん 42 彼かれらは弓ゆみと槍やりをとる情󠄃なさけなく矜恤あはれみなしその聲こゑは海うみのごとくに鳴なるバビロンの女むすめよ彼かれらは馬うまに乘のり戰士いくさびとのごとくに備そなへて汝なんぢを攻せめん 43 バビロンの王わうその風聲うはさをききしかば其その手て弱󠄃よわり苦痛くるしみと子こを產うむ婦󠄃をんなの如ごとき劬勞いたみ彼かれに迫󠄃せまる 44 視みよ敵てき獅子しゝのヨルダンの叢くさむらより上のぼるが如ごとく堅かたき宅すまひに攻せめきたらんわれ直たゞちに彼等かれらを其處そこより逐󠄃奔おひはしらせわが選󠄄えらみたる者ものをその上うへに立たてん誰たれか我われのごとき者ものあらんや誰たれかわが爲ために時期ときを定さだめんや何いづれの牧者ぼくしやか我わが前󠄃まへに立たつことをえん 45 さればバビロンにつきてヱホバの謀はかりたまひし御謀みはかりとカルデヤ人びとの地ちにつきて思おもひたまひし思想おもひをきけ群むれの弱󠄃者よわきもの必かならず曳ひきゆかれん彼かれ必かならずかれらの住󠄃居すまひを滅ほろぼすべし
 1370㌻ 
46 バビロンは取とられたりとの聲こゑによりて地ち震ふるへその號咷さけび國々くに〴〵の中うちに聞きこゆ〘1049㌻〙

第51章

1 ヱホバかくいひたまふ視みよわれ滅ほろぼすところの風かぜを起󠄃おこしてバビロンを攻せめ我われに悖もとる者ものの中うちに住󠄃すむ者ものを攻せむべし 2 われ簸者ひるものをバビロンに遣󠄃つかはさん彼かれらこれを簸ひてその地ちを空󠄃むなしくせん彼かれらすなはちその禍わざはひの日ひにこれを四方よもより攻せむべし 3 弓ゆみを張はる者ものに向むかひまた鎧よろひを被きて立たちあがる者ものに向むかひて射󠄂者いての者もの其その弓ゆみを張はらん汝なんぢらその壯者わかきものを憫あはれれまず其その軍勢ぐんぜいを悉こと〴〵く滅ほろぼすべし 4 然されば殺ころさるる者ものカルデヤ人びとの地ちに踣たふれ刺さゝるる者ものその街ちまたに踣たふれん

5 イスラエルとユダはその神かみ萬軍ばんぐんのヱホバに棄すてられず彼かれらの地ちにはイスラエルの至聖󠄃者いときよきものにむかひて犯をかせるところの罪つみ充みつ 6 汝なんぢらバビロンのうちより逃󠄄にげいでておのおの其その生命いのちをすくへ其それの罪つみのために滅ほろぼさるる勿なかれ今いまはヱホバの仇あだをかへしたまふ時ときなれば報むくいをそれになしたまふなり 7 バビロンは金きんの杯さかづきにしてヱホバの手てにあり諸すべての地ちを醉ゑはせたり國々くに〴〵その酒さけを飮のめり是こゝをもて國々くに〴〵狂くるへり 8 バビロンは忽たちまち踣たふれて壞やぶる之これがために哭なげけその傷きずのために乳󠄃香にうかうをとれ是これ或あるひは愈󠄃いえん 9 われらバビロンを醫いやさんとすれども愈󠄃いえず我われらこれをすてて各おの〳〵その國くにに歸かへるべしそはその罰ばつ天てんにおよび雲くもにいたればなり 10 ヱホバわれらの義ただしきをあらはしたまふ來きたれシオンに於おいて我われらの神かみヱホバの作爲わざをのべん

11 矢やを磨󠄃とぎ楯たてを取とれヱホバ、メデア人びとの王等わうたちの心こゝろを激發ひきおこしたまふヱホバ、バビロンをせめんと謀はかり之これを滅ほろぼさんとしたまふ是これヱホバの復仇あだがへしその殿みやの復仇あだがへしたるなり 12 バビロンの石垣いしがきに向むかひて纛はたを樹たて圍󠄃かこみを堅かたくし番兵ばんぺいを設まうけ伏兵ふくへいをそなへよ蓋そはヱホバ、バビロンに住󠄃すめる者ものをせめんとて謀はかりその言いひしごとく行おこなひたまへばなり 13 おほくの水みづの傍ほとりに住󠄃すみ多おほくの財寳たからをもてる者ものよ汝なんぢの終󠄃をはり汝なんぢの貧󠄃婪むさぼりの限かぎり來きたれり
 1371㌻ 
14 萬軍ばんぐんのヱホバおのれを指さして誓ちかひいひ給たまふ我われまことに人ひとを蝗いなごのごとくに汝なんぢの中うちに充みたさん彼かれら汝なんぢに向むかひて鯨波ときの聲こゑを揚あぐべし

15 ヱホバその能力ちからをもて地ちをつくり其その知慧󠄄ちゑをもて世界せかいを建󠄄たてその明哲さとりをもて天てんを舒のべたまへり 16 彼かれ聲こゑを發いだしたまふ時ときは天てんに衆おほくの水みづいづかれ雲くもを地ちの極はてより起󠄃おこらしめ電光いなびかりと雨あめをおこし風かぜをその庫くらよりいだしたまふ 17 すべての人ひとは獸けもののごとくにして智慧󠄄ちゑなし諸すべての鑄物師いものしはその作つくりし像󠄃ざうのために辱はぢを取とる其その鑄いるところの像󠄃ざうは僞いつはりの者ものにしてその中うちに靈たましひなし 18 其等それらは空󠄃むなしき者ものにして迷󠄃妄まよひの工作わざなりわが臨のぞむとき其等それらは滅ほろぶべし 19 ヤコブの分󠄃ぶんは此かくの如ごとくならず彼かれは萬物よろづのものおよびその產業さんげふの族やからの造󠄃化主つくりぬしなりその名なは萬軍ばんぐんのヱホバといふ〘1050㌻〙

20 汝なんぢはわが鎚󠄃つちにして戰いくさの器具󠄄うつはなりわれ汝なんぢをもて諸すべての邦󠄆くにを碎くだき汝なんぢをもて萬國ばんこくを滅ほろぼさん 21 われ汝なんぢをもて馬うまとその騎のる者ものを摧くだき汝なんぢをもて車くるまとその御ぎよする者ものを碎くだかん 22 われ汝なんぢをもて男をとこと女をんなをくだき汝なんぢをもて老おいたる者ものと幼いとけなき者ものをくだき汝なんぢをもて壯者わかきものと童女をとめをくだくべし 23 われ汝なんぢをもて牧者ひつじかひとその群むれをくだき汝なんぢをもて農夫のうふとその軛くびきを負󠄅おふ牛うしをくだき汝なんぢをもて方伯等きみたちと督宰等つかさたちをくだかん 24 汝なんぢらの目めの前󠄃まへにて我われバビロンとカルデヤに住󠄃すめるすべての者ものがシオンになせし諸もろ〳〵の惡あしきことに報むくいんとヱホバいひたまふ

25 ヱホバ言いひたまはく全󠄃地ぜんちを滅ほろぼしたる滅ほろぼす山やまよ視みよわれ汝なんぢの敵てきとなるわれ手てを汝なんぢの上うへに伸のべて汝なんぢを巖いはより轉まろばし汝なんぢを焚山やけやまとなすべし 26 ヱホバいひたまふ人ひと汝なんぢより石いしを取とりて隅石すみいしとなすことあらじ亦また汝なんぢより石いしを取とりて基礎いしずゑとなすことあらじ汝なんぢはいつまでも荒地あれちとなりをらん

27 纛はたを地ちに樹たて箛らつぱを國々くに〴〵の中うちに吹ふき國々くに〴〵の民たみをあつめて之これを攻せめアララテ、ミンニ、アシケナズの諸國くに〴〵を招まねきて之これを攻せめ軍長ぐんちやうをたてて之これを攻せめ恐おそろしき蝗いなごのごとくに馬うまをすすめよ
 1372㌻ 
28 國々くに〴〵の民たみをあつめて之これを攻せめメデア人びとの王等わうたちとその方伯等きみたちとその督宰等つかさたちおよびそのすべての領地りやうちの人ひとをあつめて之これを攻せめよ 29 地ちは震ふるひ搖うごかんそはヱホバその意旨おもひをバビロンになしバビロンの地ちをして住󠄃すむ人ひとなき荒地あれちとならしめたまふべければなり 30 バビロンの勇󠄃者ゆうしやは戰たたかひをやめて其その城󠄃しろにこもりその力ちから失うせて婦󠄃をんなのごとくにならん其その宅いへは燒やけその門閂くわんぬきは折をれん 31 馹はやは趨はしりて馹はやにあひ使󠄃者つかひは趨はしりて使󠄃者つかひにあひバビロンの王わうにつげて邑まちは盡こと〴〵く取とられ 32 渡口わたしばは取とられ沼ぬまは燒やかれ兵卒へいそつは怖おそるといはん

33 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみかくいひたまふバビロンの女むすめは禾場うちばのごとしその踏ふまるる時とききたれり暫しばらくありてその苅からるる時ときいたらん 34 バビロンの王わうネブカデネザル我われを食󠄃くらひ我われを滅ほろぼし我われを空󠄃むなしき器うつはのごとくなし龍󠄇たつの如ごとくに我われを呑のみわが珍饈うまきものをもて其その腹はらを充みたし我われを逐󠄃出おひいだせり 35 シオンに住󠄃すめる者ものいはんわがうけし虐󠄃遇󠄃しへたげと我わが肉󠄁にくはバビロンにかかるべしヱルサレムいはん我わが血ちはカルデヤに住󠄃すめる者ものにかかるべしと 36 さればヱホバかくいひたまふ視みよわれ汝なんぢの訟󠄃うつたへを理たゞし汝なんぢの爲ために仇あだを復かへさん我われその海うみを涸かわかし其その泉いずみを乾かわかすべし 37 バビロンは頽壘くづれづかとなり山犬やまいぬの巢窟すみかとなり詫異おどろきとなり嗤󠄄笑わらひとなり人ひとなき所󠄃ところとならん 38 彼かれらは獅子しゝのごとく共ともに吼ほえ小獅わかきししのごとくに吼ほゆ〘1051㌻〙 39 彼かれらの慾よくの燃もゆる時ときにわれ筵ふるまひを設まうけてかれらを醉よはせ彼かれらをして喜よろこばしめながき寢ねむりにいりて目めを醒さますことなからしめんとヱホバいひたまふ 40 われ屠󠄃ほふる羔羊こひつじのごとく又󠄂また牡羊をひつじと牡山羊をやぎのごとくにかれらをくだらしめん

41 セシヤクいかにして取とられしや全󠄃地ぜんちの人ひとの頌󠄃美者ほむるものいかにして執とらへられしや國々くに〴〵の中うちにバビロンいかにして詫異おどろきとなりしや
 1373㌻ 
42 海うみバビロンに溢󠄃あふれかかりその多おほくの波濤なみこれを覆󠄄おほふ 43 その諸邑まち〳〵は荒あれれて燥かわける地ちとなり沙漠すなはらとなり住󠄃すむ人ひとなき地ちとならん人ひとの子こそこを過󠄃すぐることあらじ 44 われベルをバビロンに罰ばつしその呑のみみたる者ものを口くちより取出とりいださん國々くに〴〵はまた川かはの如ごとくに彼かれに來きたらじバビロンの石垣いしがき踣たふれん

45 我民わがたみよ汝なんぢらその中うちよりいで各おの〳〵ヱホバの烈はげしき怒いかりをまぬかれてその命いのちを救すくへ 46 汝なんぢら心こゝろを弱󠄃よわくする勿なかれ此この地ちにてきく所󠄃ところの浮󠄃言うはきによりて畏おそるる勿なかれ浮󠄃言うはきは此この年としも來きたり次󠄄つぎの年としも亦またきたらん此この地ちに强暴しへたげあり宰者つかさと宰者つかさとあひ攻せめむることあらん 47 故ゆゑに視みよ我われバビロンの偶像󠄃ぐうざうを罰ばつする日ひ來きたらんその全󠄃地ぜんちは辱はづかしめられ其その殺ころさるる者ものは悉こと〴〵くその中うちに踣たふれん 48 然しかして天てんと地ちとその中うちにあるところのすべての者ものはバビロンの事ことの爲ために歡よろこび歌うたはんそは敗壞者ほろぼすもの北きたの方かたより此處こゝに來きたればなりヱホバこれをいひたまふ 49 バビロンがイスラエルの殺ころさるる者ものを踣たふせし如ごとく全󠄃地ぜんちの殺ころさるる者ものバビロンに踣たふるべし

50 劍つるぎを逃󠄄のがるる者ものよ往󠄃ゆけ止とゞまる勿なかれ遠󠄄方とほくよりヱホバを憶おぼえヱルサレムを汝なんぢらの心こゝろに置おくべし 51 罵言ののしりをきくによりて我われら羞はづ異邦󠄆人ことくにびとヱホバの室いへの聖󠄃處きよきところにいるによりて我われらの面かほには羞恥はぢ盈みつ 52 この故ゆゑにヱホバいひたまふ視みよわがその偶像󠄃ぐうざうを罰ばつする日ひいたらん傷きずつけられたる者ものはその全󠄃國ぜんこくに呻吟うめくべし 53 たとひバビロン天てんに昇のぼるとも其その城󠄃しろを高たかくして堅かたむるとも敗壞者ほろぼすもの我われよりいでて彼かれらにいたらんとヱホバいひたまふ

54 バビロンに號咷さけびの聲こゑありカルデヤ人びとの地ちに大おほいなる敗壞ほろびあり 55 ヱホバ、バビロンをほろぼし其その中うちに大おほいなる聲こゑを絕たやしたまふ其その波濤なみは巨󠄃水おほみづのごとくに鳴なりその聲こゑは響ひびきわたる 56 破滅者ほろぼすものこれに臨のぞみバビロンにいたる其その勇󠄃士ゆうしは執とらへられ其その弓ゆみは折をらるヱホバは施報むくいをなす神かみなればかならず報むくいいたまふなり 57 われその牧伯等きみたちと博󠄄士等はかせたちと督宰等つかさたちと勇󠄃士ゆうしとを醉ゑはせん彼かれらは永ながき寢ねむりにいりて目めを醒さますことあらじ萬軍ばんぐんのヱホバと名なづくる王わうこれをいひ給たまふ
 1374㌻ 
58 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふバビロンの闊ひろき石垣いしがきは悉こと〴〵く毀こぼたれその高たかき門もんは火ひに焚やかれん斯かく民たみの勞苦らうくは徒いたづらとなるべし民たみは火ひのために憊󠄂つかれん〘1052㌻〙

59 これマアセヤの子こなるネリヤの子こセラヤがユダの王わうゼデキヤとともに其その治世よの四年ねんにバビロンに往󠄃ゆくときにあたりて豫言者よげんしやヱレミヤがこれに命めいぜし言ことばなりこのセラヤは侍從じじゆうの長かしらなり 60 ヱレミヤ、バビロンにのぞまんとする諸すべての災わざはひを書ふみにしるせり是これ即すなはちバビロンの事ことにつきて錄しるせる此このすべての言ことばなり 61 ヱレミヤ、セラヤにいひけるは汝なんぢバビロンに往󠄃ゆきしとき愼つゝしみてこの諸すべての言いを讀よめ 62 而しかして汝なんぢいふべしヱホバよ汝なんぢはこの處ところを滅ほろぼし人ひとと畜けものをいはず凡すべて此處こゝに住󠄃すむ者ものなからしめて窮󠄃かぎりなくこれを荒地あれちとなさんと此處こゝにむかひていひたまへり 63 汝なんぢこの書ふみを讀畢よみをはりしとき之これに石いしをむすびつけてユフラテの中うちに投なげいれよ 64 而しかしていふべしバビロンは我われこれに災菑わざはひをくだすによりて是かくしづみて復またおこらざるべし彼かれらは絕たえはてんと  此こゝまではヱレミヤの言ことばなり

第52章

1 ゼデキヤは位くらゐに即つきしとき二十一歳さいなりしがヱルサレムに於おいて十一年ねん世よををさめたりその母はゝの名なはハムタルといひてリブナのヱレミヤの女むすめなり 2 ゼデキヤはヱホヤキムが凡すべてなしたる如ごとくヱホバの目めの前󠄃まへに惡あくをなせり 3 すなはちヱホバ、ヱルサレムとユダとを怒いかりて之これをその前󠄃まへより棄すてはなちたまふ  是こゝに於おいてゼデキヤ、バビロンの王わうに叛󠄃そむけり

4 ゼデキヤの世よの九年ねん十月󠄃ぐわつ十日とをかにバビロンの王わうネブカデネザルその軍勢ぐんぜいをひきゐてヱルサレムに攻せめきたり之これに向むかひて陣ぢんをはり四周󠄃まはりに戌樓やぐらを建󠄄たてて之これを攻せめたり 5 かくこの邑まち攻圍󠄃せめかこまれてゼデキヤ王わうの十一年ねんにまでおよびしが
 1375㌻ 
6 その四月󠄃ぐわつ九日ここのかにいたりて城󠄃邑まちのうち饑󠄃うゝること甚はなはだしくなり其その地ちの民たみ食󠄃物くひものをえざりき 7 是こゝをもて城󠄃邑まちつひに打破うちやぶられたれば兵卒へいそつは皆みな逃󠄄にげて夜よの中うちに王わうの園そのの邊󠄎ほとりなる二個ふたつの石垣いしがきの間あひだの門もんより城󠄃邑まちをぬけいで平󠄃地ひらちの途󠄃みちに循したがひておちゆけり時ときにカルデヤ人びとは城󠄃邑まちを圍󠄃かこみをる 8 茲こゝにカルデヤ人びとの軍勢ぐんぜい王わうを追󠄃おひゆきヱリコの平󠄃地ひらちにてゼデキヤに追󠄃付おひつきけるにその軍勢ぐんぜいみな彼かれを離はなれて散ちりしかば 9 カルデヤ人びと王わうを執とらへて之これをハマテの地ちのリブラにをるバビロンの王わうの所󠄃もとに曳ひきゆきければ王わう彼かれの罪つみをさだめたり 10 バビロンの王わうすなはちゼデキヤの子等こたちをその目めの前󠄃まへに殺ころさしめユダの牧伯等きみたちを悉こと〴〵くリブラに殺ころさしめ 11 またゼデキヤの目めを抉つぶさしめたり斯かくてバビロンの王わうかれを銅索くさりに繋つなぎてバビロンに携たづさへゆきその死しぬる日ひまで獄ひとやに置おけり〘1053㌻〙

12 バビロン王わうネブカデネザルの世よの十九年ねんの五月󠄃ぐわつ十日とをかバビロンの王わうの前󠄃まへにつかふる侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダン、ヱルサレムにきたり 13 ヱホバの室いへと王わうの室いへを燒やき火ひをもてヱルサレムのすべての室いへと大おほいなる諸すべての室いへを燒やけり 14 また侍衛󠄅じゑいの長かしらと偕ともにありしカルデヤ人びとの軍勢ぐんぜいヱルサレムの四周󠄃まはりの石垣いしがきを悉こと〴〵く毀こぼてり 15 侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンすなはち民たみのうちの貧󠄃乏者まづしきもの城󠄃邑まちの中うちに餘のこれる者ものおよびバビロンの王わうに降󠄄くだりし人ひとと民たみの餘のこれる者ものを擄とらへ移うつせり 16 但たゞし侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンその地ちのある貧󠄃者まづしきものを遺󠄃のこして葡萄ぶだうを耕󠄃つくる者ものとなし農夫のうふとなせり

17 カルデヤ人びとまたヱホバの室いへの銅あかがねの柱󠄃はしらと洗盥たらひの臺だいと銅あかがねの海うみを碎くだきてその銅あかがねを悉こと〴〵くバビロンに運󠄃はこび 18 また鍋なべと火鑪じふのうと燭剪しんきりと鉢はちと匙さじおよびすべて用もちふるところの銅器あかがねのうつはを取とれり 19 侍衛󠄅じゑいの長かしらもまた洗盥たらひと火盤ひいれと鉢はちと鍋なべと燭臺しよくだいと匙さじと斝さかづきなど凡すべて金銀きんぎんにて作つくれる者ものを取とり 20 またソロモン王わうがヱホバの室いへに造󠄃つくりしところの二ふたつの柱󠄃はしらと一ひとつの海うみと臺だいの下したなる十二の銅あかがねの牛うしを取とれりこのもろもろの銅あかがねの重おもさは稱󠄄はかる可べからず 21 この柱󠄃はしらは高たかさ十八キユビトなり又󠄂また紐ひもをもてその周󠄃圍󠄃まはりを測はかるに十二キユビトあり指ゆび四本ほんの厚あつさにして空󠄃うつろなり
 1376㌻ 
22 その上うへに銅あかがねの頂かしらありその頂かしらの高たかさは五キユビトその周󠄃圍󠄃まはりは銅あかがねの網󠄄子あみと石榴ざくろにて飾󠄃かざれり他ほかの柱󠄃はしらとその石榴ざくろも之これにおなじ 23 その四方はうに九十六の石榴ざくろあり網󠄄子あみの上うへなるすべての石榴ざくろの數󠄄かずは百ひやくなり

24 侍衛󠄅じゑいの長かしらは祭司さいしの長をさセラヤと第だい二の祭司さいしゼパニヤと三人にんの門守かどもりを執とらへ 25 また兵卒へいそつを督つかさどる一人ひとりの寺人じじんと王わうの前󠄃まへにはべるもののうち城󠄃邑まちにて遇󠄃あひしところの者もの七人にんとその地ちの民たみを募つのる軍勢ぐんぜいの長かしらなる書記しよきと城󠄃邑まちの中うちにて遇󠄃あひしところの六十人にんの者ものを邑まちよりとらへされり 26 侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダンこれらを執とらへてリブラに居をるバビロンの王わうの許もとにいたれり 27 バビロンの王わうハマテの地ちのリブラにこれを擊うち殺ころせりかくユダはおのれの地ちよりとらへ移うつされたり

28 ネブカデネザルがとらへ移うつせし民たみは左さの如ごとし第だい七年ねんにユダ人びと三千ぜん二十三人にん 29 またネブカデネザルその十八年ねんにヱルサレムより八百ぴやく三十二人にんをとらへ移うつせり 30 ネブカデネザルの二十三年ねんに侍衛󠄅じゑいの長かしらネブザラダン、ユダ人びと七百ひやく四十五人にんをとらへ移うつしたり其その總󠄂すべての數󠄄かずは四千せん六百ぴやく人にんなりき

31 ユダの王わうヱホヤキンがとらへ移うつされたる後のち三十七年ねんの十二月󠄃ぐわつ二十五日にちバビロンの王わうエビルメロダクその治世よの一年ねんにユダの王わうヱホヤキンを獄ひとやよりいだしてその首かうべをあげしめ〘1054㌻〙 32 善言よきことばをもて彼かれを慰なぐさめその位くらゐをバビロンに偕ともに居をるところの王等わうたちの位くらゐよりもたかくし 33 其その獄ひとやの衣服󠄃ころもを易かへしむヱホヤキンは一生いつしやうの間あひだつねに王わうの前󠄃まへに食󠄃しよくせり 34 かれ其その死しぬる日ひまで一生いつしやうの間あひだたえず日々ひびの分󠄃ぶんをバビロンの王わうよりたまはりて其その食󠄃物くひものとなせり〘1055㌻〙
 1377㌻